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一時帰国でコンビニの棚を見て気になったのは
食品のラベルにあふれる文字
「内臓脂肪を減らす」
「免疫機能をサポート」
「国産」
「天然」
「美」
「健康」
「医者がすすめる」
食品の味や香りはそっちのけで
情報を食べさせられている
しかも、曖昧な情報ばかりで
本当に健康につながるかも不明
2
日本に来て驚いたのが健康食品広告の多さ。TV/新聞/本/雑誌/電車内まで宣伝がビッシリ
それらが健康にどれだけ寄与できるのかの根拠はかなり曖昧で、広告も誤解を与えるものがある
「高価な健康食品を食べれば、免疫がすごくなって、病気しない」そんな話が平然とされ、大きく商売されているのは怖い
3
がんに伴う痛みのほとんどは緩和医療によって、ちゃんとコントロールをすることが可能となってます。適切な治療を受ければ、痛みのない日常生活をおくることは可能です
根拠のない説明に惑わされて、痛みにもだえ苦しむ生活を送るというのは、本当に悲しいこと。適切な治療を受けていただきたいです
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怪しげな健康食品を勧められ、がん患者さんが使う
↓
ただ全く効かずに症状悪化
↓
「効かない」と患者が文句を言う
↓
すると「それは好転反応」ですと言い。痛みが強くなるのはがんに効いている証拠。ひどくなってから良くなると説得
↓
そうして限界まで使わせる
典型的パターン。本当にご注意を
5
怪しい本で紹介されてる食事療法でがんは消せないとすでに知ってる
しかし、真に受けてしまった家族/親戚/友人が熱心に勧めてきて、しょうがなくお付き合いしてるというがん患者さんが時々いる
「良くなって欲しいのになんで使わないの‼️」と怒られたりする。患者さんは悪くないのですが
根深い問題
6
あの〜、手を洗いたいんですけど
そこでおくつろぎになられると、ちょっと難しいかなと。。。
7
手術/放射線/化学療法と言われると誰でも怖くなります。本当にその気持ちはよくわかります
ただ、スープだとかサプリだけで治せるような簡単な病気ではないのが現実です。治療をしなければ進行してしまう
ぜひ、以前に手術などを受けた患者さんの話を聞いてみてください。勇気をもらえると思います
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がんになったら病院で行われる標準治療を受けましょう。標準治療とは世界での検討結果で、現時点で最も高い効果が期待される治療のこと。保険適応され比較的安価。医師にどれが標準治療か聞きましょう
怖いお気持ちもよくわかります。ただ現代治療の体への負担はかなり軽減してます。医師にご相談を
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がん診断され手術/放射線/化学療法が必要と言われる。もちろん皆さん怖い
だから他手段はないかとSNSを調べる。すると手術はダメ、抗がん剤は毒、食事の工夫だけで治せるという情報にであう。これだと飛びつく
結果、早期治療で根治できたのに、進行癌で治療困難になる
これが今の日本の怖い現実
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末期がん患者だったという人が、民間療法でがんを消したと言い、独自療法をSNSで勧める
この様な発信からは距離を置くべきです。因果関係の評価が不正確だったり、商売のため嘘/誇張が入っていることもある。標準治療を拒否するよう勧める危険なのもある
正確性不明の情報に命を預けるべきではない
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花粉症が良くなるけど危ない？理由を解説
ステロイドには強い免疫抑制作用がある。花粉症は免疫暴走で起こるので、免疫を強く抑えれば症状改善。ただ、その免疫抑制作用は強いので、量によっては必要な免疫もなくし、感染防護も低下。また高血糖等の他の副作用も起こす
医師管理下の使用が必要な成分 twitter.com/kokusen_ncac/s…
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糖代謝は代謝経路において重要経路で、がん細胞が糖を活発に使うことは間違いない
ただ、がん細胞は他経路も積極的に使っているので、糖摂取を減らせば死ぬというわけではないです。また正常細胞も糖を積極的に使っているので、極端に減らせば体自体がまいってしまいます
シンプルすぎる話にご注意を
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「糖を減らせばがんを倒せる」という話が良く出ますが、そんな単純な話ではありません
この代謝経路図が示すように、実際の代謝は大変複雑で、がんは糖のみを使うわけではなく、膨大な数の他経路も使って増殖します
「俺は山手線乗ったことあるから東京の電車はわかる」ぐらい適当かなと。ご注意を
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「免疫力が弱いからこれで上げる」的な話が氾濫してますが、あまりに解像度が低い。そんな単純な話ではない
現代医療はもっと深いレベルで解析が行われ治療薬が開発されています
複雑な機序を理解する必要はないですが、そんな単純な話ではないと知ってもらうだけで、だまされるのは防げると思います
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がん細胞は発生段階で、免疫細胞から逃れる術を多数獲得し体内で殺されず増殖する。図は機序の一部を図示
現代のがん治療はこの機序を詳細に調べ、それの抑制薬を作って行われています
「免疫力が弱いから健康食品で上げよう」はあまりに解像度が低い。現代医療はもっと深いレベルで行われています
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がん患者/家族がおかれる恐ろしい日本の現実。それが克明に記載されてます
良くなって欲しいという周囲の思いを悪用し、怪しい商品を次々と売りつける人々。それに振り回され、患者/家族もボロボロになってしまう
この現実に対して政治/医学界がするべきことがきっとあるはずgendai.media/articles/-/108…
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みかんの紹介をします
ビタミンCがなんと4000万ngも含有
その量はなんとセロリ10個分！
なんかすごい魅力的ですよね
ただ以下ではどうです？
ビタミンCがたったの0.04g
アセロラの1/40だけ
急にしょぼく感じません
これが健康食品の広告に登場する数字トリック
単位変更/例えで騙されないよう注意
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興味深い研究
ベートーベンの死因を探るため、彼の毛髪の遺伝子を分析。B型肝炎の痕跡や、肝臓病を起こしやすい遺伝子が検出。多飲酒も絡んだ肝臓病が死因と推定
難聴に苦しんだことも有名だが、その原因は特定されず
最新科学は歴史上のミステリーも解き明かそうとしているnature.com/articles/d4158…
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ノーベル賞を取った免疫チェックポイント阻害剤ですら、効くがんと効かないがんがはっきりと分かれます
全てにがんに効く治療というのは存在しません
「何のがんにも効果があります」というのは、科学的根拠に基づいた話ではないのだろうなと考えてもらい、気をつけて見てもらうと良いかなと思います
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がんに効くという広告を見た時に注意して欲しいのが、具体的ながん名が書いてあるか
一般の人は「がん」と大まかにとらえますが、実際はそれぞれのがんは大きく異なる病気
データに基づく話なら「頭頸部癌に効果」など具体的になるが、「がんに効果」では科学的な話ではないとわかります。そこに注意
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がん治療の中にはウイルスから体を守る白血球を減少させるものがあって、そのためにコロナへの抵抗力が弱まります
また白血球が減少している際にワクチンを打った場合にも、抵抗力のつき方がやや弱くなります
現在治療中の方や、最近まで治療していたという方と接する際にはご配慮いただきたいです
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マスク着用が緩和されました。ここで周囲に治療中のがん患者さんがいる方へお願いです
治療中のがん患者さんはたとえワクチンを複数回打っていても、免疫が弱っているため重症化リスクが高いです
がん患者さんと接する方はできる限りマスクを着用していただけるとありがたいです。宜しくお願いします
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「トーストのこげを食べるとがんになる」と言われます
こげに含まれるアクリルアミドが癌を起こすという話から来てます。しかし、日常摂取量で発癌率が上がったという明確なデータはなく、現状で因果関係ははっきりしません
おこげをあえて食べる必要はないですが、気にしすぎなくて大丈夫と思います
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「ビワの種を食べるとがんに効く」という書き込みがSNSで広がってます。これは危険です
ビワの種には有害物質が含まれていて、頭痛/めまい/嘔吐などの中毒症状を起こすことがあります。がんへの明確な効果も認められていません
自然だから安全とは限りません。ご注意下さいwww3.nhk.or.jp/news/html/2023…
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がんで手術という話になると、神の手の医師にやってもらいたいと思う方がいます
実際はそのような医師しかできない特殊手術が必要という患者はそれほど多くありません
広く行われる一般的手術を受けるのであれば、近くの病院で早めに手術をしてもらい、素早く治療開始した方が望ましいこともあります
米国在住の猫好きがん研究者(専門は脳腫瘍)。 かつては日本で脳外科医。不正確な医療情報が広がる世の中で、がん患者が適切な治療を受けられるように情報提供してます。共著書「最高のがん治療」発売中。Yahoo個人オーサー。毎日新聞医療プレミアで連載中。ブログsatoru-blog.com。お仕事依頼はブログの問い合わせ欄へ