401
これは、とある本丸の話である。
穏やかな審神者が取り仕切るその本丸は、刀派やかつての縁以上に刀種の絆が強かった。例えば槍はなんだかんだよく集まって呑んでいるし、短刀達は毎日仲良くはしゃいでいる。無論時には縁ある刀剣同士や刀派や兄弟で仲良く過ごす事もあったが。
402
笹貫と八丁は絶対海に野放しにしてはいけない。こいつらは多分何も分からんとギャルと仲良くなってハイビスカスとかつけて帰ってくる。
403
口説き王選手権
第三位 豊前江
「なあ、俺と一緒に風になんねえか?」
正直口説き文句の意味は分からないけど顔面の良さが全てを超えてくる。ただし不用意に頷くと運動部もかくやのスピードでガチ走りが始まるので三位。だがしかし顔が良い。
404
審神者の葬式をする時、大抵一振りの刀剣男士が伴としてそこに寄り添う。
これがまた不思議なもので、彼らは大きく分けて三種類の寄り添い方をする。
一つ目は、部屋の隅に立つもの。
これは主に、打刀〜長物に多く見られる。
二つ目は、棺の傍に立つもの。
これは主に、短刀や剣が多い。
405
鍛刀は、必ずしも狙った刀剣男士が来るわけではない。資源の数である程度の刀種は絞れるが、それだけだ。
そうして、大抵の場合狙った刀でないものが来ると、審神者はがっかりする。
「あー、そっちかぁ。」
その日も、ある本丸でそんな事が起きた。
406
ギャル仮審神者、はせぴの為に仕事(バイト?)休んで欲しい。
「ダチが困っとうけん、ちょっと東京行ってきます。マジで。後で叱られるんで。マジで。バスなんで。あ、SUGOCAって東京でも使えるんかな。」
って連絡と独り言ごっちゃにしながらカッコよく高速バス乗り場にチャリ爆こぎして欲しい。
407
多分ラストでは、歴史を正して桜舞う中、別れを惜しんでツケマを気にしつつ泣くギャルに
「俺の名ははせぴじゃない!……が、まあ、今回ばかりはもういい。世話になった。」
って言って欲しいし、ギャルはギャルで
「え、待ってうちこっから一人で博多帰る感じ?」
って唐突に我に返って欲しい。
408
これは、とある審神者の話である。
審神者は、女だ。昔から背が高く、学校では背の順で並ぶと必ず一番後ろだった。それが嫌で嫌で仕方なかった。身体測定ではクラスの女子がみんな身長を聞きに来るのも、嫌だった。身長が高いのに、運動が苦手だったから余計に。
409
幼少期より刀剣男士に育てられた審神者あるある
①子守唄は大体歌仙派、石切丸派、青江派、堀川派の四大派閥
②髪が長い人は女性、のような固定概念が一切無い
③かくれんぼで短刀を見付けられずに泣く経験が必ず一度はある
④おやつ担当が歌仙か小豆かで和菓子派か洋菓子派かが決まる
410
これは、ある審神者の手紙である。
引退する未来の私へ。
未来の私は、どうしていますか。定年制を選んだのか、終身性を選んだのか、今の私には想像もつかないな。私はこれから、加州と頑張っていこうと思ってる。最後まで選べなかったから、目を閉じて触れた刀を選んだの。懐かしいかな?
411
可愛くてごめん
可愛い曲だ。
なんか、物凄く可愛い加州が浮かぶ。
412
例えば、百年に一度の恋を審神者が刀剣男士相手にしたとて。そんなもの、刀剣男士にしてみればなんの価値もないのかもしれない。だって彼らは、千年単位で在る存在だ。人の生きる数十年なぞ、どの程のものだろうか。
「恋をしてるね……若いねぇ。」
だから、老いた審神者は皆、そう言うのだ。
413
君が君でなければ、愛したよ。(則宗)
刀相手に夢見るのはやめときな。(姫鶴)
愛など、刀にはない。(日光)
そういうのは人とやれ、にゃ。(南泉)
小鳥は、刀ではないだろう。(山鳥毛)
襲撃中、咄嗟に愛を叫んだ審神者への返事。
415
字書き、これ気にするといずれ筆折る案件
・誤字脱字
どんなに気をつけててもある。ないわけがない。気付けば生まれてるんだから気にしたらダメ。指摘されても無視していい。
・字数
なんの基準にもならない。長くても短くても大事なのは中身。気にしちゃダメ。俳句でも人の心は掴めるのだから。
416
・字書きが作る表紙
字書きに一番求めちゃダメ。タイトル書いてあったらそれはもう立派な表紙。魚に陸を歩かせるな。
・完走出来ない
構わん。途中まででも立派だ。十分立派なもんだ。三行もない、ではなく三行も生んでるんだ。十分立派。書けん時は素直に「こっから先はない」で綴じて良い。
417
・ネタ被り
この世に同じジャンルで自分以外の作家が居る限りネタは常に誰かと被るから気にするな。家庭の味はそれぞれ。
・需要/マイナー
生みの親になれば解決する。書いて増やせば解決する。何も問題はない。
418
これは、とある小さな審神者ちゃんの話である。
「あのね、たんとうかんさん、ひみつのおはなしがしたいです。」
二月のはじめ、そんな緊急連絡を受けた担当官はその途端全ての業務を隣のデスクに座っていた同僚に丸投げし、荷物を担いで審神者ちゃんの本丸へと駆け出した。
419
幼少期から審神者として務めてきた男の子。刀剣男士達は皆、彼が成人式に出る時や冠婚葬祭に出る時にネクタイを締めてあげられるようにと密かに練習を重ねる。
習得が早かったのは自身も身に付けている長船や粟田口、手先の器用な幕末刀剣などで、我こそはとあらゆるタイミングで締めていく。
420
榎本武揚さんは、刀剣男士ではありません。なんなら刀剣を持ってた人でもありません。ですがどソロの超カッコイイソロ曲を持ち、なんなら舞台装置も大道具もバリバリ駆使して北を目指します。アンサンブルもほぼフルで入ります。でも刀は持ってません。コーレスはあります。汁粉くれ、です。
421
脇差とホラーの親和性が高くて怖い。
青江
「やあおかえり。今日もおつかれ様だねぇ……お風呂、湧いてるから入っておいで。ああ、今夜は鏡をあまり見ないようにね。」
堀川
「主さん、遅くなったので少し急いで帰りましょう。……振り返っちゃダメですよ。」
422
人と刀剣男士は、根本的な価値観が大きく違う。無論多くは人に扱われてきた彼らの事だからある程度沿うことは出来るが、それだけだ。彼らは人に寄り添うことは出来ても、完璧に同化する事は不可能である。
そう、だから、時と場合によっては人の価値観での発言に注意しなければならない。
423
この敵と戦えば確実に散ると分かっていても、審神者だけでも確実に逃がす為に審神者に背を向けて敵の足止めを決意する短刀が、それでも精一杯の意地と優しさで顔を見せないまま審神者に一人での退避と最期の言葉を投げかける所が見たい。
424
「私、審神者になりたかったの。」
祖母はそう言って、審神者資格を得た俺を眩しいものを見るような目で見つめた。
「ほんの少しだけど、私にも審神者になる素質はあったみたいでね。それが判明して、もう舞い上がっちゃったわ。姉が審神者だったから、私も……ってね。」
425
これは、とある審神者が死に際に遺した書き置きである。
私が審神者になる事を決めたのは、歴史を守りたいだとか、そんな大層な志からではなかった。
年の離れた従兄弟が審神者をしていて、その従兄弟の殉職を受けて葬儀をした際、一振りの刀剣男士が目に焼き付いたのだ。