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ちびっ子界隈は今空前の『鬼滅の刃』ブームだが、稀に炭治郎でも、禰豆子でもなく、冨岡義勇を好きになっちゃう女の子がいるそうだ。
親御さんは炭治郎や禰豆子は知ってるが、義勇さんが鬼滅のキャラだと知らないんで、
「うちの娘、鬼滅の刃に興味を示さないんですよ……」
と心配するそうだ。
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びちっこと仕事で触れ合う機会が多いアッネいわく、
「今や『鬼滅の刃』は幼児界では一般常識化してる。
推しは、男の子なら炭治郎、女の子なら禰豆子が比較的普通である。
だが、たまに冨岡義勇に本気で恋する女の子が出る事がある。
その子には才能がある」
みたいな話されて誠に草が生えた。
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だから今日において「長男だからみんな我慢できる」と豪語する炭治郎に「???」を思い浮かべる現代っ子は多いだろうが、本当にそうなのだ。
炭治郎はあんなことがなければ、弟たちの学費を稼ぐだけの炭焼きとして一生を終えていただろう。
長子相続制とはそういうことだ。
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「炭焼きするのに学問は要らない」というのは、裏返せば「長男に学問は要らない」ということだ。
現代では長男にこそ高等教育を施すものだが、昔の日本では、長男とは教育云々よりも前に家業を継がせる存在だったので、どうせ外に出ていってしまう次男以降の方が、長男よりよく教育された例が多い。
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第一話で炭治郎から直で炭を買ってた街の人々は、早くに父親に死なれ、女手一つで大世帯を守っている竈門家を支えてやろうの意味で、わざわざ炭治郎に声をかけ、卸に持ってく前にみんな買い付けて竈門家を助けていたのだ。
炭治郎があんなに自己犠牲的なのは、その匿名の恩を知っていたからだろう。
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なまじ炭が日々のライフラインであったからこそ、中抜き構造が完璧になっていた炭焼きにおいて、炭治郎が第一話で問屋に行く前に直接取引で炭を捌いてしまっているのは、これはもう、地元の人達が申し合わせてたのだろう。問屋に持ってく前にみんな直で炭治郎から買えと。
竈門家は人望があったんだ。
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今も昔も、炭焼きとは、田舎でも特に儲からない職業の代表格だ。それは古くから流通経路が整備され、生産者と消費者の直接取引がNGだったからだ。
「炭焼に学問は要らない」とは、今日の田舎でも稀に聞く慣用句だ。どうしようもない市場構造を放置してたから今日滅んでる。
炭治郎の苦労が忍ばれる。
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鬼滅の刃とコラボすればなんでも儲かる風潮さえあるのに、
日 本 の 炭 焼 き た ち は 何 を や っ て る の か 。
オイルショック以来の大チャンスなのに鬼滅の刃と何故コラボしない。「君も炭治郎みたいな炭焼きになろうぜ!」って誘えよ。今こそ立てよ日本の炭焼きたち。
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仏教伝来〜明治期までの記録が廃仏毀釈で消えてしまったため、現在も鹿児島の歴史家や研究者は他のどの地域よりも資料集めに苦労し、また、お上から文化財保護関連の予算もなかなかつけてもらえないと言う。
どうりで鹿児島人は西郷どんばっかり推すわけや。推す歴史を消してもうたんやからな。
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小学生の頃、私のおばさんの嫁ぎ先の姑さんが亡くなった。
家で葬儀をしたんだが、弔問客が家に入り切らないため、私の一家は、最も関係が深い父以外は庭に出て、網戸の外から葬儀を見ていた。→
#怖い話書くからリツイートして
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これの中心に置いてある網みたいなのは、パパ上が粗大ゴミのジェットヒーターをバラし手取った芯の部分です。
これが値打ちもので、中心にうずたかく炭を積んでも崩れないから、魚から物凄い勢いで水分が飛び、あっという間に焼枯らし状態になるんですよ。
GODIVAなんか目じゃないですよ。
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それはそれは怖かったで。極度の曇天ではあったけど、晴れてたんやよ。そのエリアメールが来るまで、今日は大丈夫だと思ってたんよ。
だが既に川には変化が起きてて、渡渉する度に川底の小砂利が「ザリザリザリザリ……」って音を立てて流れる音だけが聞こえるんよ。
ホンマに怖かった。
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4年前、釣りをしてたら、急に頭のつむじ辺りがモヤモヤッと寒くなった。
これはまさかそんな馬鹿な、と思ったらエリアメールが来て、山向こうの市町村の避難所開設の報せ。
あの時は本気で死を覚悟した。行きに30分かかった山道を死に物狂いで車まで戻ったら、それと同時にゲリラ豪雨と鉄砲水よ。
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これからの長期休暇を前に言いたいことがある。
「頭のてっぺんが寒く感じたら川から上がれ」。
我が家では代々、頭のてっぺんが急に寒くなるのは、強烈な低気圧が発達し、気圧が下がってきている証拠だと言っていた。つまり間もなくゲリラ豪雨が降るのだ。
私はこれで助かったことが2回ある。
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マタギだ川漁師だと、色々その道の達人を追いかけてきた私が断言するが、「経験と勘」で達人になった達人はおらん。
伝説的な人ほど経験や勘に頼らない。引き出せば引き出すほど、緻密な論理が出てくる。それを聞いてると一生終わらないくらいの。
経験と勘、はめんどくさいからそう言ってるだけや。
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むしろ、徒手空拳を以て半年以上も孤塁をよく守った岩手に対して、私は少しでもいい意見が出ると思ってたよ。
しかし蓋を開けてみれば、みんな
「岩手県の第一号はやっぱり叩かれてるな。岩手県は思った通りの陰湿な村社会やった」
とせせら笑ってんのが堪える。
我々の孤軍奮闘はなんやったんや?
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この際だから言っとくが、私ァ、岩手県で第一号の新型コロナウイルス患者がどう出たかよりも、
「岩手第一号の患者が、どんな田舎特有のバッシングを受けるか」
に期待してた層の多さに凄くガッカリした。
半年以上もよく守った岩手の秩序正しさは、「田舎の陰湿さ」の曖昧な一言に塗り潰されたよ。
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「イノシシ用電気柵? 米農家だから要らん」と言ってた農家が、数ヶ月後、泣きながら農協に電気柵の相談に来るらしい。
彼らは知らなかったのだ、イノシシは泥浴びという行為を田んぼの泥で行い、それをやられた田の米は、イノシシの物凄い獣臭さで丸ごと屑米になってしまう事実を。