「黒髪ロングの黒ギャルしか勝たん!ツインテール希望で!」 居酒屋で叫ぶ酔った友人。 「ギャルって元の顔わからなくね?」 「化粧で可愛かったら良いぜ!」 「そうだよ♪」 隣の席にまさかの黒ギャル登場。意気投合した友人は彼女とホテルへ。元の顔は大事だ。全部脱いでから男だと気付いたらしい。
「出席取るぞ~!鈴木光宙(ぴかちゅう)」 「ピカピ~!」 「ちゃんと『はい』と言え…」 20XY年。キラキラネームが増えた現代では、生徒たちは自分の名前に合った返事をする。 「次…山田黄熊(ぷう)」 「蜂蜜食べたいなぁ♪」 「(カオス…)お、これは普通の名前だ。小池百合子~」 「密です!」
「帝王切開は楽で甘えでしょ」 次男を産んだばかりの私に義母は言う。私は長男も次男も帝王切開で産んだのだ。 「下から産む痛みを経験しないと、女は強い母親にはなれない」 ショックで言葉が詰まり、何も言い返せない。そんな時に4歳の長男は言った。 「お婆ちゃんは誰かのためにお腹を切れるの?」
「キスマーク+100円っと」 私はフリマアプリに書き込む。大学生で一人暮らしの私はお金がなく、使用済みマスクの売買をしていた。 『唾液も垂らして?』 「仕方ないなぁ」 アプリのDMで購入者に頼まれ、要望に応える。 「できた!送ろっと!」 アプリで相手の住所を確認した私は驚く。 「私の実家…」
旦那と6歳の息子とドラマを見ている時に事件は起きた。 (マズい、キスシーンだ) 6歳になる息子には早いよね?… (今度はベッドシーン!?) 「見ちゃダメ!」 咄嗟に息子の両目を隠し、旦那にテレビを消させる。だが、息子は言った。 「なんで?ママとパパが僕に隠れてしてるのをいつも見てるよ?」
「ストローは付けますか?」 「はい?…」 コンビニ店員に聞かれて困惑する私。買ったのは唐揚げ弁当と卵パックだ… 「ま、間違えました!お箸は付けますか?」 「お願いしますw」 きっと疲れているのだろう。少し可愛くて笑ってしま… バンッ! 突然レンジから爆発音。なんで私の卵パック温めてるの…
「クソ…」 月曜1限なのに電車遅延かつ満員電車でイライラする俺。後で遅延証明書も貰わないと。 「キャッ!」 電車が揺れてJKが倒れ、俺の体が自然と彼女を支える。 「す、すみません…」 俺の手を握って謝る彼女。こんなに美人で素直な子と出会えるなら意外と悪くない日だ。 「今触りましたよね?」
「何があっても死ぬのはダメ!」 先生、家族、SNS。その言葉を聞く度、見る度に僕は追い詰められた。まるで自殺行為という選択肢が思い浮かぶ自分を全否定されている気がした。 「死んでも良いけど1戦だけしよ?」 唯一ゲームの趣味が合った友人の言葉。今日で聞くのは365回目。いつもありがとう。
「非HSS型HSPぴえん♪」 「全人口の12%♪」 SNS上ではHSPアピールをする人が増えた。ブランド品のような希少価値があると思っているみたい。 「またジャムのフタがない…」 それに比例して私の悩みも軽くあしらわれることが増えた。お願い。自分を着飾る道具に使わないで。荒れた部屋を前に一人思う。
『JKの私が初めて人を殺した話』 #1分小説 #1分小説