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私、僕、我が輩、朕(ちん)、小職、それがし、など日本語には自分を指し示す言葉が多くあります。先日読んだSF小説では、人型の警備ロボットが自らのことを「弊機」と言っていました。人間以外の存在が言葉を操るようになれば、一人称の種類も増えていくのかもしれないですね。(絢)
#弊機
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「よくってよ」「いやだわ」などの「てよだわ言葉」。実は明治時代には身分の低い女性の言葉遣いを女学生がまねた下品な言葉と批判されました。しかしやがて中流以上の若い女性の言葉遣いとして定着し、今ではお嬢様をイメージさせる役割語になりました。お嬢様言葉に歴史ありです。(笠)#お嬢様言葉
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「弱る」の反対語は何でしょう。強まる? それは「弱まる」と対のような。ずばり「強る」ということばがあって、古語辞典や大きめの国語辞典には載っています。「弱る」は今も頻繁に用いられるのに、なぜ「強る」は使われなくなったのか。そんなことを聞かれると弱りますね。(埋)
#強る
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代々木などの「々」に呼び方があることを知りました。カタカナの「ノ」と「マ」が合わさったように見えることから「ノマ点」。同じ漢字の繰り返しを表す符号です。パソコンなどの機種にもよりますが、「のま」や「おなじ」と入力すると変換候補に出てくるため、覚えておくと便利です。(穂)
#ノマ点
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東京・神保町にある1955年創業の喫茶店「さぼうる」。店名の由来はフランス語のsabotage(労働争議の戦術の一つ)が語源の「サボる」ではなく、スペイン語のsabor(味)だそうです。さぼうる2でナポリタンを食べながら、大学の食堂も似た名の「さぼおる」だったのを思い出しました。(門)#さぼうる
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新聞では縦書きでも横書きでも句点に「。」、読点に「、」を使います。公用文ではこれまで横書きにはコンマ「,」を使用するルールでしたが、文化審議会の建議により今年から原則として「、」になりました。ルール変更は70年ぶり。必要に応じて「!」「?」も使用可になりました。(絢)
#句読点
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「マジムカつく」。よく使われる若者言葉と思いきや「まじ」も「むかつく」も江戸時代から使われていた言葉です。「まじ」は真面目の略で江戸中期のしゃれ本などに見られ、歌舞伎演目の百千鳥鳴門白浪には「その面なんぢゃ。むかついてどうさらす」なんてフレーズも出てきます。(酎)
#マジムカつく
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令和なコトバ「動脈ピース」 決めポーズ、次に来るのは : 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO…
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日本新聞協会の「新聞用語集」が15年ぶりに改訂されました。「揚げ句の果て」が「挙げ句の果て」に変わるなど、一般によく使われる表記が採用されています。全国の校閲記者を悩ませてきた(?)「原点に返る」「初心に帰る」の違いは、いずれも「返る」に統一されて解決しました。(埋)
#新聞用語集
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たい焼き店の看板に「天然」の文字を見かけました。「たい焼きなのに天然?」と疑問に思い調べると、重さ約2キロの鋳型で1匹ずつ「一丁焼き」するのを「天然」、複数用の鋳型で同時に焼くのを「養殖」というのだそうです。天然のたい焼き店、今は何軒ぐらいあるのでしょうか。(門)
#天然たい焼き
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最近「実家が太い」という表現を見かけます。実家が裕福であることを意味し、「太い」の新用法として三省堂国語辞典第8版にも追加されました。「今年の新語2021」には「親ガチャ(子は親を選べないこと)」が入選。どんな親の元に生まれたかを意識せざるを得ない時代背景を感じます。(絢)
#太い
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タイの首都バンコク、「クルンテープ」に名称変更? : 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO…
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新語に強いとされる三省堂国語辞典の第8版が先月発売されました。追加された項目のなかで印象的だったのが「爆誕」。「〔おどろくようなものが〕誕生すること」という意味だそうです。子どもの頃、ポケモン映画でこの言葉を知り、辞書で探したのに見つからなかった思い出があります。(絢)
#爆誕 twitter.com/nikkei_kotoba/…
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三省堂の辞書編集者による「今年の新語2021」が発表され、ゆったりした心地よさを表す「チルい」が大賞に決まりました。そのほか「○○ガチャ」「マリトッツォ」「投げ銭」「人流」などがランクイン。「じゃないほう」「鼻マスク」「黙食」は選外に。(香)
#今年の新語2021 #国語辞典ナイト
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西日本で「なおす」は「片付ける、しまう」の意味で使われます。飯間浩明さんと金井真紀さんの共著「日本語をもっとつかまえろ!」によると「なおす」には「元どおりにする」の意味があるとのこと。それで「修理する」にも通じるわけです。福岡出身の私にも納得できる解説でした。(ア)
#なおす
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作家・三島由紀夫の祖母は「『とてもきれいだ』とか、『とてもうれしい』とかいう現代風の語法をきらって、『とても』の下には必ず打消をつけさせた」(「小説家の休暇」)そうです。今では「とても」は肯定文に多いと感じます。思わぬところで言葉に関する時代の証言を見つけました。(徳)
#とても
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関西弁、最後に「知らんけど」 笑い絡ませ表現に奥行き : 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO…
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なぜ「一斗二升五合」を「御商売益々繁盛」と読むのかと質問がありました。タネ明かしは無粋かもしれませんが、一斗は10升、つまり5升の倍で「ごしょうばい」。二升は升(ます)が2つで「ますます」、五合は1升の半分で「はんじょう」ということです。お酒が飲みたくなりますね。(井)
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JR新宿駅には粘着テープで文字を書いた案内が多くありました。この文字は、警備員の佐藤修悦さんが作っていることから「修悦体」と呼ばれ、独特の味があると人気です。最近は駅の工事が一段落したためか、修悦体の掲示物はずいぶん減っているようです。(笠)
#修悦体
=写真は2018年撮影
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先日、「わけわけする」という表現を耳にしました。みんなで分け合うことで、主に関西で使われる方言です。2014年にフェイスブックの表示設定で「関西弁」が選択できるようになった際には「シェア」が「わけわけ」に変わると話題になりました。語感がかわいく、使ってみたい言葉です。(笠)#わけわけ
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一期一振(いちごひとふり)。刀を数える単位には「振り」があり、1振り、2振り……と数えます。デジタル大辞泉によると、一期一振は鎌倉時代の刀工・粟田口吉光の作による日本刀の名で、「豊臣秀吉や徳川家康などが所有し、現在は皇室御物として宮内庁が管理」しているそうです。(雅)
#振り
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渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝け」が始まります。「衝け」は表外訓のため新聞では通常「突け」としますが、本来は意味が異なります。「漢字源」(学研プラス)によれば、突の「つき出す」に対し、衝は「ぶち抜くような勢いで物に当たる」こと。劇的な人生を予感させます。(穂)#青天を衝け
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正倉院収蔵の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」は天下の名香とされ、東・大・寺の字が隠れているため別名東大寺ともいうそうです。権力者たちを魅了したとされる香りがとても気になります。次回の大河ドラマ「麒麟がくる」では織田信長が切り取る様子が描かれるとあり、放送が楽しみです。(実)#蘭奢待
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もちもちした食感とほのかな甘さが魅力の「すあま」。日本大百科全書によれば江戸時代に関東で流行したそうで、そのためか関西ではあまり知られていないと聞いて驚きました。「すあま」は上新粉と砂糖からできていますが、きな粉や水あめなどが原料の「すはま」という和菓子もあります。(渚)#すあま
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「栃木県の各市町村では……」と記事にあったら、同県には村がないため正確ではありません。現在、47都道府県で村がないのは栃木、石川、福井、静岡、三重、滋賀、兵庫、広島、山口、香川、愛媛、佐賀、長崎の13県。一方、大阪府には千早赤阪村、東京都には檜原村など8村があります。(雅)
#村