151
第2位、鶴丸国永
「本丸にはすぐに馴染んでくれたけれど、きっとあいつは俺を主と認めていないし、俺が気付いてる事も分かってるんだろうな。」「私を主と呼んではくれる。だけど、彼はうちに来て今日までの十年、一度も肉や魚を食べようとしない。まだ、喪中で居たいんだと思う。」
152
第1位、御手杵
「あんたじゃ駄目だ。そう言われて八年、彼は相変わらず、あなたの槍のままです。」「穏やかに、でもハッキリと拒絶された。彼の忠誠は、きっともうこの世にはない。」「御手杵に御守りを持たせられない。先代からの破れた御守りを、今もずっと大切に持っているから。」
153
美しく咲く藤を見上げる長谷部を見て、どっかいっちゃいそう、と思ってぎゅ、と長谷部の手を握るのが博多。目を離さないのが薬研と小夜。どっか行くなら着いてくつもりの不動と厚。それを黙って見てるのが宗三。キレられるとわかっていてわざと邪魔するのが日本号。
154
刀剣男士、変な拘りありそう選手権
第5位、山鳥毛
「気付くとテレビの音量を偶数にしてる。」「多分彼自身に自覚はないと思うんだけど、毎回必ず食卓の醤油とかソースの注ぎ口の向きを彼が揃えてる。使わない時も絶対揃えようとする。」
155
初期刀の名が欲しかった加州清光と、初期刀の名に押し潰されそうな山姥切国広が手合わせで喧嘩する話。
156
本丸で、変な遊びが流行っている。
これがまた奇妙なもので、てっきり短刀ばかりがやるものだと思っていたのに、刀種関係なくやっているらしい。
彼らの遊びには、歌がある。
つきがでた
ひがのぼる
はながさく
はがおちる
やれとと様のいうことにゃ
ああかか様のうでのなか
これこれどこへゆかんとす
157
自分と共同生活する上で、本当に贔屓無しガチ選考で相性の良い刀剣男士は誰なんだろうか。
159
思春期の男子審神者くん、演練会場で好きな子が出来たけれど、どう話しかけて良いか分からない。
加州や乱、燭台切がいかにカッコよく決められるか教えるが、教えられるセリフや行動が高難度過ぎて到底思春期真っ只中、照れが先行する男子審神者くんには出来そうにない。
そんな話。
160
母へ。
それは桑名江です。
米津玄師ではありません。
はとより。
161
母、Sを見ながら
母:なんかあれね、文化祭で実は密かに仲の良かった優等生(篭手切)と運動部(御手杵)と不良(明石)がサプライズでめちゃくちゃカッコイイユニットを組んだ感じね。
私:急に謎の妄想力見せ付けてくるのやめてくれる?
母:同じ中学とかだと良いね。
私:(現パロ……)
162
そしてそこから約束の空へ移行した時
母:それぞれのお友達も登場って感じね。
私:お友達……。
母:この子(松井)がこの子(篭手切)のお友達。多分同じクラス。
私:(現パロ……)
母:この子(鶴丸)はこの子(明石)のサボり仲間。なんかいつも意味もなく飴とか舐めてる感じの子。
私:(メモさせて……)
163
母:この子(蜻蛉)は柔道部。この子(御手杵)とは昔そろばん塾で一緒だった。公文でもいい。
私:なんでそこだけ過去?今同じ部活とかじゃないの?
母:だってこの子(御手杵)はどこからどう見てもバスケ部か吹奏楽部のドラのどちらかよ。お母さんは分かる。
私:まあそもそも槍なんだけどね。
164
母:青春よねぇ……多分陸上部でもいける。
私:そうかな。
母:いける。お母さんは分かる。この子(御手杵)はやれば出来る子よ。お母さん応援しちゃう。
私:そうか。
母:でも多分補欠ね。
私:なんで?
母:そう言う顔してる。
私:分かりたくないけど分かる。
っていうやり取りした。
165
母は、村正って呼び捨てにすると怒ります。村正ちゃんって呼びなさいと。
そんな母はうちわ作りに少し興味があるようで、作るとしたらどんな文字入れたい?と尋ねると少し悩んで
「良い子、かなぁ。」
完全に親目線でした。あんたの子は私や。
166
今母と買い物しながら歩いてたら、すれ違ったDK共に「若い方は……60点」ってあからさまに聞こえるように言われたんだけど、その途端母が「私に60点とか目ェ腐ってんのか?」って言い出して、あの、若い方、あの……え?
167
母、家にあった団扇にマジックで
村正ちゃん
良い子
って書いて振ってる。
そうなんだけどそうじゃないのよ……。
169
母:この子(豊前)はあれだね……吹奏楽部で、だいたい4月〜5月にかけて新入部員の片想いを根こそぎさらってく。あと謎に運動神経良さそう。体育祭では選抜リレーに選ばれるタイプの文化部。
私:詳しいね。
母:でも塾とかで彼女作ってそう。
私:そのネタ貰っていい?
母:村正ちゃんもあるよ。
170
私:え?詳しく。
母:黙って。村正ちゃんが出た。黙って。動かないで。座って。
私:すみません。
母:シッ!!!!
171
母に、もしミュの人達が高校生だったらどんな感じになる?って聞いてみた。
三日月宗近
こんな奴はおらん。でももし居ると仮定したら、多分音楽で謎にリコーダーが上手そう。無駄にビブラートかけて吹きそう。変な特技ありそう。
小狐丸
こいつもおらん。おってほしくない。でも居るとしたら保健室。
172
祖母が死ぬ少し前、祖母の叔母の話を聞かされた。審神者をしていたというその人の遺した家を、たった一人の孫である私に、という事だった。面倒な手続きは父がしてくれたし、その家は少し古いけど内装はきちんとリフォームされていて、私は密かにラッキーだったなと喜んでいた。
173
主へ。
次に僕を喚ぶ時は、春がいい。
桜の咲く時期に、僕の名を呼んで欲しい。
どの桜にも負けない、誉桜と共に必ずまた名乗りを上げよう。
夏も捨てがたいのう。
主は暑がりやき、嫌かもしれんが。
どんなに強い太陽にも負けん声で、名乗ってみせるぜよ。
174
秋に呼ばれるのも悪くない。
真作の俺の美しさは季節に左右はされないけれど。
でも、銀杏の葉にも負けぬ黄金こそ、君に相応しいはずだ。
冬に呼ぶなら、俺にしろ。
あんたは寒がりだろう。
ボロ布で良ければ、貸してやれる。
それくらいの役割は、俺にも出来るはずだ。
175
でもね、主。
やっぱ、いつでも良いよ。
雨の日でもくもりでも、なんだっていいよ。
喚んでくれたら、すぐに行くから。
暖かな春の日でも
まっこと暑い夏の日でも
美しい秋の日でも
厳しい冬の日でも
どんな日でも、必ず行くから。
必ず、この名を。
【役目を終える、初期刀からの手紙より】