376
いつでも逢えることが
大切なことだと
忘れていたかもしれない
少し無理をしても
逢っておけばよかった
そう思える人が
何人もいるのに
377
コンサートが終わり
駅へ向かうファンの人たちの波
その間を縫って駐車場へ向かう
僕が安全地帯に出逢った頃
まだ生まれてもいないはずの若者もいる
そしてずっと聴いてきてくれた人
誰も気づかなかったかもしれないけれど
お礼を言いました
皆さんありがとう
378
事実を複雑に
見ようとする目と
真実を単純に
伝えようとする声と
現実を混沌に
陥れようとする手が
この世界には
溢れている
感情を
無関心でしか
守れなくなるとしたら
それは怖い
379
4月8日はパク・ヨンハの日だそうだ
まだ冬のソナタでしか彼を知らなかった頃
「初めて出逢った日のように」の歌詞を依頼された
まだ韓流ブームという言葉も生まれる前
その後に関わる事になる
たくさんの韓国アーティストの
はじまりだった
380
381
非常時
言葉に救われる事もあるが
言葉にすがる怖さもある
不要不急の意味や程度が
わからないと
不満を言う声も聞こえる
言葉はあくまで記号だ
その言葉が持つ意味も
状況で変化する
免疫力には
考える力や読み解く力も
含まれている
そんな気がした
382
ウルトラマンコスモス
20周年か…
怪獣を殺さないウルトラマン
そのテーマが印象的だった
「誰かを救えるはずの力で
誰もがまた争う」
そのフレーズが
ふっと浮かんだ
僕が書いたウルトラの歌は
問いかけが多い
答えはいつも
未来にある
383
数万人で埋まる
アリーナにも
数十人だけの
ライブハウスにも
そして路上にも
一対一で
歌は在る
386
約一年前
自分の身を
守る事が
他人を守る事
でもあると
あんなに
誰もが
頑張ったのに
いま
諦めたら
あの日々が
無駄になる
どんな一人も
78億3700万という
分母の上に生きている
387
いつどこで出逢ったか
10年20年30年
離れていく仲間
一緒に歩き続ける仲間
決めたはずの道なのに
思いもよらない風も吹く
進みたくても泥濘む雨も降る
それでもまだ灯る明かりが
あると言うなら
誰も傍観者ではいられない
388
作られたのが
過去であっても
はじめて聴いたなら
それは新曲だ
更にいまの彼の歌は
過去のどれとも違う
常にはじめての歌を
聴かせてくれる
二人で書いた曲は
安全地帯 玉置浩二
他のアーティスト提供曲を
合わせると約200
未来1曲でも誰かが
憶えてていてくれたなら
力を尽くした意味がある
389
安全地帯の
「悲しみにさよなら」は
第一稿の歌詞だが
プロデューサーの意向で
実は、一度書き直した。
曲調がメジャーで
爽やかだったので
第二稿は湘南の海沿いを
ドライブしている…
そんな設定だったと思う
結局、浩二が歌ってみたら
いまの形の方がしっくりきたので
第一稿に落ち着いた
390
どれだけ
たくさん
歌を作っても
書き尽くせないものが
あるのかもしれない
でも
ひとつでも
どこかで
誰かに
届く事があれば
そこから
また
時は
与えられる
気がする
「あなたがどこかで」
安全地帯
7月20日配信
saltmoderate.com/news/detail/20…
391
ウルフムーンを
見ていたら
氷室京介に書いた
「Never Cry Wolf」を
思い出した
月はいつも
インスピレーションを
与えてくれる
「手に入れても
見えないものばかりさ…」
一月の狼は繁殖期前の
飢えの時期だと言う
氷室京介の遠吠えを
聴いた気がしたのかな
そろそろ彼の声が
聴きたい
392
1980年のPOPCONつま恋本選会。オメガトライブの前身きゅうていぱんちょすで出場した杉山清貴君の曲に歌詞を書かせてもらった。その時のゲストがデビューしたばかりのCHAGE and ASKA。4年前の同じステージには安全地帯で玉置浩二の名前もある。
その頃は
誰も知らない
未来があった
生きてみるものだ
393
Eテレの番組で
King & Princeが
勇気100%を歌っていた
2019年最初に聴く
自分の作品
暦の節目は
それほど意識しないが
去年末からの様子は
少しいつもと違った
歌が消費だけされないために
どうすべきか
またペンの先に問う
394
傷ついた理由と
傷つけた理由と
心に残るのは
どちらだろう?
怒りよりもたぶん
許しは難しい
愛情が深いほど…
という場合もある
言葉だけで
どうなるものでは
ないとしても
「ごめんなさい」は
はじまりに
できると
信じたい
395
「月」は歌の中で少し
発音しにくい言葉だが
好きでよく使う
なので「月」を美しく
歌ってくれる歌手には
本当に感謝する
音としてだけでなく
「月」の容姿や
「月」が孕んでいるものまで
解釈して表現して
もらえた時には
とても嬉しい
その歌手との
距離感を計る意味で
「月」は大事な言葉
396
誰も歩いてないところを
歩くのは勇気がいる
その先がどうなっているか
それは正しいのか
例えば誰かと同じ道を選んでも
歩幅が違えば
それは違う道になる
なら誰とも違う方角に
一歩踏み出してみるのもいい
それがなんになるか
わからないから
行く意味というのもある
397
Chageソロ20周年Bestが
5月に発売される
彼と出逢って37年
作詞家デビューシングル「放浪人」も
最初のヒット曲「ふたりの愛ランド」も
そして二人50代最後のシングル
「たった一度の人生ならば」も
一緒に作った
いろんな事があったな
それぞれにそれぞれの旅もして
ふと隣りを見たら
Chageがいた
398
以前パク・ヨンハ君の
イベントに伺った際
彼の歌を誰かが歌う事に
どんな思いを持つかを
訊いてみた
皆さんそれで
少しでもヨンハを
思いだしてくれるなら
嬉しいと仰ってくれた
玉置浩二と贈った
2005年「Truth」
森川美穂さんの
新しいアルバムで
彼女が命を吹き込む
歌は命のバトンだな
399
ソン・シギョンさんとお逢いした
昨年はじめて歌詞を書かせて頂いた
川江美奈子さんの美しい曲に
透明感のある美しい声
届いた音源に感激した
「悲しみにさよならが好きなんですよ」
彼はそう言ってくれた
今回は彼の作曲
クレジットで名前が並ぶ
そこには流れる時の
ひとつの結晶がある
400
どんな仕事でも
会社が
食べさせてくれると
思っていると
不満も不安も
尽きないもの
例えば
僕らの仕事で言えば
CDを買ってくれたり
ライブに来てくれたり
アーティストを応援してくれる
そういった人たちに
支えられている
いますれ違った
名前も知らない人が
自分を生かしてくれている