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「好意を持っている人の名前は自然と呼んでしまうもの」との説があるそうですね。ひっそりと恋をしている相手をまだ親しくはないのに呼びかけたいなと思って、偶然を装って呼んだならば「なに?」と返されただけで嬉しくて。もっと呼んで、舌にその響きが染み付くほどになりたいと、夢想したならば良い
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「可愛いね」の一言に、自信のなかった人が少しずつ満たされていく姿が愛らしいです。褒められた経験などなくて、「可愛い」と最初は言われると「そんなことないよ」と突っぱねていたのに、繰り返されるうちに胸にじんわり染み込んで、今は言われたらふんわりと微笑んで「ありがとう」と返したなら良い
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「可愛いね」と言われることを最初は嫌がっていた人が、次第に褒め言葉に依存していく姿がいじらしいです。「可愛い」と言われたら「誰が可愛いって?」と怒っていたのに、繰り返しているうちに相手が言わなくなってしまったら、物足りなくなって。「もう可愛くなくなった?」とねだってしまったら良い
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いつもは無口で感情の起伏の読み取れない人が、肌を重ねる時に自らの感情をむき出しにする姿が艶めいていますね。力強く抱きすくめて、呼吸すら奪うようなキスをして、「好きだ」と熱のこもった声でこぼして。普段は冷静に振る舞っているだけで本当は、煮えたぎる熱を隠していると思い知らせたら良い
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いつもは陽気に話してふざけてばかりの人が、甘い空気になった瞬間に大人しくなってしまうのが魅力的ですね。頰を触られただけでビクリと震えて、指でなぞられたなら視線をそらして、少しずつ赤くなりながらも声は出せずにいて。「こんな時だけ静かになるの反則だよな」と、相手に思われていたら良い
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普段は大人しく感情を表に出さない人が、肌を重ねている時に背中に爪痕を残す姿が甘美ですね。与えられる快楽に頭が真っ白になってどうすればいいのか分からずに目の前の身体に手を回して縋ったならば、無意識のうちにギリッと爪を立ててしまって。事後に、刻みつけた跡を見て恥ずかしくなったなら良い
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普段はお喋りで積極的な人が、肌を重ねている時は声を必死に我慢しようとする姿が艶めかしいですね。気持ち良さから勝手に溢れてしまいそうになる声を、手で口を押さえてどうにか抑え込んで。「いつもみたいに、声聞かせてくれないの」と微笑みかけられて、潤んだ目のまま首を振ってさらに煽ったら良い
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優しい相手だからこそ「ひどくされたい」と屈折した感情を持ってしまう人が甘美です。こちらが悪い時でも怒った顔なんて見せなくて「大丈夫だよ」と笑っているばかりだから本心を隠されているような気がして。「ひどくしてくれてもいいのにな」と激情をぶつけられる夢想をして、溜息を吐いたならば良い
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甘い関係ではない相手に対して、「優しくしたい」と思ってしまう人がいじらしいです。明日なんて知れない関係だから、優しくしたら可哀想だと頭では分かっているのに。触れたならば最後、繊細になってしまって。「君はひどいね」と苦しげな顔をする相手を、やはり柔らかく抱き寄せて撫でてしまえば良い
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肌を重ねる瞬間に余裕がない2人が、服を剥ぎ取るようにして落としていく姿が色っぽく見えますね。今すぐにでも肌を知りたくて、布に遮られている気がして邪魔で仕方がなくなって。乱雑に手をかけて、引っ張るようにして脱がせて、ベッドまでの道を急いて。道すがらに点々と、服が落ちていたならば良い
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服を脱がせるのも素敵ですが、服を「脱がさせる」瞬間に、倒錯した美しさを見ます。慣れない相手に、「脱がせてよ」と口にして、震える指で首元に手をかけてくるのを微笑みながら見守って。指先にそっと触れて「今からこんなに震えていてどうするの?」と尋ねて、ますます熱を上がらせてしまったら良い
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「ホルモンの影響で、喧嘩をした後に肌を重ねると、普段よりも多くの満足度を得る」との説があるそうですね。仲直りの後に引き寄せられて、柔らかな体温を感じれば、先ほどまでは憎かったはずの身体を欲してしまって手を回して。涙の跡に口付けられたなら肌が燃えて、いつもより素直に求めたならば良い
2488
普段は大人しく、感情もあまり表に出さない人が、ベッドの中では相手を強く追い求めてしまう姿が耽美ですね。優しく触られるのも甘い言葉をかけられるのも、それだけでは物足りなくて、「もっと」と素直に声に出して身体に乗り上げて。「いつもと違うんだね」と、普段との違いに相手を眩ませたら良い
2489
相手のことを尊敬するあまりに、触れられない人がいじらしいです。恋を認めることすら難しくて、「触れたい」と感じてしまう自分は汚れている気がして、美しい人は美しいままでいてほしいと思って自分の欲望を押さえつけてしまって。「どうして?」と尋ねられて誘われてようやく、触れられたならば良い
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片想いの時期が長かったために、両想いになっても片想いの気分が抜けきらない人が可愛らしいです。目が合ってしまえばすぐに逸らしてしまって、身体が密着すれば汗が浮かんでくるのが止められなくて。「もう恋人なんだから」と口にされて、「もう恋人なんだ」とありあまる事実を噛み締めていたなら良い
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「相手の声に勝てない」という弱みを抱えた人が愛おしいです。声が好きだから、耳元で囁かれたらば身体から力が抜ける気がして、「好き」や「愛してる」を言われたら熱が上がって堪らなくなって。「君も好き?」と問いかけられたら、無視したいと思うのに結局、大人しく頷くことしか出来なければ良い
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「相手の顔が好きすぎる」という弱みを抱えた人がいじらしいです。どれだけ一緒にいても慣れなくて、「美人は3日で飽きるなんて言った人は馬鹿だな」とつくづく飽きる気配のない美貌を見上げて。「お願い」と言われたらば突っぱねたいと思った時でも、見つめているうちに頷いてしまっていたならば良い
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発売から数年経ち、新しくフォローしてくださった方もいらっしゃるので、私の書籍「世界は2人を愛してる」の電子版を改めて紹介いたします。こんな関係が好き、こんな一言が好き、がとりどりに詰まっているので、皆さまの妄想に深く役立つ一冊となっています
kadokawa.co.jp/product/321608…
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「煙草の煙を顔に吹きかけるのは、ベッドへのお誘い」になる世界があるそうですね。相手の顔を見ているうちに見惚れて、この顔がどんな乱れ方をするのだろうと想像すれば落ち着きがなくなって煙草に手を伸ばして。顔を背けずに優しく吹きかけて、この意味が伝わることを心中で願ってしまったならば良い
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愛する人の香りは、次第に心地良くなっていくものですから、相手の煙草の香りまで愛しくなってしまう姿が甘美です。煙草とは無縁な人生を送ってきて、煙たいのは苦手で、「すわないでほしいのにな」と恋人の喫煙癖を嫌に感じていた人が、その香りを吸い込むと幸せだと感じるほどに躾けられたなら良い
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ひとに頼ることが苦手な人間の精一杯が「ここにいて」な姿に心動かされます。疲れて1人では過ごせないと思っても、「助けて」や「逃げ出したい」は口に出来ない不器用さがあるから、袖を掴んで「ここにいて」だけを絞りだして。「うん、いるよ」と返されて初めて、どれだけ弱っていたかを知れば良い
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人前では決して涙を流せない人が、相手の前では涙を流すことが出来る姿に惹かれます。気を張ってしまう性格だから、人前では辛くても耐えて平静を装っているけれども、相手と2人になって抱きしめられたなら心が解けていくのが分かって、ボロボロと子供のように泣いて、「大丈夫」を必要としたなら良い
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触れ合う経験がなかった人が、相手で知ってしまってからのめり込んでいく姿が耽美ですね。それまでは「好き」で終わっていたのに、知ってからは「触られたい」が生まれるようになって、不器用にねだって。身体をすべる指に頭をボンヤリ熱くして、「君って欲しがりだったんだね」とからかわれたら良い
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肌を重ねている瞬間に、快楽を「怖い」と思ってしまう人が甘美ですね。経験がないあまりに、「気持ちいい」を知らなくて、全身に広がった甘い痺れに混乱して、自分が自分でなくなっていくような感覚に「怖い」と感じてしまって。逃れたいのに逃れる術も分からないから、必死に首を振ってしまったら良い
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自分の感情を、回りくどい言葉や慣れた笑顔で誤魔化す人が、相手の前でだけは素直に甘える姿が愛おしいですね。人前ではそつなく振る舞っていたのに、2人きりになるとドッと疲れた気がして、すりよって抱きついて手を回して。「なんか疲れちゃった」とそのまま口にして、よしよしされにいったなら良い