インクエッジ(@02Curry)さんの人気ツイート(古い順)

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この手枷ネトフリ版はいきなり勝手に外れる。原作コマがそうだから。でも16:9の画角で外れる挙動をじかに見せるとちょっと意味不明になるんよね。「原作では外れ方はなんでもよく、ただ最も簡潔に表現しただけ」と見做したろうOVA版は「脆くなっててヨーコさんが自力で外してしまう」よう改変されてる
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この次のコマで枷が取れた右腕は「服を完全に溶かされあらわになった胸部を隠す」位置にある。これもネトフリ版はそっくり再現してるけど、じゃあそのコマとコマの間はどうなってんだ? そのまんま2コマをアニメにして繋げたら、丸見え状態から腕を添えて隠したことになっちまうじゃん。
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旧OVA版はこの2コマの流れがちゃんと映像になるよう「翻案」していて、「いよいよあらわになってしまいそうなタイミング」で「必死で右手で隠そうとしたら」「(壊れるはずがない)枷が壊れてギリギリセーフ」ていうアニオリ芝居にしてるんよ。事後、脆いことにツッコミを入れる台詞が添えられる。
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いつも言ってる「漫画原作の表層に過ぎない漫画のコマを忠実になぞってしまうと、逆に原作から忠実でなくなる」とはこういうこと。ただ2コマの進行をそのまんまトレースしてしまうと、この一連の責めシーンの「なんとかぎりぎり拘束者(ガラ)には局部を絶対見せずに切り抜ける」流れがなくなる。
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原作の手枷はなんで外れるのかさっぱりわからねえ画で、まぁガラの忍術ってことで流してしまうものだけど、OVA版独自の「脆くなった」は「ガラが触れずに勝手に手枷が外れる理屈」と「外れるタイミングがちょうどよくギリギリセーフになる理屈」をうまく回収してるんだよな。
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ここで責め具に使われるスライムはガラが「品種改良」したもので、ヨーコさんには「人間の服だけを溶かすコトもできる」と伝えて脅してんだけど、手枷も溶かして脆くする能力も持たせてたんちゃうか。所詮は暇つぶしのからかい遊びでしかない責めなので、適当なところで戒めを解くつもりにしていたと。
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「翻案」があたりまえだった昔と違い、今はなんちゃって原作忠実路線が猛威を揮ってる。アニメはドウサを伴う時間芸術なのに、こうやって静止画キャプだけ比べ「原作漫画に忠実!」ってやって喜ぶタイプの客層の声がデカくなっちまった、それに応えて安直な路線を選びすぎるようになっちまったんだ。
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時間芸術であるアニメとそうでない原作漫画のおおきな違いは台詞にもあって、どんな長文でも一瞬で読み流せる漫画の台詞をそのまま再現してしまうと、小気味良いやりとり、軽快なギャグパートなんかが軒並み死ぬ。台詞が字から音声になると、読み上げる物理的な限界がたちまちガンガン露呈する。
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20世紀のギトギト作画の例(手軽に配信で拾おうとするとガンダムに偏る…0083の終盤とか劇場版とか、比較対象としては上澄みをもってくる)。「ギトギト」というと二号影やBL影を添えてクドい塗り分けラインを設けるのがまぁ思い浮かべやすいパターン
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現代もはやギトギト画風は再現不可能で淡泊あっさりにしか作画できないのか? …同じく古いギトギト漫画の現代アニメ版の例。往年のギトギトっぷりを完全再現とはいかないものの、それなりに「ギトギトなタッチを再現しよう」というものはふつうにある。なんでバスタードはおおきく絵柄を変えたのか…
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昔のギトギト画風は「細かくクドく影指定して二号影、BL影もさかんに入れる」という塗り方面と「線画にコチョコチョ、コチョコチョとタッチを加えてクドくする」の二方面の合わせ技だけど、バスタードはどっちも現代的な淡泊あっさり路線。「///」な誤魔化しタッチを入れまくる原作とは全然違う…
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挙げた新旧ギトギト画風はどれも線画段階で疑似BL影にもなる「///」を入れまくってて、手数が多けりゃとうぜんクドく見えるもの。メタリック表現の定番=ほんらいの影部分を極小にして反射光面を広くとる手法では「極小のほんらいの影部分」がBL影になりがちだ
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もひとつ、アナログ着色時代は色トレス部分がカゲ色と違ってくれるのでそのぶん情報量がデジタル制作の現代アニメよりも高い(「ただ情報が多い」というだけで、トレス線はカゲ色より濃かったり薄かったりバラバラなので一定の明暗効果を生み出してるわけではない)。
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アナログ制作はほっといてもノイズ、パーティクルが発生してそのぶん視覚情報量が多くなり、対しデジタル制作にはなにひとつパーティクルが乗ってくれないので、余計のっぺり平坦に見えてしまう
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デジアナの差異は漫画原稿にも言えることだけど。グラデトーン貼りまくりの往年のギトギト原作を今更アニメにして、ここまで「時代なり」の淡泊なルックに変質してしまうのはさすがに厳しい…
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情報量が多い往年のギトギト作風と現代主流の淡泊あっさり画風には、「好みの違い」以上に物理的な「手数の違い」があって、今風にシンプルな塗り分けでサッと影つけするより、チマチマとタッチを書き加えたり細かくクドクド塗り分け指定したりする方が、そりゃハイコストにはなるが…
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せめて頭のトゲトゲくらいこの一号影と二号影の位置を逆にしてくれ(薄い一号影は反射光側に充てるもの)よ…原作の「ギトギトさ」がまったく理解できてない…
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グラデトーンが生む「ぬらぬら感」がまったく翻案されてない
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モノクロ漫画の褐色肌のエロスはトーン削りのハイライトにある。ネトフリ版それすら再現しない(ここ雨が降ってるシチュエーションなんだから水濡れ表現としてでも入れられるだろ!)うえに、ネボケたアングル&ポーズ改変までしてどうしようもない。なぁどこが原作再現路線なんだコレ?
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ネイの鎧も上乳に力点を置くシルエットだがネトフリ版はなんのフェチもなく形状なりに常時下側に影を入れる。「光源が常に上にある」…いや「影は光によってできる」という観念が欠落してる。原作は雷を放つ剣を光源として影をつけそれによって上乳を強調してたのに、ネトフリ版は緊迫感もエロスもない
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参考、旧OVA版の同じシーン。アングルも影つけも正解。OVA版ではネイが戦いの中惑いはじめる途中から雨が降り出すよう改変されている。心境の変化を天候に投影する、映像媒体では定番の手法(背景が常時存在しない漫画媒体ではほとんど効果がないか、逆にあからさまになり過ぎてあんまりよくない)。
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あたりまえだが旧OVA版は光源の位置しだいで影のつく面が変わる。こんなの別にちっともスゴいことじゃない、ただのアニメの基本中の基本だが、それすらロクにできなくなってしまってるのが現代の惨状だ
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バスタード旧OVA版も「時代の上澄み」の側であって、たとえ同時代であってもジャンプ原作TVアニメの安普請さは今より酷かったりするけれど、「旧版はオーパーツ(※)だから」て言い訳しながらはるかに低品質の映像を新作するのって虚しい作業だ。
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※こういうとき「オーパーツ」という言葉を用いるのは誤りで、オーパーツとは「その時代にはありえないはずのもの」。アナログ制作時代どんどん表現やクオリティを突き詰めてって、その頂点としてこれらがあるので「オーパーツ」ではないんよね。言いたいことの正解は「ロストテクノロジー」です。
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いぜんマクロスの販促イベントで「マクロスゼロの雲海3DCGはオーパーツ」とコメントされてたけどあれこそ「ロストテクノロジー」の間違いです。「今はもう同等のものを再現できない、残念ながら失われてしまった技術」の意で用いていたので。