いま保健所や地方衛生研究所を責めても問題は容易には解決しないかもしれません。長丁場になりそうなので、現場は不眠不休で頑張るのではなく、持続可能性に重きをおいて適切な休息をとってもらいたいと思います。批判の対象は現場じゃないです。陰謀論は現場の士気を下げます。
「重症の肺炎で主治医もPCR検査が必要と判断しているのに検査してくれない。おかしい」←わかる。 「高熱で肺炎が心配なら4日間熱がが続いていると嘘ついて医療機関に行ったほうがいい」←わからない。
「がん=腐海」説はきわめて有害である。標準治療を避けさせ、がんが進行し悪化しても医療につながりにくくなるからだ。痛みを治癒反応だと誤解してしまうと、痛み止めなどの苦痛を緩和する治療すら忌避させてしまう。ニセ医学の中でも最も許しがたい類。
胃がん手術時に輸血を受けた父親に輸血後の感染症検査のお知らせが来たのに対して「危ないもの輸血してる日本。いったい何なの」というツイートがバズっています。新型コロナワクチンにからんだデマリプライもたくさん。事実は、日本の輸血の安全性は世界でもトップレベルです。
医療現場においては、手指消毒としてアルコール製剤が使用されています。「医療現場において、ウイルスはアルコールでは消毒出来ないというのが通説」はデマです。
すべての検診には害があります。「検診自体には害はあるはずはない」「情報は多いほどいいので過剰診断で有害は起こりえない」といった主張は誤りです。すべての検診には害がある一方で一部の検診には利益もあり、害より利益が大きい検診が公的に推奨されています。
高額で根拠に乏しい自費診療を提供しているクリニックの責任者が大阪大学の「特任准教授」の肩書でテレビ出演していた。共同研究グループの一員になって肩書をゲットしたわけか。一般視聴者は騙されるわな。
ファイザー/ビオンテックのワクチンの臨床試験では報告段階で6人の死亡がありました。ワクチン群2名、プラセボ群4名です。何万人を何週間も観察するので、ワクチンと無関係に亡くなる人もいるのが当然です。
アビガンが承認されないのにレムデシビルが承認されたのは、レムデシビルはランダム化比較試験で結果を出したからだと思います。 twitter.com/MasuzoeYoichi/…
「クレベリン」をはじめとした「空間除菌」は、日常生活空間における有効性は疑わしいです。[「医師がすすめる空間除菌」のカラクリ医学 natrom.hatenablog.com/entry/20140218… ]。私はおすすめしません。
「インフルエンザだろうと普通の風邪だろうと呼吸器症状があれば気軽に休める社会」を目指したほうがいいと思います。急には変われませんが目標はそこです。「いつでも希望すれば検査を受けられる社会(陽性なら休む)」は目標ではないです。
「韓国はあんなに検査をしているのに」という声もあります。韓国はすごいですね。これたぶん、ばっちり準備していました。というのも、韓国では数年前、MERSが流行して30人以上が亡くなっています。輸入症例だけでなく四次感染まで起きました。
コロナウイルスによる疾患の代表がSARSとMERSです。韓国はMERSを教訓として準備していたのでしょう。日本では私の知る限りではMERSは発生していません。この差が、今回の新型コロナの対応の差にあらわれたのではないかと、個人的には思います。
イベルメクチンは新型コロナに効果があるかもしれないし、ないかもしれない。ただ、効果があるとしても一部の論者の主張するほど強力な効果はないと思う。強力な効果があればもう証明されているはず。
勝俣範之先生らが問題点を指摘した朝日新聞紙面に掲載されたイタリアの元医師の「ニセ医学」に基づく書籍の広告について、紙面でもコメントが出されました。ネット上ではすでに朝日新聞社広報部から対応のコメントが出されていました。
「『希望者に全員PCR検査を』なんて言っている人はほとんどいない。検査否定組が作り上げた架空のわら人形」というツイートを見かけたけど、ついさっき、「オールジャパンで一刻も早く全国民のセルフPCR検査(無料)を実行するべき」というスライドをみた。
免疫力がアップするなどと称して健康な人に自費でビタミンDを筋注している医療機関は100%インチキです。
「MERSの教訓で韓国は準備していた」は私の個人的な推測です。詳しい方がいらっしゃったら補足をお願いします。また、落ち着いたら検証がなされるべきです。ただ、少なくとも「韓国ができているに日本ができていないのは政府が感染者数を少なく見せたいから」という見方はあまりに単純すぎます。
順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏は、私にとっては「免疫学の権威」じゃなくて「喫煙と肺がんの関係を否定している残念な人」だな。
安倍政権ならそれぐらいの陰謀をやりそう?でも、陰謀をやるなら、「検査をしたことにして陰性の結果を出す」ほうがずっといいでしょう。臨床医から文句は出ない上に、検査陽性÷検査総数の数字の下がって「検査はしっかりしているけど流行していない感」を出せます。
「実際の感染者は検査で判明した感染者数の10倍いる」と「ピークアウトした」は両立するよ。矛盾じゃない。問題点を指摘するとしてもそこじゃない。 twitter.com/iwakamiyasumi/…
「マスクの使用を継続すると、呼吸の苦しさに慣れてしまうが、脳が慢性的な酸素欠乏の状態になり、脳の退行が進み、神経細胞が失われ、認知症が急増する」などと主張している専門家は大勢どころか、私の把握する範囲内では一人もいません。皆無です。 twitter.com/You3_JP/status…
普通の官僚なら人事権を握られたら忖度するかもしれませんが、医師は医師免許があるので行政をやめてもいくらでも働き口があります。そうまでしてサボタージュする理由はありません。
島薗進氏の主張は「軽症でも嘘ついて救急車を呼んでいい」というもの。嘘をついた人のせいで本当に必要な人の元へ救急車の到着が遅れ、亡くなる人がいるかもしれないという想像力が決定的に欠けている。
PCR検査が1日3000件可能だとか厚生労働省が発表したそうですが、毎日新規患者を3000人検査できるわけではないです。陽性者のフォローアップや接触者調査もありますし、新規の検査対象者からは複数の検体を検査します。