326
夢を見た
襲撃で亡くなった
生前仲のよくなかった職員
「あの時はごめん、これどうぞ」
ザクロを差し出す
喉が渇き食べようとする
「駄目だ」
巌窟王がザクロを叩き落とし、アビゲイル が職員を捕らえた
「早くいけ」
目が覚めて藤丸立香は全てを悟り泣いた
「あの人、死んでも私が嫌いだったんだ」
327
藤丸立香はそれまでの体の酷使が祟り寝たきり
聖杯戦争が勃発し
キャスターが街をゾンビだらけに
寝たきりの藤丸はマスター適正があったが、動けない自分がなるより娘に託した方が
娘の生存率が上がると考え、符を託す
自分も毒耐性でゾンビになれないため生きながらゾンビ達に食われた
328
ナイチンゲールが夜のボーダーを見回る
ランタンの光で黒い人影がいくつも照らされる
「寒い、痛い、寒い」
「さあ、まずはこの毛布を
銃創はすぐ処置しますので」
「ありがとう、ありがとう」
人影はそう言うと消えた
ムニエルがぽつりと、
「あいつら、カルデアからここまでついてきてたんだな」
329
「わーっカボチャ!ハロウィンっていうんだ!」
「ケーキにごちそう!クリスマス最高!」
イベントにはしゃぐ藤丸立香
「色々巻き込まれてるけど、楽しそうだねマスター」
「うん!うち家の宗教でイコクのイベント全部なかったから、カルデア来てから初めてなの!」
サーヴァント達は藤丸を抱きしめた
330
藤丸立香の母がロクスタを召喚
「どなたを毒殺したく?」
「娘です、若いのに体がボロボロで苦しんでます、楽に殺してあげたい、お願いします」
「…娘さんには毒が効かねーんですよ
それに母の子殺しの命には…もう従えません」
「…」
「なので薬効のあるキノコを沢山あげます、キノコ食らえー!」
331
先輩は時々、数時間意識を失う
それは大抵午後1時頃から、6時まで、たまに時間になっても目を覚さなく その時は皆大慌て
「原因が思い当たらないんだよねえ、夢の中で特異点に、というわけでもないし」
今日も先輩は1時から目を覚さない
6時に目を開けることを、祈るばかりです
『メンテナンス』
332
魔術師はキャスターを召喚予定
ところが来たのはアルターエゴ道満
「蘆屋道満と申します…どうぞ
「キャスターで勝つために安倍晴明を呼ぶ筈だったのに!」
「…そうですか、そうですか」
……
藤丸宅
「と、いうわけで皆殺しにして参りました、さあ、拙僧と契約を」
「だから何でうち来んの!?」
333
お盆の夜夢
死んだ父が帰ってきた
知らない男と共に
「いや誰!?」
「道満、地獄で何でも屋一緒にやってる」
「父さん地獄いるの!?」
「成り行きでな
馬が疲れてるよ〜道満が重いせいだ」
「そんな事ないですぞ〜あ、いただきます」
「供物勝手に食うな!」
…
「父さん…地獄にいた」
「えっ!?」
334
微小特異点
日本の田んぼ
「なんかくねくねしたのいるなぁ、何だろ?」
「わからんが人じゃろ!」
「くねくねした竜では?」
「くねくねした源氏だな」
「くねくねしたローマである!」
「くねくねしたギリシャ系男に違いない!グオオ!!」
「「「「「特攻対象!」」」」」
くねくねは退治された
335
藤丸立香が死んだ
…
「先輩、起きてください!」
「なにをしてる藤丸!はやくせんと朝食に間に合わんぞ!」
カルデア、これは走馬灯?
懐かしいな、いい夢
「夢じゃないです!」
「え?」
「寝ぼけてるのか!ここは閻魔亭
貴様とキリエライトは従業員私はシェフ!さあ急げ!」
『死後も同じように』
337
頼光を召喚した魔術師
「バーサーカーは燃費が悪い
街で魂食いしろ!断るなら令呪を使う!」
「…はい」
……
街には幼稚園や学校が
「お母さん〜」
「えーんえーん」
「…聖杯への願いは
母と子の愛に満ちた平穏な世、その為の戦争で子殺しする位なら」
頼光は切腹
静かに消えた
『5月14日のこと』
338
#FGO
高杉晋作
「もう時間がない」
339
バグでサーヴァントの精神だけが子供に戻った
「うわあんここどこぜよおお」
「なくな、りょうま!」
泣きじゃくる龍馬を叱る以蔵
「はりまからまいりました、たくさんのたみをおすくいしたいです!」
キラキラした目の道満
「これ、はやく治んないと色んな意味でヤバい…」
マスターはひとりごちた
340
#FGO
岡田以蔵
朝起きたら見知らぬ男が洗面所にいた
「ああ、仕事続きじゃったき
風呂借りたぜよ ええ家じゃのう
これから死ぬおまんにはもったいないのお」
341
川で溺れた
目覚めると目の前にお兄さん
「ここどこ?」
「地獄と現世の間です、あなたが早く来すぎるとお母様が悲しみます」
「ママのとこ帰りたい」
「手を繋いで、振り返らぬよう」
後ろからおいでって声がしたけどお兄さんにしがみ付いた
…
「ゲホッ」
「よかった…!」
藤丸立香は娘を抱きしめた
342
そのサーヴァントは本来聖杯戦争では召喚されない
しかしどんな時も召喚に応え、勝利した
「聖杯が欲しいか?」
「いいえ、拙僧が欲しいのは…」
ザシュ
魔術師を殺した
「触媒にて!
指、目、内臓…大分揃いましたな
必ず生き返らせて差し上げます、マスター藤丸立香、絶対、絶対絶対に!」
『狂気』
343
#FGO
「なんかFGO虚無期間長いし飽きたなー」
アンストしようとすると
「お待ちくだされ」
夜道から声
「それでは残されたマスターとサーヴァントがあまりにも不憫、考え直してはいただけませんかな?マスターを操作する「あなた」?」
『道満がFGOアンストを引き止める話』
344
老人がデイケアスタッフに語る
「俺は昔冒険したんだ!サーヴァン「はいそこまで!協会とか面倒なのでストップですぞー!」
…
「すまん道満、何度も言われてるのに
俺ボケてきたかもしれん」
「拙僧はそうは思いませんが
…何年経ってもマスターが拙僧をリンボと呼び違えた事、一度もありませぬ故」
345
そのアイドルは
親の希望で子役デビュー
中学もロクに行けずアイドル活動
しかし捏造スキャンダルで転落
「死んじゃおう…」
首を切った血が陣に
サーヴァントが出現
「本当の願いは?」
「私の死、違う!世界を全部ぶっ壊す!」
「いいね、最高だ!」
『使い潰されたアイドルとオベロンの聖杯戦争』
346
#FGO
「マスター及びデミサーヴァント〇〇ガスで制圧 外傷なし
動力システム破壊 サーヴァント反応ゼロ
これより捕獲に」
パキ、パキキ
巨大な魔力反応!馬鹿な!
「よくも私の王子さまとお姫さまを…」
藪を突いて蛇どころか、地獄の門を開けたらしい
「あああ、
い あ! い あ!」
347
「おーい マシュ、ここ開けてよ」
「…この部屋に鍵はかかってません」
「手が離せないんだ、マシュ〜」
「扉は感知式の自動ドアです」
「おお〜い 急いでるんだよ」
「マシュ〜オレだよ〜〜」
「私の先輩は女性です!!」
「…
……他の所じゃ上手く行ったのに
くそっ」
部屋の前の気配は消えた
348
酒呑童子に惚れた職員
「いつかあなたとお酒を飲みたいです、下戸ですが…」
「ふぅん、ええ度胸やないの」
月日が経ち、職員は病で痩せ細り死亡
酒呑童子はその首を捻じ切り持ち去った
頭蓋骨を取り出し、酒を注ぐ
ぐい、と飲み干して一言
「ほら、どない?
死んだら下戸もなおったやろ」
349
汎人類史を救った藤丸立香
日常に戻るもゾンビウイルスが流行
「ウ〜」
「ガア!」
藤丸は噛まれるも発症せず
「そうか、毒耐性…」
スマホに着信
「藤丸くん!またもや人類の危機だ!マシュも招集してる、すぐ来てくれたまえ!」
「…父さん母さん、必ず元に戻してあげるから」
『FGO番外編 始動』
350
戦闘中腕をぱっくり切った
「痛ぁっ!」
回復系サーヴァントは不在
「ならば」
道満が裾から針と糸を取り出し傷を塞いだ
「器用だね」
「ンフフ
拙僧多才なれば、後で専門のサーヴァントに見せるとよいでしょう」
帰還後ナイチンゲールに報告
「完璧な縫合です…ただ
使われてるのは、彼の毛髪ね」