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『ワクチン接種率の激減で細胞診異常率が1%(4%が5%に20%増加する)しか変わらずワクチン効いてない。がん発症率の差はもっと低くなるぞ』と聞いてなるほどって思った方は要注意です。間違っています。
16型18型の感染防いだとしても細胞診異常率なんて10%も変われば上出来だし、それでも→ twitter.com/my_fc1/status/…
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『女にうつす側の男がまずHPVウィルスを予防すればより子宮頚がんを防げるってこと』
この誤解をまず解かないといけないわけで、男性にワクチンを接種する第一の目的は男性自身のHPV関連癌を予防するためだ。
男性は自分達のためにもっと声をあげていい。
『男性にもHPVワクチン無料で』 twitter.com/kgogw/status/1…
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子宮頸がんの様に検診による2次予防もない。男性がHPV関連がんを予防するには自分がHPVワクチンを接種するしかない。自分が関係をもつ女性全員が初交前にワクチンを接種していることに頼るわけにはいかない。
男女ともに自ら主体的にHPV関連がんリスクを減らすことができることが大切→
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HPVワクチンの効果に関しては、臨床試験で評価できることはすでに決着がついていて、予想どおり効果があり持続期間に関しても期間中、減弱が見られなかったが答えです。
ここから先は実際の接種集団を観察していくことで、リアルワールドでの効果を評価していくことになります。
→ twitter.com/torutoridamari…
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14歳までに女子のHPVワクチンを接種率94%を達成したウズベキスタン。同国の女性がん発症頻度第2位の子宮頸がんを撲滅する第一歩を達成しつつある。
この集団には生涯で数回の検診で十分。
世界はHPV関連がんの撲滅に向けて本気ですよ🐰
→ twitter.com/GaviSeth/statu…
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がんではないが、ほうっておくと癌になる病変が存在することがわかった。いまで言う異形成・前がん病変にあたる。
③異形成を調べてみると、性質の違う二つの種類があるね。癌に進む可能性の小さいものと進む可能性が高いもの。今で言う、軽度異形成と高度異形成に当たる。→
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せっかくだから解説しよう。
粉瘤とは皮下組織に重層扁平上皮用の組織ができる疾患。球状の皮膚組織(外側が基底層で中に向かって角層へと分化してる。いわゆる垢の行き場ないため粉瘤となる)。原因としては外傷などを原因として、上皮組織の真皮組織への迷入などがあるとされてきた。→ twitter.com/thesaurus_chan…
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癌に進みやすい異形成(高度)が存在する。子宮頸がん組織からはウイルス粒子は見つからない。子宮頸部にはウイルスの関係する病変と関係しない病変が存在して、子宮頸がんになるのはウイルスの関係しない方なんじゃないのとここの時点の解釈された。おもしろいね🐰→
twitter.com/Amamino_Kurous…
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④ここでウイルス学登場。1960〜70年代の話。その頃ウイルス学では、病変を電子顕微鏡で調べて、ウイルス粒子を直接観察することによって、ウイルスの存在を確認していた。で、子宮頸部の異形成を調べてみると。ウイルス粒子の見つかる・癌に進みにくい異形成(軽度)と、ウイルス粒子の見つからず→
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それに似たHPVを検出する方法を開発。ツール・ハウゼンは早速この方法を用いて、HPV6を使ってHPV11を発見。HPV11を用いて、子宮頸部組織を調べてみると(ドラムロール🥁)子宮頸がん組織から二つの新しいHPV(16と18)が発見されると言うわけ。1983年のこと。
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ワクチンや医薬品の安全性監視に関して
予防接種・医薬品の副作用・有害反応の検出・評価・理解・対応・予防のための科学と実践に関係する全てを含みます。
強調したいのは”世界保健機関が国際的な薬物監視プログラムを開始した”のは1960年代初頭に起きたサリドマイド大惨事を受けてのものであること→
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⑨まだまだ、スタート地点。子宮頸がんからHPVが見つかったからと言って、その癌の原因とは限らない。ここからが本番。
(A)子宮頸がんの7割からHPVと16型18型が検出される。誰がやっても検出される。再現性がバッチリだ。確かに子宮頸がん組織にHPVが高率に存在する。
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⑤一方、疫学的調査は、子宮頸がんは性交渉に伴う感染性の因子が関わっているのはあきらかだった。じゃ、なんなのよ。クラミジア?ヘルペス?パピローマウイルス?問題は、子宮頸がん組織から、ウイルスが検出されないこと。で、当時の最有力候補はヘルペスウイルス。理由は→
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これらのことがわかるのに20年以上の歳月と無数の分子生物学者の存在がある。で、これが、ウイルスが感染するとなぜ癌になりやすくなるかのメカニズムの説明になる。
(E)次は病理学者の出番。④に戻る。ウイルスに感染が原因の軽度異形成と関係のない高度異形成がありそうだったのだが→
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ウイルス粒子としてではなく、ウイルスゲノムとして持続感染することが知られていたし、ヘルペスウイルスが他のがんの原因になることも知られていた。何より、子宮頸がん罹患者とそうでないヒトを比べてみると、患者の方がヘルペスに感染していることが、ややおおい事もわかった→
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がん抑制遺伝子(p53やpRB)を抑制することができ、細胞の分化を抑制し増殖を促進、テロメア酵素を誘導し細胞の寿命も延ばす、ヒト遺伝子の変異を促進・許容を促し、染色体の構造も不安定化させ、免疫反応の回避もおこなう。どの性質を取っても、ヒトの正常細胞が癌細胞に変化するのに必要な要素だ。→
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麻疹は麻疹自体が大変な感染症であることもさることながら、回復後に生じる長期的な免疫抑制状態が非常に厄介です。ワクチンが導入される以前は子供の感染症死の半分は麻疹関連であった推定されています。
→ twitter.com/ped_allergy/st…
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⑦でも、結局その『子宮頸がんでヘルペスウイルスが検出されたこと』は多くの科学者が追試を試みるが、再現がされない。ツール・ハウゼンも再現できず『ヘルペスじゃなさそう』・『やっぱりパピローマウイルスなんじゃないの』と研究を続ける。
⑧問題は、子宮頸がん組織からはパピローマウイルスも
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証明されたってことになる。非常に大きなエビデンス。
(11)2019年以降、ワクチンを接種した集団で特定の型のHPV感染がなくなった結果、子宮頸がんの減少として観察されるようになった。(F)として疫学的に観察・予想されていたことが確かに正しかったと、ワクチンの効果と証明されたことになる→
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異なるグループであることがわかった。ハイリスクHPVとして分類が確立。
(D)ここからは、分子生物学者たちの仕事で、ハイリスクHPVとローリスクHPVで何が違うのかを調べていくと。ハイリスクHPVのウイルスタンパク質は実に発癌するのに有利な性質を持つことがわかった。ハイリスクHPVは→
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『パピローマウイルスが子宮頸がんの原因なんじゃないの』という仮説を学会と論文で発表(1977年の話)。ちょうどその学会では、『子宮頸がん組織でヘルペスウイルスが検出されたよ』と言うセンセーショナルな発表もなされていたために、HPV子宮頸がん原因説は見向きもされず、彼は相当凹んだそうな→
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(B)残りの3割からもその他のHPVが検出される。のちに高リスクHPVとされるものたちだ。最終的には子宮頸がん組織のほとんど(99.7%以上から)HPVが検出されると評価されている。
(C)遺伝子配列を比較してみるとがんから発見されるHPVとがん以外のイボから発見されるHPVは→
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ワクチン開発・特に標的とする型の選定に大きく貢献した。
まだまだ続く
⑩ワクチンの開発成功から臨床試験、集団接種後の調査によって、ワクチン接種で特定の型のHPV感染を予防すると、高度異形成の数が減ることがわかった。(F)として疫学的に観察されていたことが、ワクチンの効果として→
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見つからないこと。既知のHPVであれば検出できるはずなので『未知の』HPVが原因なんじゃないの?と考えるが、ウイルス粒子として存在しない、未知のHPVをどのようにして検出したらいいのか。技術的革新が必要であった。ここで、ピーターハウリーの登場。彼は、今まで発見されていたHPVを使って→
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⑥で、子宮頸がん組織からのヘルペスウイルスの検出に科学者は奔走。でも、見つからないこと・見つからないこと。1970年代の話。で、(勝手に我が祖父)ツール・ハウゼン博士が、巨大コンジローマ(いやって言うほどパピローマウイルスが見つかり・精製する事もできる)が癌化する例があるのをみて→