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だから僕はたいへんな負担に耐えている人に「頑張っているから偉い」っていうのが結局負担の肯定に繋がっている側面を無視できないと思うので、「単にかわいそうですね」という切り離しも時として必要だと…思う
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めちゃくちゃ仕事溜まってそれを消化してる間、ゲームしたいとかどこかに行きたいとか終わったらあれしたいみたいな希望に満ちてるのに、全て終わった瞬間に虚脱して全く何もしたくなくなってるんだけど、定年退職ってこのすごく大きい版なんだろうな…
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あと、「愛は生活を豊かにしてくれる」と「愛のない生活は悲惨」というのは雲泥の差があって、前者はまず成立してる自我があってそこに他者が加わる、後者は不完全な自我を他人で補完している、なので自分が不全感を感じたら愛情対象の責任になるということが起こります。大変なことになると思います。
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なんというか、ここ数年インターネットを見ていると文化が好きな人は文化の話をして文化だけ摂取してればよい(そして政治の話は無粋)という雰囲気があったんだけどこのたった数週間で文化が社会基盤に支えられていてそれが崩れたら文化も終わるということを見せつけられた感じだ
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異性に対する渇望がほとんど憎悪に近い様相を呈していた人が、濁流でがんばって枝に掴まっていたけど諦めて流されたという感じで唐突に無邪気にアイドルやアニメの話をする存在に変わってしまうのを見るたびに「ありがとう、文化」という気持ちになる
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自己肯定感って読んで字のごとく自分を自分が肯定する能力の話なので、誰かの承認を得られるから自分は立派だということではないんだけど、承認ベースで考える人は自分の価値が無化しているので自分の肯定は無意味(たとえば自分で発行したお金のような無意味さ)という反論が出てくるんですよね
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いや、そこそこ年行ってる人の軽口で「ああ、この人が20や30だった時にはこれが成立してたんだろうな」と感じることは少なからずあるではないですか。しかも、若い時に魅力があって周りにチヤホヤされてたような人ほどこういう落差が出やすいというのは恐ろしいですね。
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自分は「人は間違えたことを言ったりやったりして反省して考えを改めることがある」という世界観に生きてるので、「過去にこういうことを言ってるからこの言説は無効」みたいな話はあまり気にしないです(過去に間違ったからといって未来永劫間違え続ける義務はないと思うので)。
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おじゃ魔女どれみの歌の動画に「無法露出往常的笑容」という中国語字幕が出てきて、無法露出を往常的に笑容したらだめだろといつも思ってたんだけど、いい加減気になって意味を調べてみたら嘘みたいにきれいな言葉だった youtube.com/watch?v=RMW4CY…
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料理のレシピがすぐに「やみつき」とか「悪魔の足」とか言うのと同列なんだけど映画の感想も「140字のフォーマットにいかに興奮と狂気を収めるか」みたいな制約に対応する技能を競う文脈が生まれた結果そのフォーマットに当てはめる映画が常に渇望されている状態になってる気がする
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中学生ぐらいから始まる「勉強してるのは(体制側なので)ダサい」「勉強してない自分のほうが(感性を信頼できている証拠なので)かっこいい」みたいな感情、大人になっても全然振り回してる人がいる
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昔は悪意に満ちた匿名掲示板に行くときは「よーし悪意に満ちた匿名掲示板に行くぞー」と自覚ありだったけどTwitterなんて悪意に満ちた領域が日常とシームレスに広がってるので、知らないうちにそこに浸かってると景色そのものにバイアスがかかるのも仕方ない
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私は大人なので欲しいものは買えばいいのだが、子どもの頃にクリスマスの前に玩具屋のチラシを集めて自分が何を欲しがっているのかを考えていたあの時間は買うことができない。実はあっちが本体だったということに後から気づいたのだが。
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これは愛の恐ろしさですよね、愛されているがゆえに「あの人にはこういうダメなところがあるけど…」と補正をかけて許してもらえたものが、そのまま仇になってシンプルに「あいつはダメだ」となるタイミングが突然やって来るなんて、誰も教えてくれないじゃないですか
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もしかすると、飛躍を含まない、偏見や、過度の一般化や断定を一切含まない文章は概して「つまらない」という言い方もできるかもしれない。何かに詳しい人はものごとのある側面を論うときに別の可能性も残して書く場合が多いけど、そういうのって「エンターテイメント」としてはテンポが悪いから。
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「気持ち良さそうですけど」というのに悪意を込めてます
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Twitterを見ていると、言うと沢山の人が喜ぶことを学習しているうちに、自分が本当に思っていることでも事実として確認されていることでもなく沢山の人が喜びそうなことを言うようになり、しかもそれを自分が本当に思っていることと区別できなくなっている人がいるように思う
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個人も貧乏になると「生存に必要なもの」以外をギリギリまでコストカットしようかとなるんだけど、その過程で物理的な貧困を精神的な貧困が追い越してやってきて死ぬより先に精神的に死んでしまうみたいなことがあって、それが社会規模で起きたりすることもあるのかなと考えています。
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「繊細チンピラ」でも「私が傷つけようとしてないことで傷つくな」という文脈で役に立つ考えではあったんですが、人間は意図しないことで傷つけるし、偏見は悪意じゃなく無意識に持っているものだからこそ人の言っていることを参考にしてバランス感覚を養わないとまずいと今は思います
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童貞いじりがハラスメントかどうかはさておき、童貞どうこうという文脈で笑いを取ろうという行為(そもそもこの鉱脈が完全に枯渇している)が童貞以外の何者かによって行われるのは他人の自虐を勝手にするというユーモアの横領行為なのでこれを機にこの世から消滅してほしい
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「絵じゃん」とか「ゲームで努力しても意味ないでしょ」というような物言いでリアリストを気取っている人は、無為な愛好を冷笑する態度がすでに「絶対有意義なもの」の存在を前提にしていることに気付いていないという文章を書きました。リアリストはなぜ話が通じないのか? note.com/onoholiday/n/n…
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いわゆる老害叩きで叩かれる老害なる人ってほとんど「老いている」のではなく「精神的には幼いまま老化だけを経験している」人ばかりだと思うので、自分の皮膚がつやつやなのを良いことに老害叩きをしている若いだけの人もまっすぐそこに向かってると思う。
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「何も考えてないと何かの被害者になって自分だけが損する」んじゃなくて「何も考えてないと何も考えずに加害に加担して巨悪にさえなる」というの小学校で最初に教えてほしかったな
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「子どもを発生させることは善行ではない」という記事を書きました。「産み育てることを通じて生命の価値を知ることができる」という出生奨励主義的な文脈では生命は「呪い」を通じてしか連鎖しないのではないか、という問いかけです。 トートロジー型出生賛美主義批判 note.com/onoholiday/n/n…