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さっき学んだこと:栗は"マロン"では通じない。正しい英語は"チェスナット"。マロンはフランス語で栃の実(マロニエ)のことなのだが、日本にマロングラッセが伝わったときに、日本にトチノキが少なかったせいでそれが栗で代用されたことから、栗=マロンが定着してしまったらしい。
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Googleの2億行のソースコードを解析した結果、関数に渡す引数の順番を間違える系のバグは、引数の個数が6個以上になったときに著しく増えるので、引数の個数は5個以下が望ましいことがわかったという話。
static.googleusercontent.com/media/research…
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わかったこと:セキュアなブラウザ開発に8年携わり、貨幣や決済システムについて4年以上考え続けている人間でも、フィッシングサイトに引っかかる。みなさん気をつけましょう・・・!(作りが巧妙でまったく気づかなかった・・・金額が小さかったのでよかったけどこれ笑い話じゃないぞ。。。)
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英語ネイティブどうしが fifteen と fifty の違いをはっきり伝えるために one five とか five zero とか会話してる場面を目撃するたびに、なぜこの紛らわしさが言語進化の過程で淘汰されなかったのか不思議になる。
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PayPayアプリのクレジットカード登録でセキュリティコードの入力回数に上限がなくて総アタックされたのは問題だろうけど、むしろカード側の決済インフラのレイヤーにこの制限が実装されていないことの方がよほど深刻な問題ではないのか・・・。
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「ヨーロッパで使うたびに止まってしまって困るんですが」と電話したら「AIが判断しているのでやむをえないです」と答えてきた某カード会社さん、AIが犯したミスの責任を誰が取るべきかという壮大な問題に対して「素直にAIのせいにする」という新たな方向性を見出していらっしゃる。
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「会議中に眠くなったらどうするんですか?」とインターンさんに聞かれたので、「目の前に座ってる人を宇宙人だと想定して、その行動の細部に宇宙人を疑わせるような所作がないかどうかを観察してるとおもしろくなってきて目が覚める」とアドバイスしてあげた。
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金槌を発明してはみたけど使い道が見つからなくて叩くものを必死で探してる状態になりつつあるブロックチェーン(=応用が出てこない)。ブームに乗って手を付けたはいいけど、「やっぱ普通の分散データベースでいいじゃん」という事実にやがて気づく・・・なぜこんなことになっているのか考えてみた。
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実はこの仮定に大きな無理がある。いちばん巨大なビットコインのネットワークでさえ、全世界の電気消費量の0.2%程度だと言われているので、どっかの誰かがもう0.2%の計算資源を持ってきたら仮定は崩れる(し実際に中国の企業がすでに50%以上を握っている)。もっと小さいネットワークならなおさら。
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ブロックチェーンは技術的な話が込み入っていて面白いのでどうにも議論がそっちに飛びがちだけど、ここでは技術以前のもっと根本的な《信用》の問題だけを考える。ブロックチェーンが機能するためには、「N人が計算に参加して、かつその50%以上は裏切らない」ことが必要なのだが、
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つまりこの仮定は崩せてしまうので、現実的にブロックチェーンが機能するためには、「『N人が計算に参加して、かつその50%以上は裏切らないこと』を参加者全員が信用している」ことが必要になる。もっと平たく言えば「計算に参加しているN人を参加者全員が信用している」必要があるのだが、
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参加者全員がそのN人を信用しているのなら、そのN人におとなしく普通の分散データベースを運用してもらえばいいじゃないというオチになるわけで、これがまさに「やっぱブロックチェーン必要なかったじゃん!」と気づく瞬間に《気づいている》ことではないだろうか。
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結局ブロックチェーンが必要になるのは、信用の置ける存在がまったく仮定できず、かつNが非常に大きくなるような「真にP2P的な」状況に限定されるのだが(ビットコインはある程度この条件を満たした)、そんな状況はめったにあるものではない(=応用先はそうそうない)、ということだと思うのです。
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反対意見を述べるときははっきり I disagree と言ったほうがいいのだが、そうはいっても相手へのリスペクトをイイ感じに保ちつつ disagree するにはどう言えばいいのとネイティブの同僚に聞いたら、I respectfully disagree と言えばいい、と教えてもらった。
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「このコードがなぜこれで正しく動くのかわかりますか」と聞かれたので、「確かにおかしいですね。git blameしてコードを書いた人に聞いてみてもらえますか」とお返事したら、「4年前のあなたです」って言われた。
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まず経緯を説明すると、(1)去年まではANAがダイヤ会員にラウンジ利用券6枚をプレゼントしていたものの転売が常態化、(2)転売で購入した人たちはラウンジサービスを最大限に楽しもうとする結果、「上級国民」から客層が下がったとの苦情が増えて、(3)ANAは利用券に「転売禁止」を印字する策に出る。
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ミクロ経済学から説明しようとすると、転売によって「最も高い効用を見出す人に財が配分される」ので転売行動は合理的という結論になるのだが、この議論には「最も高い効用を見出す人に財が配分される=Good」という価値観を主催者が共有している前提が必要で、たいていその前提は成り立っていない。
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チケット転売が問題になるとき、「そもそもどうして主催者はチケット価格を上げないのか?」が取り沙汰されるけど、今年ANAがスイートラウンジ利用券の転売に対して取った行動がこの疑問に非常にわかりやすい回答を与えているので紹介しておく。
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ふたつめは、「転売禁止」の印字だけで転売行為がほぼ撲滅されたこと。ふるさと納税の感謝券はいくら自治体が「転売禁止」と書いてもあれだけオークションサイトで流通してたのに、ANAが書くと(ペナルティを恐れて)みんなお利口さんにやめるではありませんかw インセンティブの作り方は大事です^^
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余談:ANAのラウンジ利用券には面白いところが2つある。ひとつめは「転売禁止」の意味。ダイヤ会員自身は利用券なしでラウンジに入れるのでそもそもこの利用券は譲渡するためにある。つまりANAは「譲渡OKだが転売禁止」という新しい財を生み出した(普通は譲渡禁止の意味で転売禁止と書いてある)。
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ANAの場合、最大限に効用を満たそうとする人たちでラウンジが混雑しすぎて客層が下がって困ったわけで、ANAの望む最適な財配分はそれではなかった(=ANAは長期的に顧客になってくれる「上級国民」に配布したい)。多くのチケット転売議論の背景にあるねじれがわかりやすく見えた例だと思う。
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ミーティングに最後に現れた人が議事録を取るルールにしたら、みんな競うように時間どおりに現れるようになった。インセンティブの作り方だいじ。
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うまくいったプロジェクトを huge success と書いたら、huge を外したほうがいいと言われて、どうして?と聞いたら、どこぞの大統領のおかげで huge という単語がうさんくささを含意しつつあるからと教えてもらった。英語むずい・・・。
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特売キャベツが開店直後に売り切れても値段は上がらない。売り手が需要に反応せずに「安すぎる」価格で売る状況はいろんなところで観測できて、それが在庫切れから転売へとつながっていくチケット転売問題の構図は実はかなり普遍的なものだと気づく(転売が起きるまで問題が顕在化しないだけの話)。
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さてここで問題になるのは、利益最大化を目指すはずの売り手がなぜ価格を上げて「最も高いお金を支払う人」に売ろうとしないのか。売り手が不合理なことをやってるのか、ミクロ経済学が問題を捉えきれてないのかと言えば確実に後者で、