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夕暮れの公園で一年生くらいのちいさな子が「木にボールがひっかかったの」とバレーボールの大きさの柔い球を指さしたので背伸びをして木の枝と枝の間にあるそれを取ってあげたら
「これはお礼です」
と言ってどんぐりをみっつくれたのできっとあの子はキツネかタヌキ。
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五歳の新しい病院はいろんなことが前と違ってまず「入院に際して夜間の付き添いは必要ない」という事実に私は「この人かつてCVCと人工呼吸器の挿管を引き抜こうとして、実際に抹消は何度も引き抜いた前科があるんです」とそう外来の先生に伝えたら先生は静かにそれをカルテに記載してはりました。
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近くの神社さんに蝋梅が咲いていてそれすこしを眺めていたらお散歩中カートでやってきた保育園の子ども達もその黄色が気になるもよう。黄色い帽子の6人はやっとひとつになるくらいの大きさで、みんなみたいにかわいいでしょうそれ、春というの。
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11歳の娘は今が食べ盛りの育ち盛りで特にお菓子のタルトとかクッキーとかのサクサクしたのに目がなくて、だからタブレットで色々を検索してなにかのサイトを開いた時に時折『すべてのCookieをうけいれますか』という質問が出てくるとウキウキしてしまうそう。お母さんはそんなあなたが大好きです。
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うちの5歳にはお誕生日がふたつあって、それは産まれた日と、3度目の心臓の手術の日なんですけれど、どうしてわざわざ手術日を誕生日としているのかの理由を本人宛てに書きました。
今日も手術と入院とで頑張っているお友達にも。
しんぞうの誕生日|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n8187c3…
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5歳の心臓手術のあった記念日、チョコシフォンケーキを焼いてそこに動脈血を模した赤いロウソクと静脈血を模した青いロウソクをさすのは構わへんけれど
「その間のとこに心臓を模した紅しょうがを...」
と言って夫の好物の紅しょうがを薄切りにした天ぷらを乗っけた13歳のことはちょっと叱った。
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いったい5歳児ってこんなにずーっと喋っているものやったかというほど、いま現在、うちの5歳はしゃべりっぱなしてその内容の殆どが「なんでなん」に占められているという話。
それと昨日のニュースのことを少しだけ、書きました。
「なんでなん」|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n59a680…
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あの17歳の男の子が一体何をどうしてかの凶行に及んだのか、その解析を試みようとする人々がいて、そのような報道もされるでしょうが、社会の底が抜けていようと善悪の区別がつかなかろうと融解した世界に孤立していようと世の中はあの中学生達をまず守らないと、びっくりしたね、怖い思いをしたね。
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5歳はふつうに日々を過ごすのに、いろいろなモノや人の手助けを必要とする子なのですけれど、それにまつわる様々のことと、車椅子を使っている人がなかなかエレベーターに乗れないよって話のことなど書きました。
ありがとうすいませんごめんなさい|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/ndc1199…
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抗凝固剤が良い仕事をするもので一晩まってもカサブタにならなかった5歳の額の傷を縫合するのに出かけた大学病院の形成外科に多分立春あたりにうまれたのかなって双子の女の子達がベビーカーの中にちんまりとあるのがあんまりにも可愛い、5歳が「おやゆび姫がおるね」ってつい微笑むほど可愛い。
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お薬をもらいに薬局に行ったらば年中さんくらいの、春みたいにからしい男の子が問診票を覗き込んで「これはなんてかいてあるん?」と聞いてはお母さんがそれを読み上げて
「お酒は毎日飲みますかって」
「飲みません!ヤクルトを飲みます!」
などいうのでそれは大変健康に良いことですね。
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関東の住んでいるひとに、うちの娘が普段お世話になっている大学病院では入院中、幼児食と児童食で1週間のうち1回おやつにたこ焼きがでるのやで、という話をしたら「またまた~」なんてあんまり信じて貰えなかったけど、夕飯にお好み焼きがでることもあるよ、信じて。
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今日の夕ごはんは餃子なんですけど、5人家族だと包むのもひと苦労で「誰か手伝って」と言うとだいたい一番上の子が
「餃子1日百万個、食は万里を超える」
ってあのCM(わかるひとにわかれ)を私の隣で呟くだけ呟いて部屋に戻ってくれていつもありがとうなワケあるか。
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5歳の娘の額の傷の抜糸の形成外科の処置室にはなんだか沢山人がいたけれど、あれが「赤ん坊より遥かにパワーのある、そして説得にも交渉にも一切応じない5歳児がくるぞ」って召集をかけられた研修医の先生方だってことは、私には分かったですよ。
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5歳を幼稚園に迎えにいったら超ごきげんで
「今日の給食はからあげとゼリーでうれしいものばっかりだった」
春のひかりの中に制服の青いスカートをなびかせてカニュラと一緒に飛び跳ねるので、この小さいひとがこのままこれ以上なににも傷つかず人生を送る方法はないものか少し考えたりした。
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5歳を幼稚園に送る途中、網のはまった側溝になにか大切なものを落としたらしい泣きそうな女の子の元に
「なに落としたん?ちょっと兄ちゃんらこの蓋外したげ」
どこからともなくおばちゃんが風のように現れて作業着のお兄さん達を呼び止め事態を光の速さで収束させていて、私も早くああなりたい。
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そう言えば今日、うちの5歳が「ママあのねえ、これはひみつなんだけど、今日幼稚園の年長さんのお教室に探検にいったらね、年長さんが全然いなかったんだよ…」って声を潜めてこっそり教えてくれたけど、お母さんは知ってるよ、実はねえ、年長さんはねえ、
卒園したんだよ。
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卒業生が一人だけの卒業式に図らずも参加したみたいになったという話。病棟で見た卒業式のことなんですけれど『病気を抱えたまま成長していく』ということについて、5歳の就学相談を控えた今、あらためてよく考えてます。
あの日の、あの子の、卒業式|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/na741f9…
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5歳は昨日大盛り上がりだった野球の試合をテレビで見ていて「むらかみ君」をとても好きになってしまったらしく、それはどういう好きかというと「あたしもむらかみ君みたいになりたい」という方向の「好き」だということなので、お昼はカレー。
あの屈強な身体を手に入れるにはもりもり食べないと。
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疲れてくると「それほんとにひつよう?今のあなたの人生に?」というものが欲しくなる私は今、クレープを焼くためだけのフライパンで、フランス人なら大阪民のたこ焼き器くらいの打率で保有しているらしい『クレープパン』をなぜだかもうれつにとても欲しいのでたぶん相当疲れています。
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ランドセルの展示場って、次の年の春への希望に胸膨らませたぴかぴかの笑顔のちびっ子だけのいる場所なのかなと思っていたんですけれど
「保育園やめへんし、小学校なんかぜったいいかへん」
といって売り場のスミにしゃがみこんでいる子がいてたいへん愛しいと思いました。