426
目が見えない審神者、自分の刀剣男士とよその刀剣男士が見た目まったく同じである事を知らず、はぐれた際に「うちの蜂須賀を知りませんか、金の鎧を着て、美しい薄紫の長い髪をした子です」と尋ねて周囲を戸惑わせる。どうしたものか、と周りが困惑する中、審神者はふいに顔を上げた。
427
これならお喋りしてても俺の手が見れるでしょ?俺も健気だと思わない?
なるほど、と彼の主は苦笑した。言われるまで気付けなかったのは悔しいが、その気持ちはやはり嬉しい。ならば健気なお前に、団子を奢ろうか。そう言うと、加州は目に見えて嬉しそうに笑う。
加州の手話は、賑やかだった。
428
もしあなたの危機に刀剣男士が現れて、あなたを仮の主にする事になった時の一言
三日月宗近
「月は好きか?」
小狐丸
「拾ったからには、世話をしてもらいましょうか。」
石切丸
「随分とつかれているねぇ。」
今剣
「いっしょにあそびましょう!」
岩融
「我が名を呼べ、人の子よ!」
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これは、とある審神者が、まだ審神者になる前の話である。
幼い頃、父親の実家へと預けられていた時期がある。弟が生まれる少し前の事だ。当時の審神者には全く意味が分からなかったが、いくらでもお菓子を食べ、ゲームをして良いという破格の条件をぶら下げられ呑気に祖父母の家に泊まっていた。
430
これは、とある本丸に居る審神者ちゃんの話である。
審神者ちゃんは、幼い。幼いから、審神者ちゃんには物の優劣や価値の差などの難しい事は分からない。けれど、審神者ちゃんはなんのかんの言いつつも審神者であるので、自分の刀は大切にせねばと、それだけは誰に教わる事もなく理解していた。
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ストレスには滝夜叉丸。
心の中だけでいい。
表に出さなくていい。
そっと、一人で、滝夜叉丸。
「私の美しさが、全て悪いのだ……!」
これでいい。 twitter.com/97hatopoppo/st…
432
友人、コナン映画の予告動画を見て
「コナンには必ず爆破と蘭姉ちゃんによる何がしかの破壊がある。これだから観るのを辞められない。」
って玄人の目付きで言っててほんと笑う。
433
なんとなく鬼滅読み返して思った。
決戦後に炭治郎が、実弥から返事は来ないけど手紙は送りまくってるってのを見た時に、妄想したんだけど。
実弥から初めて返事が来て、いそいそと中を見たら少し崩れた字で(指が欠けてるからね)
生前、弟と仲良くしてくれた事、心より感謝する。
って。
434
食べるのに時間がかかりそうな刀剣男士
第5位 三日月宗近
そもそも基本動作がゆっくりとしているので、まあ割と長い。しかもお喋りを楽しみたい気持ちもあり、話が楽しいと食べる事を忘れてしまうので大抵一回の食事に一時間はかかる。
435
私の中の初期刀五振りは
加州清光→感性が鋭く、感情優先
蜂須賀虎徹→品格があり、好悪が激しい
陸奥守吉行→賢く、感情放置
山姥切国広→頭が良く、考え過ぎる
歌仙兼定→博学であり、頑固
なイメージ
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え、待って????
じゃあ江のめんばあの中では篭手切と御手杵だけがうぶじゃないの????
一番うぶなのに????
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初の姿という名前を面白がった審神者、日光や肥前などの普段あまり可愛がらせてくれない刀剣男士をここぞとばかりに捕まえて、まだ初だからね、と頭を撫で繰り回すようになる。
それを見ていた五虎退の虎が、翌日一期に頼み込んで(奇跡的に伝わって)黒いバスタオルを首に巻いてもらい、
438
源氏の重宝二振りってさ、髭切の方が余程業が深いなって思う。多分髭切は膝丸が本物でなければ弟とは認めないし、弱くても認めない気がする。
「源氏の重宝たるならば、それなりの価値と力があってしかるべきじゃない?」
ってあっさり言ってその手で折りそう。
439
審神者であり、誰かの兄である人の話。
審神者には下に弟が二人居た。審神者が中学を卒業する年に生まれた弟と、高校二年の時に生まれた弟だ。年離れて生まれた弟達は、まだ審神者という職をよく理解して居ない。だからしょっちゅう、寂しいと泣きの電話が来る。
440
可愛い子には旅をさせよ、という言葉を知った小さな審神者ちゃん、なるほど、としっかり意味を理解し、キリリとした目つきで
「ほんとはさみしいんだけどね、たび、いってきてもいいからね。ほんとはさみしいけどね。いくまえにぎゅってしてね。」
と山伏国広に決死の覚悟で伝えるの巻。
441
想像しよう……同じ正宗が来ると知って、日向が目をキラキラさせながら待っている姿を。
もし上手いこと顕現したら、本丸代表として挨拶をする審神者と初期刀の後ろに立って、初期刀の腰辺りからそっと覗き込んで来る姿を……。
可愛い。可愛いよ日向。
443
これは、とある本丸の話である。
「正宗の刀……!!」
新たな刀剣男士の情報が入ると、どの本丸も大抵賑やかになる。特に、今まで同じ刀派のものが居なかった場合は、該当する刀剣男士が落ち着きをなくすのは当然の事であった。
444
遊郭で働いていた娘が審神者になった。はてまさか花魁かと一時は噂が噂を呼んだものだが、実際には花魁ではなく切見世にようやっと立つか否かといった頃の娘であった為に、噂はまさに煙のように消えた。
それから凡そ五年と少しが過ぎた頃。審神者の遣いだという青年が遊郭に現れた。
445
審神者ちゃん、同田貫の名前を上手く発音出来なくて「どだぬき」って呼んでた時期がある。
そんな審神者ちゃんが大人になり、老いて、長く続けた審神者を終える日に、きっと同田貫は「なあ、昔の呼び方してくれよ」って言うんだ。かつて何度も改めさせた懐かしい呼び名を「悪くなかった」って。
446
実際問題、あんなに刀剣男士が居て、全員と上手いこと思い出が作れたり仲良くなるのは難しい。事実審神者ちゃんと同田貫は数える程しか会話をしていない。これは恐らく珍しいことではなく、よくある事になるんだと思う。
それでも、男士達は数える程しかない思い出を大事にしてるんだろうね。
447
オタク、万が一の際の願い
お……お願いだから
か……片っ端から
し……処分して。(中身を改めるな)
448
とある本丸が襲撃に遭った。
世代交代をしたばかりの本丸だった。
新しく審神者に就いたのは、まだ十代の若い人間。孤児で、施設でもあまり良い待遇は受けていなかったらしい。審神者の素質が分かってからも、ろくに学ぶ時間をとれずに主を失った本丸へ就いたのだ。
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とある本丸の審神者が産んだ子は、人見知りが激しい。演練会場へ連れて行っても基本的にほぼ顔を上げられないし、刀剣男士の傍を離れられない。その刀剣男士も、加州か五虎退が精一杯。
ある日、親である審神者が受付をする為に離れた瞬間、突如会場に警報が響く。
450
演練で、いつも負けた相手を「弱い」「育て方が悪い」「審神者失格」と必要以上に手厳しく叱責する事で有名なある審神者。当然ながら凄まじく嫌われている。
しかしある日、演練会場が襲撃にあった。その時その嫌われ者の審神者は「お前達は弱いんだから、早く逃げろ!」と迷わず前線に立った。