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40~50年ほど前の日本は55歳が定年の主流でした。今考えると有り得ない話ですが、それだけ皆老けるのが早かったのかも。そして現代、死ぬほど元気なお年寄りが街に溢れています。そんな元気老人をコミカルに描いているのがオランダのMarius van Dokkum(1957生)です。 mariusvandokkummuseum.nl
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厨二的用語として時々聞く言葉「デウス・エクス・マキナ」。これはラテン語で機械仕掛けの神を意味します。古代ギリシア劇で使われたハリボテの神が由来で、オペラ等では「最後に突然現れて窮地を救う神や人物」をこう表現しています。ご都合主義の演劇脚本を揶揄する時もこの言葉が使われるそうです。
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明日は祝日なので夜更かししている善男善女も多いはず。なので飛び切り綺麗な絵をおやすみ前にご紹介します。画像はシャーウッド ・ハンター(1919没)の「Jubilee Procession」。ヴィクトリア女王の在位60周年を記念したランタンパレードを描いていますが、まるで日本の提灯行列のようです。
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マネキンは基本無個性なものですが、1890~1940年にかけてバリバリに個性的なマネキンを作った職人、というか芸術家がいました。その名はピエール・イマンス。素材にワックスを使用し、樹脂で目を造り、髪は人毛を使っていたとか。そして一体一体にちゃんと固有の名前を付けて販売したそうです。
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絵と猫は妙に相性が良いようで、猫大好きな画家さんは沢山います。テオフィル・アレクサンドル・スタンラン(スイス・1923没)もその一人。フランスの雑誌等で活躍した彼は猫、特に黒猫を画題として愛しました。左の「ピエロと猫」という作品、黒猫の”捕まっちゃった~”という表情が可愛らしいです。
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船橋屋のくず餅大好きです。一生懸命働いている店員さんも大好きです。でもこの社長の横暴さ、粗暴さには大変失望しました。twitterのフォローは外します。この件に関して船橋屋からのリアクションがあるまでもう船橋屋は利用しません。 twitter.com/takigare3/stat…
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何処のおば様?と思う人もいるでしょう。左画像は女スパイ「マタ・ハリ」です。これは1917年頃フランス政府に”ドイツのスパイ”として逮捕された時期の姿。妖艶な魅力で独仏両国の将校を魅了した彼女ですが、素顔はごく普通の中年女性だったようです。なお現在では彼女の容疑は濡れ衣との見方が強いです
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「そんときワシがやっつけた熊っつたらよ、こーんなでかかったんよ!」。 酔った爺さんはこんなほら話をしているのかも。画像はGaetano Belleiの「The joker」(1920年頃)です。楽しそうな婆さんはきっと爺さんのバカ話にいつも笑ってあげているのでしょう。こんな素敵な老夫婦、憧れてしまいます。
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画題は「死の島」(1883頃)。アルノルト・ベックリン(独)の非常に有名な作品で、本の表紙などで見た方もいるかも。 島は死国への入口で白い棺の前に立つ白い影は死神。漕ぎ手は冥途の渡し守カロン。という見解が一般的にはなされています。しかしベックリンはこの絵について何ら語っていません。
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人は皆玉手箱を持っているのだそうです。 誕生日が来た。アニメや漫画や映画が急につまらなくなった。顔にしみが出来た。駅の階段がつらくなった。そんなささいなきっかけで人は自分の玉手箱を開けてしまい、自らが年老いたことを知るのだとか。私は出来れば一生開けたくないです。おやすみなさい。
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松涛美術館「異性装の日本史」で展示されている東京日日新聞の記事です。妻が男である事を世間に隠しつつ暮らしていた夫婦。事が露見して婚姻は無効とされ、妻はザンギリ頭にされてしまいます。我関せずの猫は可笑しみがありますが、髪を切られ俯きながら針仕事をする妻の表情には胸が痛くなりました。
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ペットは時々恐ろしい事をしでかします。昔飼っていたチワワがテーブルに飛び乗ってきて缶コーヒーをひっくり返し、お陰でNintendo-dsが死んだのは苦くて懐かしい思い出です。画像はヘンリエッタ・ロナー=クニップ(オランダ・1909没)の「音楽のレッスン」。これ絶対やっちゃダメなやつですね🤣
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ただもうカッコイイ!特に左の白スーツ集団のかっこ良さは尋常じゃないです。画像はミード・シェーファー(米・1896生)の作品。ノーマン・ロックウェルともマブダチだった彼は多くの雑誌や小説のイラストを手がけました。左のお題は「The White Brigand」。右は「Blue Roadster」。色つながりですね。
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石の上にも3年と言いますが、塔の上で40年以上過ごした人が5世紀に居りました。彼の名は登塔者聖シメオン。カッパドキア生まれの彼は修行僧で、様々な苦行の末に塔の上で孤独に過ごす事を選択しました。母の面会を拒否し「来世でお会いしましょう」と言い放った彼、人間としては失格だと思います。
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情報量が多すぎて訳がわかりません。画像はランドシーア (1873没)の作品。「真夏の夜の夢」の一場面です。 妖精の女王ティターニアが魔法でロバにされた職人に惚れた場面なのですが、それよりムキムキ露出狂の小人に目が行きます。またこの白兎は不思議の国のアリスの兎のヒントになったそうです。
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市ヶ谷の「本と活字館」に行ってきました。活字印刷の歴史を学べるありがたいスポット。しおりの印刷体験なども出来ますが、入場料は無料という太っ腹ぶりです。夜はライトアップされてお散歩には大変気持ちの良い場所となっております。おやすみなさい。
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絵画に「解像度」という言葉を使うのはおかしい話なのですが、ウィリアム・ホルマン・ハント(英・1910没)は明らかに高解像度の絵画を描く人です。ラファエル前派に属する彼は徹頭徹尾基本に忠実。聖書や伝承などクラシカルな画題にこだわりました。光量の多い画風はデジタルでの鑑賞に向いてますね。
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80年代、日本には内田善美という天才漫画家がおりました。絶頂期に突然筆を絶って以来彼女の現在の消息は杳として知れませんが、ご存命ではあるようです。そんな彼女が影響を受けたのでは、と私が思っているのがフェルナン・クノップフ(1921没)。左画像「スフィンクスの愛撫」は非常に有名ですね。
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1912年のタイタニック号沈没時、救命ボートが足りないため多くの死者が出ました。よっしゃ、じゃあ救命ボート無しでも船旅が怖くないようにしたろやないけ、とこの「鞄型防水スーツ」を発明したのがジョン・エドランド。4日間は海上を浮遊する事が出来た優れモノでしたが、何故か全然売れませんでした
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恋愛とか夢とか、人間どうにも諦めきれないものがあるもんです。往生際の悪さが唯一の長所?である私も、この歳でまだ諦められないものがあります。江戸時代もそんな人が多かった様で、都々逸坊扇歌はこんな唄を残しています。「諦めましたよどう諦めた 諦めきれぬと諦めた」。沁みますねー。
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以前から真贋が論議されていたフェルメールの「フルートを持つ女」(左)。今月ついにナショナル ギャラリーによって「クロ」との判定が下されました。右の「赤い帽子の女」との類似性からフェルメール作と言われてきたこの絵ですが、技術や経験がフェルメールに比べかなり不足しているそうです。
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昭和の時代濃ゆーい外人顔の事を「バタ臭い」とよく表現していました。バターは舶来品でしたのでバター臭い=西洋臭いということだったのでしょう。そんなバタ臭い顔の代表格と私の親が認定していたのがソフィア・ローレン(1955撮)。確かに今見ても濃ゆい顔立ちで、むせ返るようなお色気を感じます。
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「仕上がりはいかがでございますか?」 「うむ。もうちょっとヒゲを整えてもらえる?」 こんな会話をしてそうです。画像はフェルディナント・ファン・ケッセル(フランダース・1696没)の「The barber monkey」。彼は小動物を画題にしたコミカルな作品を主に手掛けました。猫さんの表情真剣ですね。
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スタイリッシュ! 画像は1920~30年頃のルワンダの男性です。この独特の髪型はアマスンズと呼ばれ、男性の社会的地位や特性、未婚や既婚などを表していました。女性も結婚適齢期にはこの髪型にしたそうです。しかし植民地化と内戦以降、アマスンズ文化はすっかり失われてしまいました。
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「おばあちゃんボク達の演奏聞いてくれる?」 「おお、ありがとねぇ☺️」(ニコニコ) 「ボエーーーッ!!!」 「ヒイイッ😱」 こんな感じでしょうね。でも子供達の善意は汲んであげたい所です。ゲオルギオス・ヤコビデス (1932没)の「Children's Concert」という作品でした。