176
「反撃力」という名の先制攻撃をすれば一撃で相手が降参して戦争は終わると考えるのは、まさに、お花畑的楽観主義だ。真珠湾を先制攻撃して「大戦果」をあげても米国は降参しなかった。3年数カ月にわたって猛烈な反撃をうけ、日本が焦土となってやっと終わった。お忘れか。
177
「戦争はもうたくさんだ。戦争の栄光なんてたわごとだ。血や復讐や破壊を声高に叫ぶのは、銃を撃ったこともなければ、けが人の悲鳴やうめき声を聞いたこともないやつらだけだ。戦争は地獄だ」W・T・シャーマン。『戦争における「人殺し」の心理学』(グロスマン)から。ちくま学芸文庫。
178
憲法記念日、岸田首相が日本会議系の集会にビデオメッセージ。NHKが夜7時のニュースで流したのは、そのビデオメッセージの一部じゃないの? 全国民日本会議化計画進行中?
179
「核共有だ」「中枢攻撃だ」「防衛費倍増だ」とロシアの侵略に便乗するように、むやみに煽る元首相。憲法9条はこのような政治家の暴走を許さないためにある。
180
現行憲法は「時代にそぐわない」(岸田首相)と言いながら帝国憲法への復古をめざす矛盾。自民党改憲案のどこが「時代にそぐう」のか。
181
「アウシュヴィッツへの道は憎悪によって建設されたが、それを舗装したのは無関心であった」ブラウニング著『増補 普通の人々』(ちくま学芸文庫)から。
182
「この(北方領土)問題は安倍晋三政権の時に終わっています。残念ですが、淡い期待は捨ててください。プーチン氏にすり寄って翻弄された、安倍外交の失敗を真剣に反省することです」岩下明裕・前北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター長。14日付朝日新聞。
183
「ポツダム宣言をつまびらかに読んだことがない」とか「侵略の定義は定まっていない」とか言ってた元首相が、(基地だけでなく)相手の中枢も攻撃できるようにすべきだ、などと叫んでいる。おこがましいにもほどがある。
184
一般の住宅まで破壊し、子どもや老人をも虐殺する。どこの国の軍隊であれ、侵略軍のやることにそう違いはない。今のロシアも昔の日本も。
185
〈陸上自衛隊が2020年2月に実施した記者向け勉強会で配布した資料に「予想される新たな戦いの様相」として「反戦デモ」を例示していたことが分かった。防衛省が衆院外務委で共産党の穀田恵二氏の質問に明らかにした〉共同通信。
2年前の勉強会に出た記者は、なぜすぐに記事を書かなかったのか。
186
ロシアのウクライナ侵略のニュースをみていると、日本の中国侵略の歴史が目の前で再現されるかのようだ。非軍事施設の破壊、非戦闘員への無差別攻撃、多数の避難民。日中戦争について調べているさなかだけに、なおさらそう感じる。
187
野党に追及されるのが嫌で国会を開かない、街頭演説のヤジを警察が排除する、説明責任をいっこうに果たさない、侵略を解放と言い換える、憲法に緊急事態条項を書き込んで権力の集中を図ろうとする……。
自民党はロシアをめざす。
188
プーチンに言わせれば、ロシア政府を批判する者はすべて「くずどもと裏切り者」であり、ロシアから出ていけ、ということなのだろう。既視感があると思ったら、あれだ。自民党を批判すると「日本から出ていけ」と返す人たち。プーチンによく似ている。
189
白紙のプラカードを掲げただけで逮捕される。戦争反対の声が圧殺される。そんな国にしてはいけないとロシアからの報道をみて痛感させられる。しかし、日本もすでに、街頭演説の政治家に向けてプラカードを掲げるだけで警察官に排除されるところまできている。
190
「安倍晋三氏のご活躍を目にするたびに、どうにも割り切れない思いを感じている。いわゆるモリカケ・サクラ問題、国会での100回を超える虚偽答弁問題など、いずれも国民を納得させる説明は今もってされていない。このままで済ませるつもりなのだろうか」
朝日新聞「声」欄。
191
「核兵器を持たないと他国に侵攻される」という人がいるが、忘れてはいけない。イラクは、核兵器を持っているという理由で米国の軍事侵攻にあった(実は持っていなかったが)。
192
「日本は侵略していない」「侵略の定義は定まっていない」「日本はアジアを解放した」などと言ってきた人たちが、好機到来とばかりに「このままでは侵略される、改憲だ、軍拡だ、核兵器だ」と叫ぶ、そのうさん臭さ。
193
ウクライナ侵略をロシアは「戦争」と呼ばずに「特別軍事作戦」と呼ぶ。帝国日本が中国侵略を「戦争」と呼ばずに「事変」と呼んだのに似ている。
194
敵基地攻撃能力をもてという人たちは、場合によってはロシアだって攻撃するということか。そんなことをしたら何倍もの反撃をうけて老人や子どもが逃げ惑うことになるだろう。海岸線には原発があるし。
195
「核武装をタブーにしない」とは、言い換えれば、他国の人々(その大半は善良な市民)を核兵器で焼きつくすという選択肢をあらかじめ排除しないということだろう。それを遠回しに言っているだけだ。いや、被爆国日本の責任として、その選択肢はどうしても排除すべきでしょう。
196
侵略の定義は定まっていない、などと国会で答弁していた安倍氏(74年の国連総会で侵略の定義に関する決議が採択されている)。ロシアのウクライナ侵攻は明らかに侵略だが、満州事変は日本の自衛行動、とでも言うつもりだろうか。
197
「私の見るところ、プーチン氏は(偉大なロシアの)『神話』に囚われている。私の言う『神話』は、都合の良い史実を選び出し、繰り返し称賛し、民族の誇りにすることです。史実の神話化とも言えます」ロシア文学者、英オクスフォード大教授アンドレイ・ゾリン氏。読売新聞。そういう政治家、日本にも。
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ロシアにも言い分があるというようなことを言う人がいるが、言い分は外交交渉の中で言うものだ。言い分を通すために武力侵攻したらその瞬間アウト、それが国際社会のルールだ。
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桜井よしこ氏が理事長を務める国家基本問題研究所が読売に意見広告を出し、「中距離ミサイルを含む攻撃力」の保有、非核三原則見直し、「防衛費」増額などを主張している。アジア侵略の歴史を反省しない人たちが、核共有や軍拡を訴えている。危ない、危ない。
200
維新の核共有、非核三原則見直し提言に対し、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が撤回を要求。被爆者で代表委員の田中重光さん「心の底から怒りがわいている。維新の言っていることが広がれば、すべての国が核を持つ。そのときは人類の滅亡だ」朝日新聞。