126
むすこ「ぱぱ」
ぼく「!」
むすこ「ぱぱ」
ぼく「!…生後9か月目にして、ついにパパと!抱っこしてやるぞむすこよ!掲げるように抱っこしてやるぞむすこよー!」
むすこ「だばー」
ぼく「ちょ、よだれが目に!目に直で!」
妻「目にいれても痛くない?」
ぼく「残念なことに普通に痛い!」
127
むすこ生後すぐの頃
ぼく「むすこよ、君のママは、ぼくの妻なので、独り占めは許さないからな」
むすこ「だぁ」
妻「生後すぐの赤ん坊に何を吹き込んでるのあなたは」
今
妻「むすこばっかり相手しててずるい!たまには私もかまって!」
むすこ「だぁ」
ぼく「なんかイメージしてたのと違う」
128
録画したお笑い番組を観ながら。
妻「このコントは面白かったよ!ここ最近で一番笑っちゃった!」
ぼく「ほほう」
妻「どう?」
ぼく「うん、面白い。ここ最近で一番笑った」
妻「ジェラシー」
ぼく「え」
妻「あなたを一番笑わせるのはこの私でありたい!ゆえに、ジェラシー」
ぼく「理不尽」
129
お風呂場にて。
妻「最近…大きくなった?」
ぼく「それは人として?だとしたら、父親になったことが大きな理由かな」
妻「そうじゃなくて…こう、横に」
ぼく「貫禄が出たってこと?だとしたら」
妻「…太った?太ったよね!?」
ぼく「…君の料理が上手すぎるのが悪い!」
妻「私のせい!?」
130
休日の朝、妻が「…私、悪い子」とぼくを起こしに来て。
ぼく「?」
妻「休日くらいゆっくり寝かせてあげたいのにー」
ぼく「うん」
妻「カフェっぽい朝ご飯を準備したら予想以上に上手く出来ちゃってー」
ぼく「ああ」
妻「早く見て欲しくって起こしちゃったー。私、悪い子」
ぼく(かわいい)
131
妻「そう言えば、むすこと2人でお留守番してるとき、何してるの?」
ぼく「…男の会話、かな」
妻「生後半年の息子と?」
ぼく「生後半年の息子と」
妻「エロ本の隠し場所とか?」
ぼく「いや。女子の言うことには反論してはいけない。とか、1日1回は可愛いと伝える。とか」
妻「英才教育!」
132
妻の手からハンドクリームの良い香りが。
ぼく「何の香り?」
妻「当ててみ」
ぼく「グレープ?」
妻「ぶー。正解は木イチゴ!」
ぼく「木イチゴ!?珍しい」
妻「あ」
ぼく「?」
妻「パッケージには『イチゴミルク』って書いてあるけど、多分メーカーの勘違いかな」
ぼく(君の勘違いでは)
133
風呂上がりの妻が、タンスの前で独り言。
妻「あれ、パンツがない」
妻「パンツがーないー」
妻「アントワネット風に言えば」
妻「パンツがなければ」
妻「…なければ…何だろ」
妻「…パンツがなくてもいいじゃない?(決めポーズ」
ぼく「ダメだよ洗濯機の中だよ」
妻「見てたのっ!?」
134
息子を連れ、結婚記念日のお祝いを。すごく喜んでくれている妻の姿をみて、(この笑顔を息子にも見せたいから、ずっと家族でのお祝いを続けよう)と心に決める。
願わくば、将来大きくなった息子が、彼女とのデートのときなんかに、パパがママにしていたことを思い出して参考にしてくれたりしたら。
135
スーパーにて買い物中。
妻「デザート用に何か好きな果物選んで」
ぼく「じゃあイチゴ」
妻「あれ?そんなにイチゴ好物だったっけ?」
ぼく「好物だよ」
妻「…じゃあイチゴのどんなところが好き?」
ぼく「買うときみがご機嫌になるところとか大好き」
妻「好物ってそういうのじゃないから!」
136
137
赤ちゃんの肌は乾燥しやすいので、妻は毎日お風呂上がりにオイルを塗ってあげています。
妻「まずお顔ー。次はおててー」
むすこ、嬉しそう。
妻「次は足ー」
むすこ、はしゃぐ。
妻「そして(ぼくも手がガサガサだよ!)ってアピールしてるパパの手ー」
と、たまにぼくにも塗ってくれて、幸せ。
138
節分、妻が鬼役をやりたいと。
ぼく「あれ、豆は?」
妻 「今年は趣向をこらしてカカオだガオー」
ぼく 「カカオどこ?」
妻「カカオは入手が大変なのでチョコにしたガオー」
ぼく「投げるの?」
妻「片付けが大変なので優しく口に運べガオー」
ぼく「鬼わがまま!」
139
お出かけ前に、メイク中の妻に「今日もきれいだね」と言ってみる。
妻「まだメイクの途中だから全然だよ」
ぼく「なんと。もっと美しくなるだと」
妻「甘やかさないで。あなたの甘い言葉は人をダメにする」
ぼく「はい」
妻「…でも今日はもっと言って欲しい。適量ならOKでしょ」
ぼく「適量」
140
ぼく「ママが少しお出かけ中ですね」
息子「だぁ」
ぼく「せっかくの機会です。少し大事な話を」
息子「だぁ」
ぼく「君のママは、ぼくにとっての妻です。君一人のものではないので、独り占めしないこと」
息子「だぁ?」
妻「…忘れ物を取りに戻ってみたら…0才児相手に何を…」
ぼく「!?」
141
雨の日、妻と外出中。
妻「歩くの遅い!どうして私に歩くペースを合わせないの!?」
ぼく「あ、靴紐がほどけてて…」
妻「折りたたみ傘が上手く開かなくて『助けてあなた!魔法が使えないっ!』ってボケをしたのに、あなたが隣にいないから、ただの痛い人だったよ!」
ぼく「理不尽な怒られ方!」
142
イブの昼頃、ぼくの部屋から出てきた妻。
妻「サンタが来る日だね」
ぼく「ん?」
妻「枕元に贈り物がー」
ぼく「ああ」
妻「…」
ぼく「ん?」
妻「なんで気づかないの!?今こっそりあなたのベッドに贈り物おいてきたのに!」
ぼく「今!?早っ!」
妻「黙ってるの苦手なの!」
可愛い。
143
妻と出会ってから少しずつ、ぼくの好みが変わっていて。例えばほっとしたいときに飲みたくなる紅茶も、お祝いのときに食べたいケーキも、妻がむかし、オススメしてくれたものが、ぼくの「好み」になっていってて。そう思うと、生まれたときから、妻のオススメに囲まれて過ごせる息子が、少し羨ましい。
144
晩ごはんの鍋を二人で準備しながら、妻。
妻「鍋つゆ、水で薄めるよね?」
ぼく「いや、ストレートタイプって書いてある」
妻「ストレートってそういう意味なの?」
ぼく「え」
妻「邪道じゃありません的な宣言かと!」
ぼく(かわいい)
妻「ガンコ親父が作りました的な!」
ぼく(かわいい)
145
妻「むすこが少しずつ、私に似てきたのではと」
ぼく「ぼくもそう思ってたとこ」
妻「やっぱり?」
ぼく「顔立ちはもちろん、仕草とか、甘えたがりなところとか、君にそっくり」
妻「じゃあ、あなたに似てるとこは?ここは自分に似てるなってとこ、ある?」
ぼく「君を大好きなところ?」
妻「」
146
休日、リビングのソファの上ですやすやと眠るむすこを見て「ベビーベッドだとあんなに泣くのに」と苦笑する妻。
妻へ。きみはまだ気づいていないだろうけど、むすこが寝ているソファのその場所は、きみがいつも座っているところで、きっと「ママのにおいがする」と安心して眠れているんだと思うよ。
147
むすこのオムツを替えて手を洗い、哺乳びんや食器を洗っていると、いつの間にか手がガサガサになっていることに気づく。家事を少し手伝っただけなのに、このありさま。
さて。世の旦那さま、もうすぐ良い夫婦の日ですね。
この機会に、奥さまにちょっといいハンドクリームとか、贈ってみませんか。
148
生後二ヶ月のむすこを見ながら。
妻「将来、この子は私の誕生日に似顔絵をくれたりして。きっとどんなに下手でも尊い…下手でも…大切…?」
ぼく「?」
妻「…ちょっとイイハナシから『私の誕生日に、下手でもいいからあなたにマニキュア塗ってほしい』ってつなげるんだから待って」
ぼく「!?」
149
生後二ヶ月になったむすこと添い寝していた妻が、急にくすっと笑って、ちいさな腕を思いっきり広げて寝ているむすこを指さして「この子、なんだか私に腕まくらしようとしてるみたい」と。
ごめんね、きみの腕まくらでは、ママはまだ寝られないってさ。パパ的にも、その役目はまだ譲る気はないですし。
150
実は洗濯物を畳むのが苦手な妻に「一緒に洗濯物たたもう」と誘われる。
ぼく「いいよー」
妻「難しいヤツやってくれると嬉しいなー。タオルとか簡単なのは私がやる」
ぼく「え、やだ。ぼくが簡単なのやる」
妻「え!鬼!」
ぼく「その代わり、全部ぼくが畳むよ」
妻「鬼…!…のような優しさ!」