201
戦争被爆国日本の元首相がいま発すべき言葉は、核兵器の不使用をロシアに強く強く求める言葉であって、「この際、おれたちも核をもとうじゃないか」では決してないと思う。
202
世界で、ロシアで、日本で、多くの人がロシアの侵略戦争に抗議しているときに、プチ・プーチンみたいな人物を登場させて「軍拡だ」「核兵器だ」と一方的に煽り立てる日本のテレビって何なの。
203
ウクライナのひまわり畑の中で一人の老人がジョバンナ(ソフィア・ローレン)にウクライナ語で語る。「ひまわりの下にも、どの木の下にも、麦畑にも、無数のイタリア兵とロシア人捕虜が埋まっています。老人も女も子どもも……」映画「ひまわり」から。
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毎年、広島、長崎で述べてきた言葉は、いったい何だったのでしょう。 twitter.com/asahicom/statu…
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ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの名画「ひまわり」。あの一面のひまわり畑はウクライナの光景です。あのひまわりは、無数の戦争の死者たちを象徴していると、たしか長部日出雄さんが書いているのを読んだことがあります。そのウクライナで、また戦争が……。
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日本陸軍は1931年、満鉄が経営する南満州鉄道線を爆破し(柳条湖事件)、それを中国側の仕業と偽って満州全土に侵攻、独立運動を支援すると称して傀儡国家「満州国」をたてた。ロシアのウクライナ侵攻は、帝国日本の中国侵略を再現するかのようだ。ひとのふり見てわがふり省みよ。
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昨年のノーベル平和賞を受賞したロシアのリベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」のムラトフ編集長「我々の国は、プーチン大統領の命令でウクライナと戦争を始めた。私は悲しむと共に、恥じている。ロシア人による反戦運動だけが、この惑星の命を救うことができる」朝日新聞。
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相手国の領空内に自衛隊機が入って軍事拠点を爆撃する選択肢を「排除しない」と防衛相はつい先日、国会で答弁していた。そんなことが許されるというなら、日本はロシアを非難できない。国際法に反し、憲法に反し、国際社会の常識に反する。
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1931年の満州事変後、日本は、軍事力を背景に、満洲、華北に「自治政権」(と称する傀儡政権)を立て、実質的に中国侵略を拡大していった。同じようなことをいま、ロシアがやろうとしている。
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「敵基地攻撃能力」を別のことばに言い換えることを検討すると首相が言い出した。聞こえがわるいからと、「全滅」を「玉砕」と、「退却」を「転進」と言い換えるに似ている。
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「政権の歴史認識に基づいて事実を集める」のが昨今のNHK流。「政権の現状認識に基づいて事実を集め」たとしてもそう不思議はない。字幕問題のねっこはそこにある。単に事実の集め方(確認不十分)の問題に矮小化してはならない。
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市民運動を金銭絡みと貶める意図なしに、あの番組に、あの場面を、事実確認なしに組み込むことはありえないでしょう。
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NHK字幕問題。「意図的にやるならもっと意図的に、ちゃんとやる」と前田会長が国会で発言した。視聴者を愚弄することばだ。NHK会長の資格はない。
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NHK字幕問題の調査報告書〈前田晃伸会長は「スポーツ番組だから(チェックが)弱かったのではないか」と述べた。異例の五輪を記録する映画監督の姿を追う番組がスポーツ番組なのか。仮にそうだとして、なぜチェックが緩い理由になるのか〉朝日新聞社説。
調査しない、報告もしない調査報告書。
215
つねにだれかを「敵」にしたてて「闘ってる感」を演出するのが維新流。モットーは、政権と仲良く、市民に冷たく。
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自民党が強行採決する時、維新はいつも賛成に回ってきた。そんな維新と組んで、立憲はどうするつもりなのか。立憲民主党の行方もさることながら、日本の立憲民主主義の行方が心配。
217
「敵」をみつけてはバッサリ斬ったり、ほえ立てたり。そうして存在感を示すのが維新流。「健康で文化的な生活」をこつこつ創出する仕事は苦手らしい。
218
NHKの字幕問題。単に確認が不十分だったために誤報をしてしまったという話ではない。政府に批判的な社会運動を金銭絡みと貶める意思が番組の制作過程にどのように入り込んだのか、それはだれの意思だったのか、それをどうして見逃したのか。そこをNHKはきちんと視聴者に説明しなくてはならない。
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三笠宮の言葉「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた。……過去のことだと安心してはおれない。……紀元節復活論のごときは、その氷山の一角にすぎぬのではあるまいか」建国記念の日創設を批判した。
政権の歴史認識に基づき事実を集めるNHK
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防衛省がミャンマー軍幹部らの教育訓練受け入れ 人権団体から批判:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASQ26…
なんと、市民に銃弾を撃ち放つ軍隊を日本が支援!
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維新は、ワーッと人を攻撃するんだけど、一言二言反撃されると返す言葉がなくて、あとはだんまりをきめこむ。そんなイメージがつよい。
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「太陽の季節」で芥川賞をうけた直後、23歳の石原慎太郎氏はこう話していた。
「憲法改正や再軍備は、再びわけのわからぬ国家意識を復活させるから反対。コスモポリタン的で開放的な、今の憲法の明るさがいい」1956年6月25日付朝日新聞。石原慎太郎氏死去。
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「歴史戦」という言葉を使う産経、読売、NHKははじめから「日本政府は正しい」「自民党右派は正しい」「クレームをつける方が間違っている」という前提に立っている。本当に正しいかどうか、それを調べて客観的に報道するのが本来の役割だろうに、「戦意発揚」の宣伝機関になってしまっている。
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「(第一次世界大戦の)戦争開始責任を敵側にすべて転嫁する方法が正しかったのだ」「事実がどうであったか、は問題でなく、本当の経過がそうでなくても問題はない」ヒトラー『わが闘争』の一節(芝健介『ヒトラー』岩波新書から)。
「歴史戦」などと言い出したNHK。ついにこの域に入ってきたか。
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佐渡島の金山をめぐる報道で、読売までが(引用ではなく)地の文で「歴史戦」なんて言い出した。これは「日本は何も悪くない史観」「日本被害者史観」を主導する産経が旗印のように使ってきた言葉。気持ちはもう産経といっしょということか。