51
52
80%の女性が感染しているHPVだけど殆どが自然治癒するから大したことないでしょっていうけどさ、
80%の女性が感染して90%が自然治癒したとしても、のこりの10%(全体の8%)の人が上皮内癌・高度異形成を発症して3%の人が子宮頸がんになるわけよ。100人に3人よ?
で今、30代以降に5割弱の人が→
53
統計学を重視したナイチンゲールならなんというだろうか?
自然発症率として年間10万人に1人以上発症するギランバレーが430万接種当たり1回報告されるとはどう意味か?
永遠に否定はできないし発症すれば補償すべきだが、同時にHPVワクチンの副反応としては考えられていない。
→ twitter.com/Aiiro_165e83/s…
54
①話は第二次世界大戦前に遡る。子宮頸がんを予防する方法として→細胞診(パップスメア)が開発された。アイディアは単純でがんになりそうな細胞をとってきて見つけよう。見つけたら取り除いて治療すればがんにならないと言うわけ。
②細胞診で異常があるヒトを調べてみると、子宮頸部に→
55
『なんでHPV🦠感染が子宮頸がんの原因だと分かるの?』
素晴らしい質問だ。たった一言の質問だが、これがわかるまでには、仮説として提出されてからの、無数の科学者と(研究に参加した患者たち)の20年にわたるエビデンスの蓄積があるわけだ。
追体験してみる?😊
→ twitter.com/michisleepy/st…
56
④ここでウイルス学登場。1960〜70年代の話。その頃ウイルス学では、病変を電子顕微鏡で調べて、ウイルス粒子を直接観察することによって、ウイルスの存在を確認していた。で、子宮頸部の異形成を調べてみると。ウイルス粒子の見つかる・癌に進みにくい異形成(軽度)と、ウイルス粒子の見つからず→
57
がんではないが、ほうっておくと癌になる病変が存在することがわかった。いまで言う異形成・前がん病変にあたる。
③異形成を調べてみると、性質の違う二つの種類があるね。癌に進む可能性の小さいものと進む可能性が高いもの。今で言う、軽度異形成と高度異形成に当たる。→
58
癌に進みやすい異形成(高度)が存在する。子宮頸がん組織からはウイルス粒子は見つからない。子宮頸部にはウイルスの関係する病変と関係しない病変が存在して、子宮頸がんになるのはウイルスの関係しない方なんじゃないのとここの時点の解釈された。おもしろいね🐰→
twitter.com/Amamino_Kurous…
59
⑤一方、疫学的調査は、子宮頸がんは性交渉に伴う感染性の因子が関わっているのはあきらかだった。じゃ、なんなのよ。クラミジア?ヘルペス?パピローマウイルス?問題は、子宮頸がん組織から、ウイルスが検出されないこと。で、当時の最有力候補はヘルペスウイルス。理由は→
60
ウイルス粒子としてではなく、ウイルスゲノムとして持続感染することが知られていたし、ヘルペスウイルスが他のがんの原因になることも知られていた。何より、子宮頸がん罹患者とそうでないヒトを比べてみると、患者の方がヘルペスに感染していることが、ややおおい事もわかった→
61
『パピローマウイルスが子宮頸がんの原因なんじゃないの』という仮説を学会と論文で発表(1977年の話)。ちょうどその学会では、『子宮頸がん組織でヘルペスウイルスが検出されたよ』と言うセンセーショナルな発表もなされていたために、HPV子宮頸がん原因説は見向きもされず、彼は相当凹んだそうな→
62
⑥で、子宮頸がん組織からのヘルペスウイルスの検出に科学者は奔走。でも、見つからないこと・見つからないこと。1970年代の話。で、(勝手に我が祖父)ツール・ハウゼン博士が、巨大コンジローマ(いやって言うほどパピローマウイルスが見つかり・精製する事もできる)が癌化する例があるのをみて→
63
見つからないこと。既知のHPVであれば検出できるはずなので『未知の』HPVが原因なんじゃないの?と考えるが、ウイルス粒子として存在しない、未知のHPVをどのようにして検出したらいいのか。技術的革新が必要であった。ここで、ピーターハウリーの登場。彼は、今まで発見されていたHPVを使って→
64
⑦でも、結局その『子宮頸がんでヘルペスウイルスが検出されたこと』は多くの科学者が追試を試みるが、再現がされない。ツール・ハウゼンも再現できず『ヘルペスじゃなさそう』・『やっぱりパピローマウイルスなんじゃないの』と研究を続ける。
⑧問題は、子宮頸がん組織からはパピローマウイルスも
65
(B)残りの3割からもその他のHPVが検出される。のちに高リスクHPVとされるものたちだ。最終的には子宮頸がん組織のほとんど(99.7%以上から)HPVが検出されると評価されている。
(C)遺伝子配列を比較してみるとがんから発見されるHPVとがん以外のイボから発見されるHPVは→
66
⑨まだまだ、スタート地点。子宮頸がんからHPVが見つかったからと言って、その癌の原因とは限らない。ここからが本番。
(A)子宮頸がんの7割からHPVと16型18型が検出される。誰がやっても検出される。再現性がバッチリだ。確かに子宮頸がん組織にHPVが高率に存在する。
→
67
それに似たHPVを検出する方法を開発。ツール・ハウゼンは早速この方法を用いて、HPV6を使ってHPV11を発見。HPV11を用いて、子宮頸部組織を調べてみると(ドラムロール🥁)子宮頸がん組織から二つの新しいHPV(16と18)が発見されると言うわけ。1983年のこと。
→
68
がん抑制遺伝子(p53やpRB)を抑制することができ、細胞の分化を抑制し増殖を促進、テロメア酵素を誘導し細胞の寿命も延ばす、ヒト遺伝子の変異を促進・許容を促し、染色体の構造も不安定化させ、免疫反応の回避もおこなう。どの性質を取っても、ヒトの正常細胞が癌細胞に変化するのに必要な要素だ。→
69
異なるグループであることがわかった。ハイリスクHPVとして分類が確立。
(D)ここからは、分子生物学者たちの仕事で、ハイリスクHPVとローリスクHPVで何が違うのかを調べていくと。ハイリスクHPVのウイルスタンパク質は実に発癌するのに有利な性質を持つことがわかった。ハイリスクHPVは→
70
これらのことがわかるのに20年以上の歳月と無数の分子生物学者の存在がある。で、これが、ウイルスが感染するとなぜ癌になりやすくなるかのメカニズムの説明になる。
(E)次は病理学者の出番。④に戻る。ウイルスに感染が原因の軽度異形成と関係のない高度異形成がありそうだったのだが→
71
改めて調べてみると、どちらもウイルス感染が原因であった。ただウイルス感染病変としての性質が違ったわけだ。前者がウイルス産生の活発な正常な生活環を有しているのに比較して、後者はウイルス癌遺伝子が過剰に発現している。ウリス癌遺伝子が過剰に発現すると、ウイルス粒子は作られない。→
72
2種類あると思っていた異形成は実はどちらもHPV感染が関与していたと言うわけ。
(F)次は疫学者の出番。HPV感染が異形成の原因になるのか。感染すると高度異形成になるのか。大規模な調査が行われ、HPV感染が軽度異形成の原因になること。特にハイリスクHPVの感染が高度異形成の原因に→
73
特定のHPVが検出されるヒトは子宮頸がんになるリスクが高いと言うことが、子宮頸がん検診・検査へのHPV検査の応用という形で身をむすび(ろ)特定のHPVに感染しないと子宮頸がんにならないと言うことは、ワクチンによって一部のHPVの感染を予防すると子宮頸がんにならないと言うことで→
74
なることが示された。高度異形成が子宮頸がんの原因になることは『ウイルスとは関係なく』示されていたので、ハイリスクHPV感染から子宮頸がん発症までがこれでつながったわけだ。この過程で重要なことが二つわかって(我々に直接影響している)(い)HPV検査が子宮頸がん検診・検査に使えること→
75
ワクチン開発・特に標的とする型の選定に大きく貢献した。
まだまだ続く
⑩ワクチンの開発成功から臨床試験、集団接種後の調査によって、ワクチン接種で特定の型のHPV感染を予防すると、高度異形成の数が減ることがわかった。(F)として疫学的に観察されていたことが、ワクチンの効果として→