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彼らは、互いのサイバーヘルムや生体LAN端子を揃いの蛍光色LANケーブルによって直結したテクノギャング団の一種、サイバーチェインギャングである!「カネもよこせ!」「即座にカネもよこせ!」「アイエエエエエエ!」彼らは並列直結した人数分だけ自我が増大し、気が大きく、危険な存在だ! 9
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木人に何発か軽くカラテした後、アベはまた勿体ぶるようにコップを持ち、ジュースを飲みながら、肩をいからせて店内を歩いた。客はもういない。アベはルームランナーを見つけ、その前でしゃがみ込む。「ルームランナーか。俺はルームランナーを見ると感傷的な気分になっちまうんだ」「何でだい」 15
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「コンセプトが怖いだろ。終わりが無い。無限に走り続けるってのが、怖いんだよ。ルームランナーを見てると、いつも俺はマグロのことを考えちまうんだ」アベはサングラスを外し、まじまじと機器を見た。「マグロだって?一体どういう事なんだ、アベ=サン。ヤクザのあんたが怖いだなんて」 16
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「マグロってのは、面白い魚なんだ。スシの原料になるだけじゃねえ。神秘的ストーリーがある」アベが言った。店内のBGMはちょうど、旧世紀の軽快なブギーへと切り変わった。「聞かせてもらえるかい」「ならちょっと、メン・タイくれよ」「お易い御用だ!」トラタはレジから錠剤を取ってきた。 17
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「待てよ、ここからが大事なんだぜトラタ=サン。マグロが口を開けっ放しで泳ぐ理由はな…あいつら、口を開けながら泳がないと、窒息して死んじまうんだ」アベは錠剤を手際良く砕き、タバコと混ぜながら語った。「そんな、まさか」トラタが笑う。「アベ=サン、じゃあマグロはいつ寝るんだよ!」 19
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だがアベは笑わない。ジョークではなかった。トラタは自重するように口元を引き締めた。「泳ぎながら寝るらしいぜ」アベは粉と乾燥葉を混ぜた巻き紙をスティック状に丸め、咥えて火を点けた。「あいつら一生、時速100キロだかで泳ぎ続けるんだとよ。泳ぎ出したら止まらねえ。止まれねえのさ」 20
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【マグロ・サンダーボルト】#2
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男は都市迷彩柄のサイバーコートにニットキャップ、サングラス。そして傍目には解らぬが、全身にサイバーギアを埋め込んでいる。右のサイバネアイが硝煙の先に人型を捕捉!「死ね!貴方!庶子!行け!貴方自身を前後しなさい!」BLAMBLAM!「アバーッ!」待ち構えるクローンヤクザを銃殺! 2
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彼の名はラッキー・ジェイク。ネオサイタマ裏社会のチンケな賞金首だ。そして今日の彼はあまりラッキーではなかった。運びの仕事自体が、彼を捕えるためにヤクザクランが張った危険なトラップだったのだ!「クソ、弾切れかよ……!」彼は心の中で神を罵りながら、論理直結銃のマガジンを確認する。 3
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それは本来ノイズとして除去されて当然のバイタル情報であった。だがラッキー・ジェイクはラッキーだった。彼は地上階の階段の下の暗い影で、壁に寄りかかって項垂れる、昏睡状態の浮浪者を見つけたのだ。ぼろぼろのトレンチコートにハンチング帽。所々に血の跡。横には安物スシとオチャの空容器。 6
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◆再鮪◆21:30頃===
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【今回の話は】
・2030年代の「ネオサイタマ」が舞台です
・ジャンルは「サイバーパンク・ニンジャアクション小説」
・常人にある日突然ニンジャソウルが憑依してニンジャになる世界観です
・サイバーパンクなので肉体を半機械化している奴も多い
・ニンジャのほうが強い
・治安は終わっている
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だがハシバはトリイの中に現れた、蛍光青の神秘的なグリッド幻影を見つめていた。果てしない飛翔感。ワープする宇宙船めいて、上下左右に編目模様が見える。左右には二匹のサイバーイルカが飛び、彼に語りかけた。「こんな事してると、ソンケイを失っちゃうよ」「大丈夫さ、時代は変わったんだ」 15
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「ハイ、死にます」側近は答えた。あの威厳に満ちたオヤブンの声が戻って来た。彼はそう感じていた。「……サイバネ野郎を殺せる爆弾なら、ニンジャも死ぬだろ」「ハイ、死ぬでしょう」「……いいか、あの死神を爆死させるぞ!始末できたらアマクダリに報告だ!」そしてマグロは泳ぎ始めたのだ! 42
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🍣メンバーシップ人数が1500人を突破したのでメンバー限定のV配信を行います|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ @NJSLYR #note diehardtales.com/n/n0db0fdb527bf
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【今回の話は】
・2030年代の「ネオサイタマ」が舞台です
・ジャンルは「サイバーパンク・ニンジャアクション小説」
・常人にある日突然ニンジャソウルが憑依してニンジャになる世界観です
・サイバーパンクなので肉体を半機械化している奴も多い
・ニンジャのほうが強い
・治安は終わっている
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「ここは……」両の瞳が黒へと戻り、開かれる。ニンジャスレイヤーはめまいを撥ねのけながら、上半身を起こした。刹那、水平感知システムが作動!BEEP音を発する!胸部に固定された大型赤色液晶LEDに「時速0km」「健康サイン」の文字が表示!ジゴクへと向かう死の遊戯が始まったのだ! 3
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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはカラテで固定具をねじ切らんとす。だがその直前、処刑装置は奥ゆかしい電子マイコ音声で自動アナウンスを行った。『オハヨウゴザイマスドスエ。装置の着脱、破壊、ハッキング行為、および電波の届かないエリアに向かうことはルール違反とみなされ、爆死ドスエ』 4
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「ニンジャスレイヤー=サン!君は走り続けなければならない。マグロのように!ペースダウンした時、君はその装置もろとも爆死するのだ!」ウェイダの通信に熱が籠る。「…解除方法を言え」死神が問う。もっともな疑問だ。勝利条件を、生存の望みを与えねば、敵をゲームに引き込むことはできぬ。 10
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実際その通りであった。長時間に及ぶ休眠から醒めたニンジャスレイヤーは、時速30キロで1回、さらに時速40キロで1回、スシデリバリー・バイクの背後を走り巧みに後部積荷のスシを奪い、これを摂取していたのだ。「し、信じ難いことですが、奴は24時間……走り切るやもしれません……!」 24
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⚡️マグロ・サンダーボルトFACT⚡️
・面白い
・有名なエピソード
・再放送アンケートで1位になったため今回採用された
・これだけ読んでも大丈夫
・実は一度も再放送されたことがない
・ニンジャが出る
・ニンジャスレイヤーも出る
・いま@NJSLYRをフォローしておくと無料で読めるし実況の練習にも良い
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⚡️ニンジャ実況FACT⚡️
・ #ニンジャスレイヤー を使う
・昔は #njslyr だった
・@NJSLYR の連載や再放送にあわせツイートする
・要するに皆で一緒にワンツイずつ小説を読む
・解説してくれる人もいる
・再放送も連載も毎回トレンド入りしており人気
・実況を読みながら読むと楽しい
・とにかく楽しい