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ジャニーズ喜多川のタレントへの性虐待問題はもう半世紀も前にあった。それを最初に告発したのがジャニーズ初期のフォーリーブスの北公次。北は1988年出版の「光GENJIへ」で自身の性虐待被害を明かした。だがメディアは北を無視。だが北はネットが普及していない1989年にこの映像を残した。
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暴露本出版の後、ジャニーズのタレントたちから性被害の相談を受けた北は黙ってはいけないと声を上げたのだ。ただ2002年にフォーリーブスは再結成されるが、それには喜多川の許可が必要であり、その時の北には複雑な思いがあったに違いない。それにしてもこの映像、誰が保管し、どう公開に至ったのか。
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最近も元ジャニーズの岡本カウアンが性虐待の経験を公表し、海外メディアは積極的に報道するのに日本の報道はジャニーズ事務所に忖度して大人しい。性虐待は、特に自分の身近にいる力関係の強い人間からの虐待は何十年も傷を残す。北公次の被害をなくしたいとの意思は生きていると思いたい
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と私が書くのは、やはり力関係が絶大である神父が女性信者を性虐待したが、その女性が神父を提訴したからだ。その力を出せるまで30年以上もかかり、彼女は塗炭の苦しみ(離婚、再レイプ、人格障害発症、酒に逃げるもアル中になる…)を味わってきた。力関係が強い者は男女関わらず己の欲望の餌食にする
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#入管法改正法案 への反対の声が強まっている。反対理由で最も多いのは、難民申請中の当事者を迫害が待つ出身国に送還することだ。私はその実例を知っている。2019年1月から川口市に住むクルド人Hさんを何度も取材。そのHさんが突然収容された。東京入管に家族が面接に来た時、2歳の息子は、
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父の抱っこを求め、面会室のアクリル板を窓と思い込み、あるはずの取っ手を何度も探したが「窓」は開かなかった。 その仕草が辛く、このまま父親不在で妻と2人の子どもだけで生きていけるのかと思ったら、泣く泣く入管の勧めに応じ自費帰国した。その後、Hさんの知人で日本人Nさんがトルコを訪ね
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ISと戦っていたのはクルド人の防衛隊で、それがPKKの関係組織だったから。Hさんは裁判にかけられ刑務所での収監は間違いない。子どもたちのため、敢えて入管の退去強制令を受け入れトルコに帰国したが、入管の長期収容以上の拘束を強いられることになる。こういう結果をもたらすのが
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Hさんに会ったが、Hさんは都会に紛れトルコ側治安組織に見つからぬよう生きていた。日本生まれの小学生の長男はトルコ語を話せず不登校。そしてNさんの帰国後、Hさんは2020年、遂に居場所を突き止められ、トルコ警察の対テロ対策課に逮捕された。Nさん情報によれば、罪状は
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「PKK(クルディスタン労働者党)等テロ組織のプロパガンダ」。Hさんは2014年11月に東京でシリアのクルド人地域へのISの攻撃を非難する演説を行った。その演説の記事と映像がネットに残っていた。テロ対策課はそれを証拠にした。IS攻撃の非難がテロ組織のプロパガンダとされるのは、
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入管の仕事なのか。家族に胸を張って誇れる仕事なのか。現行法の下でもこういうことが起きる。さらに、入管法改正法案では3回目の難民認定申請で特別な事情がない限り、本国送還か、それを拒めば刑事罰(裁判を経ての刑務所収監)が待つ。もちろん難民性がない人はご帰国いただいてもけっこうだが、
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Hさんのように本国の弾圧から逃れようと、トルコ国籍であれば観光ビザ取得が不要の日本行きは安全な逃避のはずだった。トルコ国籍クルド人は世界各地で難民認定されているが、日本では現時点で認められたのはわずかに一人しかいない…
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東京都杉並区の高円寺中央公園に、#入管法改正法案 に反対する市民が主催者発表で3500人集結。「入管法をぶっ飛ばせ!1万人の大行進」と銘打っていたが、土砂降りで数を減らしたとはいえよくこれだけ集まった。戦争では大量殺人ほど英雄になるが、入管も一人でも多くの外国人を送還すれば功績になると
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私はかつて某週刊誌にリニア問題を執筆したが、記事に過ちがあるとしてJR東海の幹部5,6人が編集部に1、2時間に及ぶ「ご説明」に訪れた。他ライターのリニア関連記事でも「ご説明」が繰り返され、ついに編集部が根負けし、「樫田さん、申し訳ないけどもうリニアの記事は載せられない」との連絡が
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新情報が入るたびに数か月前に書いた情報を書き直すことの繰り返しで、頭がパンク寸前だ。これ、ホントに終わるのかな…との不安に襲われることもある。だが今回「土の声を」を読み、やるぞと元気が出た。何としても下書きは6月中に完成させよう。
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記者魂に満ちたこの取材は2022年のJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。奇しくも、私も2014年刊行の「悪夢の超特急」(旬報社)で同賞を受賞している。私は今、3冊目となるリニア単行本を執筆中だ。9割ほどは書き上げたが、なにせ1都6県に及ぶ情報量が膨大、複雑で、また、次から次へと
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(死ぬ寸前のタイミングでやっと仮放免する事例はあるが)。それを知っている支援者が「病気になれば」「仮病を」と言うはずがない。支援団体STARTのメンバーに話を聞いても「言ったことがない」。★私も取材としての面会では必ず入管職員が傍らに座りメモを取るが、STARTの面会でも職員がメモを取った
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梅村議員は信念に基づいての発言かもしれないが、全体像の把握をされていないようだ。まず事実だけを書く。★被収容者は病気になったからといって即仮放免されない。私も収容施設で多数の被入所者と面会したが、病気になる→即仮放免との事例は一例も知らないasahi.com/articles/ASR5D…
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としたうえで、その言葉から、入管への診療情報提供書に、一つの可能性として「詐病の可能性もある」と記述した、と証言している。また、後日、弁護士とともにウイシュマさんの妹たちの来訪を受けた時、医師は「そういう入管の『支援者が…』の情報がなかったら、詐病を疑わなかった」とも証言している
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だが「支援者が『病気になれば』と言った」とされるメモはSTARTが求めても公開されない。それどころか、ウイシュマさん死亡についての入管の最終報告書ではその発言は要約すれば「看守の思い込み」とされている。これを知っていれば梅村議員の「支援者が淡い期待を抱かせた」発言はあったろうか。
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支援団体のサイトからの情報も見てほしい。読んでないなら最終報告書も読んで「支援者が『病気になれば』と言った」発言などないことを確認してほしい。全体像を把握したところで、新たな疑問があればまた発信してほしい。