Mitsuyoshi Numano(@MitsuNumano)さんの人気ツイート(リツイート順)

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近年やたらに使われるようになった表現で、感動をもらう、与える、などいうのがある。じつに嫌な表現だと思う。いつから感動はデパートで買えるお中元のように、手軽にあげたりもらったりするものになったのだろうか。感動は自分の心の底から湧きあがってくるものじゃないか。
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コロナ禍の最中、いつ普通に戻れるのかばかり議論されているが、むしろ普通には戻れないと考えるべきではないか。ライフスタイルを根本的に変え、喧騒を避けて静かに自然に向き合い、金を稼ぎ経済が発展するのがいいことだという考え方をやめるいい機会ではないか?
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大学の最終講義が中止になったので、かわりにYouTube無料生放送することになりました。どなたでも無料でご覧になれます。2020年3月28日(土) 沼野充義(東京大学教授)最終講義「チェーホフとサハリンの美しいニヴフ人――村上春樹、大江健三郎からサンギまで」 | ALL REVIEWS allreviews.jp/news/4330
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大学で教師たちがいかに努力して、コロナ禍の中、学生の学ぶ機会を可能な限り守っているか、ご存じですか? 一度でも大学の授業の現場を見てからものを言ってください。授業料の一部返還要求ならば私も理解できますが、「学生の学ぶ機会を奪っている」というのはひどい暴言で、教師に対する侮辱です。 twitter.com/hosono_54/stat…
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「経済を回す」という表現に騙されてはいけない。これまで公には殆ど使われることのなかった表現ではないか。「日本語大シソーラス」や各種国語辞典を見ても、用例は一つもない。「経済」とはもともと「経国済民」、つまり「国を治め人々の生活苦を救うという意味である。「回す」ものではない。
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戦時中日本では英語は敵性語として禁止された。アメリカは敵を理解するために日本語を重視した。逆説的だが、キーン、サイデンスティッカーなどの最高の日本文学者はそこから生まれた。彼らは軍の語学将校を務めたが、決して軍国主義者にはならなかった。語学に対する態度から既に日本は負けていた。
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ロシア語では「世界」も「平和」も同じ「ミール」мирである。革命前は綴りで区別したが、これは人工的な区別で、発音は完全に同じ、語源も一つだ。古代のスラヴ人にとって、「世界」とは「戦争のない状態」のことだった。なんという素晴らしい世界観だろう。現代のロシアは恐ろしく退化してしまった。
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いまさら青くさいが、ポスト安倍の動きにはうんざりし、ニュースを見る気もなくなった。いやしくも一国の指導者を決めるのに、ヴィジョンも理想も掲げられず、日本をどうしていくべきか議論もまったくない。すべて水面下の派閥の駆け引き。こういうものが政治だと若い人たちが思っては困る。
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忘れてはならない。新しい首相が決まったら、まず、学術会議会員への任命を拒否された6名をきちんと任命しなおすことを新首相に要求しよう。学術会議はもちろんのこと、抗議した多くの学会は全部、改めて一斉に声明を出そう。このことはまだ終わったわけではない。
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プーチンによるウクライナ侵略戦争の「おかげ」で、ロシアの威信も人気も地に落ちた。4月には全国の大学でロシア履修者は激減するだろう。しかしロシア人はこういった逆境の中でこそ、素晴らしい芸術。文学を生み出してきた。むしろ今こそロシアの謎を根本から理解するためにロシア語を勉強しよう。
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1944年2月23日、毎日新聞に「竹槍では間に合はぬ」と書いた記事が載り、東條首相の逆鱗に触れ、掲載紙は発禁、執筆記者の新名丈夫は37歳で懲罰として招集された 。新名は反戦を説いたわけではない。海軍の航空力を増強せよと主張しただけだった。この「竹槍事件」の背後には陸軍と海軍の対立があった。
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今日テレ朝の池上彰出演のワイドショーでセルビアが話題になっていて、ある女性ジャーナリストがセルビアとは「スラヴ人の国」の意味だと得々として言ったので、唖然とした。よくもまあ、こんな出鱈目を! セルビアの語源に定説はないが、少なくともスラヴ人の国という意味ではない。LとRが違う。
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句読点の一つや二つ、どうでもいいとも思うのだが、編集者が勝手に私の原稿に手を入れて、句読点を一つ入れたり取ったりしたら、不思議とすぐに気づく。そして腹が立つ。文章を書くというのはそういうことだ。息をするようなもの。息づかいは人それそれ違う。
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今回の五輪騒動の教訓。中止するかしないかなんて、目先の問題で終わらせてはならない。利権と金にまみれ、各国の愚かな金メダル競争の場になったオリンピックのありかたを根本から見直す議論を国際的に始めなければならない。IOCは解体してもいいのではないか。
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オリンピックの聖火リレーは大昔から行われていたわけではない。1936年のベルリン大会が最初だった。ナチスドイツが国威発揚のプロパガンダのために大いに利用したのだ。写真はベルリンの会場で点火する最後のリレー走者。
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事前に大きな決断をして五輪を中止し、感染を徹底的に抑え込み、少し収まったころにパラリンピックだけは安全な体制できちんと開催する。そうなっていたら日本は世界から少しは尊敬されただろう。実際にはその逆になりそうだ。
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傷だらけでもいい。何とか開会にこぎつけ、やってしまえば、やっぱりよかったね、と皆感動して支持率も回復する―ーなどと思わせてはいけない。やってしまったらおしまいではない。総力をあげて五輪のもたらした巨大な損害を正確に測り、その責任を追及すること。IOCの法的責任も問えるはずだ。
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ロシアで悪いことがあると、日本ではロシア語学習者は激減する。嫌なものからは逃げるのが国民性だ。アメリカでは逆に学習者が増えるという。ロシア語の重要性が増し、その知識がキャリアにも有利になるというポジティヴ思考というべきか。日本ではロシア語をやっているだけで、変人扱いされかねない。
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一年も時間が余分にできたのに、中国のように感染を徹底的に抑え込むことも、イスラエルのようにワクチン接種を急速に進めることも、医療体制を充実させることもできず、それで五輪を本当にやりたいと言えるのだろうか? 本当にやる気なら、打つ手はいくらでもあったはずだ。政治の失敗、人災である。
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オリンピックを行うことによって勇気と希望を与えるという。なんという詭弁だろうか! 経済的な損失は覚悟のうえで、人々の命と生活を守り感染症に打ち勝つための人類共通の戦いのために、勇気をもって中止の決断をすることこそが、人類に希望を与える行為である。祭典を行うのは克服してからだ。
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五輪が終わったら(無事終わるかな?)直ちに「東京オリンピック検証国民委員会」を結成し、スポーツ専門家、医学者、政治学・経済学者、歴史家、法律家などが総力を結集して、この空しく危険なイベントの功罪を徹底的に究明し、隠されたすべての情報を明るみに出すべきだ。後世のため、世界のために。
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『東欧怪談集』河出文庫、9月発売予定。1994年に出したものの新装版。あれからもう四半世紀以上が夢のように。初版の表紙はヴィトキェヴィッチの絵だった。今度は新たに日本人のデザイナーに描いていただいた(すみません、名前が出てこないのですが、素晴らしい絵です。分かったらお知らせします)。
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反対の声をあげても何も変わらないという人がいる。ひどいことに、今は一丸となって政権を支えるべきであって、批判する時ではない教え諭す有名人までいる。しかし、声を上げたということ自体、目に見える結果に直結しなくとも、あなたの生き方を変えたということであり、歴史の一部として意味を持つ。
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言葉の虐殺 Истребление слова A Genocide Words プーチンのウクライナ侵略をめぐって О вторжении Путина в Украину. On Putin's Invasion of Ukraine 沼野充義 Мицуёси Нумано Mitsuyoshi Numano
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ベラルーシの作家(ノーベル文学賞受賞者)、ベラルーシ・ペンセンター会長のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの緊急声明。「あなたたちは、小さな、誇り高き国民が踏みにじられているのを目の当たりにして、どうして黙っているのか?」声明全文の日本語訳は添付ファイルを。