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病院で処方された睡眠薬や精神安定剤(抗不安薬)を他人に譲ってはいけません。他人から貰って内服してもいけません。麻薬及び向精神薬取締法違反です。
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最近の研究結果から。うつ病と双極性障害はかなりかけ離れている。遺伝子的に双極性障害は統合失調症に近い疾患です。ラツーダやエビリファイ、ラミクタールという薬が候補にあがります。とにかく、正しい薬物治療を受けるべきです。リーマス投与で、血中濃度が0.4なんて論外です。
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ストレスに強い私の娘。悩んだ時に一番大切なことはひたすら眠ることだと言う。15時間近く眠ることがある。夢の中で悩みの答えがある。起きた時に「もう、終わった」と悟ること。睡眠不足の時に悩みの波はMaxで、良く眠るとMinimumになる。睡眠は「浄化」である。
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適応障害について。
仕事には4種類ある。
①簡単にできる
②少し努力するとできる
③できるけど疲れ果てる
④全くできない
③が多いと、適応障害になる。
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精神疾患の当事者ではよく「治る、治らない」という話題になるが、病状を持ったまま新しい自分を見つけることも大切である。病は全て「負の遺産」ではない。右肩上がりの人生でなくても良い。山登りにおいても、急傾斜の道を急いで登るよりも、回り道をした方が美しい景色を見ることができるように。
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コロナワクチン。1、2回目がファイザーで、3回目がモデルナだと、3回目の副反応が凄い。39℃以上の発熱がある患者さんを多々見かける。
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更年期の女性。動悸と息切れで循環器内科に行って、めまいと耳閉感で耳鼻科に行って、右手の痺れと冷感で脳神経内科に行って、不安と冷や汗で精神科に行って、皮膚の痒みで皮膚科に行って、処方薬は10種類以上。産婦人科に行って、ホルモン補充療法を受けたら、全部治った。
#更年期障害
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うつ病は脳病である。意欲が低下することをうつ病では思考制止と呼ぶ(統合失調症では意欲減退と呼ぶ)。何故そう呼ぶか?健康な時にはきちんと情報を処理して思考することができるが、うつ病になると思考が前に進まない(制止)のだ。いかに脳が疲弊して機能が低下しているかを物語る現象である。
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他人からひどいことをされたなら、
「この程度の人なんだ」と、
怒りも涙も冷たくなるほど、
冷めた目でみなさい。
あなたが取り乱すほど、価値はない。
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「時薬」という言葉がある。悲しみを癒す一番の薬は「時間」である。どんな悲しみも、時間が経つうち、次第に薄れていく。人によって、悲しみの大きさによって、その時間は様々である。しかし、時間と共に、痛んだ心は少しずつ再生されていく。これは確か。待つんだ。ひたすら待つんだ。
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精神疾患には、それなりに意味がある。統合失調症の患者さんは、芸術分野で素晴らしい作品を残すことがある。うつ病の患者さんはどうなのか?几帳面で頑張り屋で徹底的に仕事をこなす。つまり、神様が「こんなに頑張ったから、ユックリ休んで下さい」と言う警鐘である。そう思う。
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「暗い」のではなくて「優しい」のだ。
「のろま」ではなくて「丁寧」なのだ。
「失敗ばかり」なのではなくて「たくさんチャレンジしている」のだ。
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認知症の看護について。認知症患者が入院すると、必ず「家に帰る」と口にする。夜になるに連れ訴えは顕著になる。暗くなり寂しくなるからだ。どう対応するか?「入院したので帰れません」との声掛けは駄目だ。益々、不穏になる。「今、家族が迎えにきます。お茶でも飲んで待っていて下さい」が正解。
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ヤクルト1000が売れている。これには理由がある。「腸脳軸」という言葉を覚えよう。下痢、便秘、腹痛などの腸の機能性疾患の患者を診察して気づく。腸の症状だけでなく、眠れない、落ち着かない、頭痛、食欲がない、意欲がないなどの精神症状を訴える患者が沢山いる。腸の不調で精神を病む訳だ。
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統合失調症の平均寿命は一般人と比べて5〜10年短いと言われている。先日診察した中年女性の患者さん、乳癌だった。乳房にしこりがあるという段階ではなく、乳房全体が腫れ上がっていた。既にあちこちのリンパ節と肺に転移していた。自身の健康状態に無頓着すぎる。放置しすぎる。寿命が短い訳だ。
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人に敬意を払う、大切にする、優しくするなんて人間関係の基本中の基本。なんたって、お金もかからないし、時間もさほど必要ないし、心がけ次第。こうすれば、品格も運もあがるよ。人を貶したり、邪険に扱ったり、不親切に扱ったりすると、品格も運も下がるよ。神様は人の行動をちゃんと見てるからね。
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2年後に住宅ローンが完済される。私は非常勤医師になる。妻とあちこちを旅行して楽しい老後を過ごす。現実は、妻は施設に入所している。ネガティブに捉えないことにしている。旅行できなくなったけど、メール交換は楽しいね。コロナが終息したら、妻を外泊させて家で美味しいものを食べるのが夢。
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今日も認知症の男性患者を診察した。脱サラしてカメラ店を営み、仕事一筋の人生。認知症になって妻が亡くなり独居生活が出来なくなり、施設に入所。夜になると妻を恋しがり、また仕事への思い出がよぎり、「家に帰る。妻が待っている。仕事をする」と言って徘徊。人生の重みと老いの寂しさを感じた。
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うつ病の寛解について。不安と食欲低下は早めに回復する。その次に不眠と抑うつ気分が回復する。ここまで2〜3ヶ月かかる。意欲が出ない、パッとしない感覚の回復は時間がかかる。これが難しい。回復するのに2年くらい必要な患者さんもいる。ちょっとずつ、諦めず、コツコツと治療を受ける。長い闘い。
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鼻出しマスクをしている、若い病棟看護師。その姿を何回も見かけて、一昨日は病棟師長に注意するように声掛けした。「鼻が出ているよ」との注意だ。今日もまた、鼻出し。流石に私が注意した。それで、泣き出した。ちょっと言い過ぎたかな?でもさ、どう考えても、鼻出しマスクの看護師は許されない。
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脳の機能障害が精神疾患である
脳の機能が異常に低下する→うつ病
脳の機能が高まったり低下したりする→双極性障害
脳の一部が壊れている→統合失調症
脳の一部がなくなっている→認知症
脳の回路がクルクル回る→強迫性障害
脳の警報装置の誤動作→パニック障害
生来的に脳の発達が凸凹→発達障害
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精神疾患の特徴について
統合失調症→自我障害
うつ病→自責感と思考抑制
双極性障害→激しい潮の満ち引き
強迫性障害→堂々巡りで社会生活が脅かされる
パニック障害→発作であること
摂食障害→痩せ願望
発達障害→生来的な脳の発達の凸凹
認知症→理解・判断能力の著しい低下
不眠症→睡眠への拘り
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精神病(特に統合失調症)を薬を使わずにカウンセリングだけで治して欲しいという家族からの希望がある。この気持ちは良く分かる。家族はストレス論を重視するから。ちなみに、私も精神科医になる前は、カウセリングで治ると思っていた。標準治療は薬物治療である。カウセリングだけでは治らない。
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仕事で失敗する、荷重労働をする、愛する人が他界するなど生活上の様々なストレスがある。ストレスにさらされて「夜が眠れない。気分が落ち込んで何もやる気が起きない」というのは正常(適応障害)だ。「バカと言う人の声が聞こえる。暴力団に追いかけられる。電波で操られる」というのは精神病だ。