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以前、TRPGで関わっていた中学生女子の感想で「TRPGは(ネットのゲームと違い)相手の表情が分かるから良い。顔が見えない相手と協力し合ったり一緒に戦いたいとは思いにくい」というのがあった。(オフラインの)TRPGやアナログゲームを子どもと遊ぶ際のメリットの1つとして、たまに紹介している。
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以前TRPGに参加したASD中学生は「やってみたいことを何でも“試みる”ことができる」ことを、TRPGの魅力として挙げていました。確かに彼は、洞窟の入口で焚火してミノタウロスを燻し出そうとしたり、ゴブリンを泥団子で手懐けようとしたり、寝ているオーガの顔に落書きしたり…色々と“試みて”いたな😅
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「やってみたいことを何でもできる」ではなく「“試みる”ことができる」と言っているところがポイントだと個人的には思っています。日常生活とは違う物語の場で、キャラクターを介して、能動的に「トライ&エラー」が体験できるのが、TRPGの特徴であり利点の1つだと思います。
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TRPGで出会う子の中には、教師から「人の話を聞かない」「一方的に話す」と言われる子もいますが、TRPGを遊ぶ中で、他の子の発言を待って発言したり、相手のアドバイスを聞いて行動したりするようになることが多いです。一人で話してても物語が進まない(面白くない)ということもあると思いますが。
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子ども支援の団体に講師として招かれた「TRPG体験会」で、団体代表の方に言われたのが「誰かと関わって楽しいという経験こそ、私たち大人が子どもたちに届けたいこと」という言葉。子どもたちが「人と一緒に過ごせて楽しかった!」と思える経験ができる活動の1つの選択肢にTRPGがなっていれば嬉しい。
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今回「TRPGを通じた発達障害のある子どもたちのコミュニケーション支援研究」の論文が、オンラインジャーナル「RPG学研究」に英文で掲載されました
英文でまとめるのは骨が折れましたが、本論文をきっかけに、海外の関係者に、TRPG研究を知って頂ければと思っています。
jarps.net/journal/articl…
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今日のTRPG体験会。参加者(小6)のお母様に来るなり「すみません、息子は長く座ってられないので迷惑かけると思います!」と謝られて面食らう。もしかしたら学校でも色々言われているのかも…
なお、その子は(トイレ休憩を除き)最後まで座っていて、雷を操るウィザードとして大活躍してくれました。
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今日の体験会は6名の小中学生が参加してくれました。事前情報では「集団が苦手」「家や学校で笑うことがない」「普段は空気を読み過ぎて逆に話せない」等々…という子たちが、TRPG中は本当によく喋ってたし笑っていました。終了後もお互いにキャラクターシートを見せ合って、ずっと語り合ってました。
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終了後の子どもたちの雑談の様子を見て「わが子のこんな姿は見たことがない」と仰って、動画や写真を撮られている親御さんもいました。涙ぐんでいるお母さんもいました。「子どもたちがこれだけ楽しく話せることを学校の先生たちに知って欲しい。TRPGの研究をぜひ続けて欲しい」とも言われました。
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自分のできることなど、本当に狭いですし、本当に小さいですが、もし自分の研究が、ほんの少しでも、発達障害のある子どもたちの可能性を示すお手伝いになるのであれば、自分のできる範囲で、全力でこの研究を続けたいと思いました。
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多くの方にいいねとリツイートを頂いたので、自分の宣伝など…
書籍『発達障害のある子の社会性とコミュニケーションの支援』(藤野 博 編著)の中の、「TRPGを活用した社会的コミュニケーションの支援」という論考で、自分の実践や研究について紹介しています。
amazon.co.jp/dp/4760895477
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先日のTRPG体験会で雷使いのウィザードとして活躍した少年の親からお礼メールが届く。普段は学校がしんどく,家でもふさぎ込んでいるらしいが,TRPGはとても楽しかったらしく,家でもずっとTRPGの話をしてたとのこと。
帰宅してから「こんなことあったよ!」と家族に話したくなる活動になっていて嬉しい。
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小学校でのTRPG活動、通級や情緒固定級など場所を変えつつやり方も変えつつですが、気付けばかれこれ6,7年ほどやっています。
昔は某大学の先生方から「こんなゲーム(TRPG)は発達障害の子どもには難しすぎて無理だ!加藤は無理矢理やらせてる」と、学会や勉強会で批難されたこともありましたが(続)
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小学校やフリースクールに出前TRPGをしに行くと、子どもたちは競うようにルールブックを開いて、GMの私よりもその内容を読み込んでくれます。そしてキャラクターもフリーダムに作成してくれます。小学校だとパーティの半分がポケモン、もしくは人外、ということもままありますが😅(続)
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そしてプレイ中も「こんなことできない?」「このアイテム、こう使えない?」と物語をより楽しくしてくれる質問やアイデアをどんどん出してきます。寧ろ「そうくるかー!」と毎回気付かされ、こちらが教えられることが多い…というか、こちらが予定していた通りにシナリオが進んだ試しがない😓(続)
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長年発達障害の世界に関わる中京大学の辻井先生は、発達障害は「~ができない」「~が困難」という類の障害ではなく、自然にはできないが本人の特性に合った形で方法を学べば本人なりのやり方できていくようになる障害、述べています。TRPGを通じて子ども達と関わっていると、そのことを常に感じます。
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何かをやる前から「発達障害の子には無理」「ASDの子にはできない」と周囲の大人(教師や支援者)が先回りして決めつけるのではなく、ASDのある子どもたちがもつ「強み」や「持ち味」「可能性」にも目を向けて欲しいし、私自身は、それらを積極的に言語化して発信したいと思っています。
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子ども達とのTRPGを行う際、ダイスロールの存在は大きい。戦闘中に「目の前の敵を一撃で倒す!」と昂る子に「じゃあサイコロで判定しようか」とダイスを渡す。ヒートアップしてる子が振るダイスはたいてい机から飛び出して振り直し。次は慎重にダイスを振るが、その時には気持ちも多少落ち着いている。
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学校の授業中、知っていることや気づいたことがあると、先生にさされなくても喋ってしまう中1男子。彼がTRPGに参加したとき、保護者と先生からは「迷惑をかけると思います」と言われました。でも実際にTRPGを始めると、迷惑どころか仲間をサポートするアドバイザー役になってくれました。
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またTRPG活動の前に、「プレイヤーとキャラクターは別の存在、プレイヤーが知っていても、キャラクターが知らない場合がある」と伝えると、、ゲーム中にロール(知識判定等)に成功するまでは、例え自分(PL)が知ってて喋りたくなっても、咄嗟に口に手を当て「フライング」することはなかったです。
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なお、別に大人しくしてた訳でもなく、口を抑えつつ「うおー!喋りたい!早く誰か判定に成功して!」と叫んだりしており、他の参加者(女子)から「うるさい」と注意されてました。
ただ、母親は「クラスで孤立している息子が同年代の子たちと楽しく話してるのを初めて見た」と、笑顔で喜ばれてました。
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TRPG活動には、無表情な子、「この子は笑わない」と言われる子が一定数来ますが、TRPGを遊ぶ中で、物語の思わぬ展開に思わず笑顔になり笑い出すことが結構あり、見学者の親や先生が驚きます。
個人的には、故桂枝雀師匠の「緊張の緩和」理論が、TRPG活動でも起きてると思ってます。
「笑い」って大事。
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ASDは「社会的コミュニケーションの障害」というが、本当にそうなのか?…というのは、普段は殆ど喋らなかったり他者と関わろうとしないASDの子たちが、TRPGの中では積極的に喋り、他の参加者と関わろうとし、他者と相互作用を行っていた様子を見て感じたこと。その疑問が出発点となり今の研究がある。