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「死んだキリストへの嘆き」の全体像はこれ。皆悲しんではいますが御覧の様にマグダラのマリアにだけ強風が吹いており、彼女の悲しみの表現は突出しています。マリアは信者としてキリストを敬愛していただけでなく、女として深く愛していたのではないか。そう作者は言いたかったのかもしれません。
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日本橋高島屋の文庫カフェ「黒澤文庫」に行ってきました。コーヒーとインクの匂いがする場所というコンセプトだそうで、店は昭和の書斎といった雰囲気。置いてある本は自由に読んでいいそうです。ドリアとアイスダージリンのセットを注文。紅茶が薄くならない様に氷も紅茶で出来ていました。
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飲みすぎたようじゃ。う、オエェー。などという場面である筈もなく、これはメルヒオール・ブローデルラム(仏)の「受胎告知と訪問」(14世紀頃)です。画面左で読書するマリア様の元に天使ガブリエルが告知に参上。左上では父なる神がご懐妊の黄金シャワーをマリア様の頭上に浴びせています。
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本日東京は一日冷たい雨が降りました。大好きな秋はあっという間に立ち去りもう冬がやってきます。画像は笠松紫浪の「夜雨・不忍池」(昭和13年)。紫浪はあの鏑木清方の門人で近代化される東京の姿を多く版画に残しました。モダンな街灯の下、雨の中を一人行く和服姿の女性。静かで落ち着く絵です。
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恋人同士の逢瀬に見えますが、この絵は中々に曲者です。画像はウォーターハウスの「ラミア」(1905)。ラミアはゼウスの愛人でしたが子供と男性を食い殺す魔物へ変貌しました。帯のように見えるのは蛇である彼女の抜け殻。男性は一見ピンチですが、実は足で抜け殻を抑えてます。腹の探り合いなのですね
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画像は1966年のロンドンのとあるブティックでの光景。下着の女性は「生きたマネキン」です。彼女らは宣伝の一環としてショーウィンドの前に立った訳ですが、あっという間にこの有様で警察が出動する騒ぎになりました。左画像中央の男性に注目。男のスケベ顔がいかに情けないかこの写真でよく解ります。
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もし異次元があるならば、その世界はこのような虚無が支配する場所ではないでしょうか?画像は現代芸術家Zacharie Gaudrillot-Roy(仏)の作品。写真をデジタル処理することで建物を削り表面だけ残しているようです。この「からっぽの世界」は見ているだけで心細くなります。zachariegaudrillot-roy.com/en/home
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なんてイケメンな女王様❤ライエンデッカーの「メイヴ」(1907頃)です。彼女はケルト神話に登場する人物でコナハト地方の女王。狼の女王とも言われ性格は野心的で狡猾でしたが、その美貌と黄金のような金髪は男を骨抜きにしました。ドラマ「ザ・ボーイズ」のクイーン・メイヴの元ネタですね。
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クリスマスなのでジンジャーブレッドマンの昔話。食べられる事に嫌気が差した彼はある日台所を脱出します。ジジババ、牛、馬などの猛追を受ける彼ですが暴走天使と化した彼には誰も追いつけません。しかし突然彼の前に大きな川が。諦めかけたその時狐が現れて言います「オレの背中に乗りな!」→続
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狐の背中に乗り川を渡るジンジャーマン。川を渡れず呆然と見送る追跡者。ところが、川の途中で狐はぴたりと止まり邪悪に笑いました。ジンジャーマンは思います。まさかこれは...。 「そのまさかだよ!」 狐は水上で動けないジンャーマンをパクリ。哀れ彼は川の藻屑となり果てたのでした🙏
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深夜なので深夜っぽい絵を。画像はCharles West Copeの「A Night Alarm」(1871)です。不審な物音に目覚めた家族はお父さんを中心に一家総出でビビリながら泥棒の確認へ赴きます。しかし画面の左端をよーく見てください。そこには一匹の猫が。この家族の結束がいかに固いか良くわかる絵なのでした☺️
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これは「Brothel Candles」。もしくは「Short-time Candles」と呼ばれるものです。19世紀から20世紀初頭に流通し、欧州の売春宿で使われました。要はこれに火をつけて燃え尽きるまでに事を致せよ、という事らしいですが、燃え尽きる時間は平均7~8分。短すぎるんじゃないかと思います🤔
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「あなたと~越えたい。天城ぃー越えぇー-!」 キーが高すぎる時、右側二名のような顔になりますね。画像は「ヘントの祭壇画」(1432)の一部で合唱の天使。当時トップクラスの実力者ヤン・ファン・エイクとその兄の合作です。リアルな表情なので合唱のパートを誰がどう担当しているか解るそうです。
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奥様とお客様の様子をそーっと鍵穴から覗く二人の使用人。これが女性のお客様なら別に二人で覗くほど興味は湧きませんよね。ならばこのお客さんはやっぱり訳ありのイケメン紳士でしょうか? そんなムフフな妄想が膨らむのがRémy Coggheの「Madame has a Guest」(1908)。メイドの表情が秀逸です。
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キスをする男女。女性の指先がまだ鍵盤に残っていることから、彼女は強引に腰を引き付けられてキスされているのかもしれまん。画像はルネ=グザヴィエ・プリネ の「クロイツェル・ソナタ」 (1901)。あまりに情熱的なこの絵は香水「タブー」のイメージ画としても使われたそうです。
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赤穂浪士討討入の日なのでゆるーい「仮名手本忠臣蔵七段目」(耳鳥斎・19世紀初頭)をご紹介。復讐計画を悟られぬため放蕩生活中の由良助へ密書が!ヘラヘラ顔を装い密書を見る彼ですが、縁の下にはスパイが待機。垂れ下がった密書を見られ復讐計画がバレます。緊張の一瞬ですが何故かほのぼのしてます
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家庭内のクリスマスは子供が主役。でもお客様を招いてのクリスマスパーティでは子供は脇役です。そんな光景を解りやすく描いたのがロックウェルの「Little Girl Looking Downstairs at Christmas Party」(1964)。寝間着姿のこのおチビちゃんはどんな気持ちで大人たちを見下ろしているのでしょうか。
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巷はクリスマス一色。現代画ですが、クリスマスらしい絵を紹介します。画像はジジババ絵画が大好きなMarius van Dokkum(1957生)の「ホーホーホー!起きてなさい!」です。そりに乗ったサンタのモデルを勤める爺はもう寝落ち寸前。しかし婆は絵が完成するまで爺を寝かせてはくれないみたいですね。
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昭和のおっさんがギリ解る死語を呟いてみます。解ったあなたは昭和の人です。 〇「ロハ」”只”という漢字を分離。無料という意味。 〇「和田平助」逆から読むとスケベだわ。 〇「その手は桑名の焼き蛤」そんな策略にはひっかからないの意。 〇独り者とはそりゃナイフ(無婦) ※画像は桑名の焼き蛤
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有名なボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」。あのヴィーナスが乗っている貝はジェームズホタテガイというそうです。そしてジョン・ブロック・ソーターの「ヴィーナスの誕生」(1890)ですが、こちらは巻貝。雨風をしのげるからこっちの方が合理的ですが、せっかくの美女がヤドカリっぽくなりますね。
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犯人は、お・ま・え・だ~♪ ミュージカルの一番面のような過剰演技!これはジョゼフ・ウェールツの「マラーの暗殺」(1880)です。フランス革命指導者マラーが美人アサシンのシャルロット・コルデーに暗殺された瞬間を描いていますが、みなリアクション盛りすぎ!兵士などは犯人を見てもいませんw
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ルーベンスの「聖ジャスタスの奇跡」(1633)です。ジャスタスはキリスト教を迫害するローマの兵士に捕らえられ斬首されますが、信仰心と根性で首を切られても祈りを捧げます。それを見た異教徒は「スッゲ!おれもキリスト教に改宗しよ」と言ったらしいですが、そうはならんやろと私は思います。
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円山応挙のわんちゃんは可愛いことで有名。画像はその応挙が愛知県の明眼院の杉戸に描いたという「朝顔狗子図」(1784)です。この絵、全体を見ると杉戸のかなり下の方に描かれておりまして、その理由は小さな子が見やすいようにではないかと言われています。おっさんはその理由だけでもう泣きそうです
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キリスト様が被っている茨の冠。あれは処刑前に拷問の一環として被せられたものです。漫画で立川にお住まいのキリスト様は毎日平気で被っておられますが、実は相当痛かったであろう事がディルク・ボウツの「 Christ Crowned with Thorns」(1470)を見ると解ります。特に眉の上の棘は痛そうですね😭
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世界に認識される日本語は色々ありますが、意外な単語も昔から海外で認識されていたようです。画像はAdolphe Piot(仏・1910没)の「Jeune Fille aux oiseaux en origami」。訳すると折り紙の鳥を持つ少女となります。この時代既に「折り紙」という言葉が仏で存在したという事でしょうか。