私の彼氏は死神から時間停止の能力を貰ったらしい。 「運命の人の前で初めて時間停止を使えるようになるらしい」 「なにそれw今使えるか試してみて?」 目を閉じて集中する彼。期待を込めたが何も起きない。 「私は運命の人じゃないんだね…」 落ち込む私の左手薬指に見覚えのない指輪がはまっていた。
毎晩泥酔して帰ってくる息子を叱ると 「一度も泥酔したことないクソ真面目人間に何がわかんの?」 と言われ、大学生相手を納得させるには自分も経験すべきと思った。 『父さん今どこ!?』 電話で怒る息子。それは俺が聞きたい。死ぬほど飲んだ結果、広大な海に浮かぶ船の上で1人、拳銃片手に目覚めた。
#死と打って文章が終わるまでやってください で何になる?」 友人に言われ試す俺。 「昨日検索した小説『死の秘宝』。お前は?」 すると友人は虚ろな目で、 「い、行かなきゃ…」 と言って立ち去った。数日後、未踏の谷で『死の谷の方』という文字を表示したスマホを握る、大量の自殺体が発見された。
「非HSS型HSPぴえん♪」 「全人口の12%♪」 SNS上ではHSPアピールをする人が増えた。ブランド品のような希少価値があると思っているみたい。 「またジャムのフタがない…」 それに比例して私の悩みも軽くあしらわれることが増えた。お願い。自分を着飾る道具に使わないで。荒れた部屋を前に一人思う。
中学生の私はフリマアプリで使用済みマスクを売っている。パパとママには内緒だ。 『唾液つけてね♪』 購入者にDMで頼まれる私。気持ち悪いけどネット上だし大丈夫! 「匿名配送できた!」 アプリの機能でお互いの住所も非公開で送れて安心! 「これ何!?」 パパを怒るママ。私のマスクが家に届いた…
「嘘でしょ…」 連続殺人事件の速報を見た私の体は震える。これで被害者は8人目らしい。逃亡中の犯人は30代だと予想されていた。 「人を何だと思っているの!」 私は被害者でないし、被害者面をするつもりはないがあまりにも酷い。これで記念すべき10人目だし、私は20代よ。ナイフと共に私は家を出た。
「お前らのせいでガンプラ高騰だ」 男は言う。家で寝ていたのに…ここはどこだ? 「転売の稼ぎは月10万円以上か。俺は月1億だ」 ナイフを取り出す男。 「何する気だ!?」 「人間を安く仕入れて中身を高く売る。お前らとやってることは同じだろ?」 気付けば俺の体はプラモデルの部品のようになった。
とんでもないプレイリスト見つけてしまったんですけど…
20XY年。○▽国の王の俺は国民の個人情報が入ったUSBメモリを紛失した。 「パスワードは簡単ですか!?」 記者会見でリポーターに聞かれる。 「英数字13桁だから大丈夫だ」 俺の発言にネット騒然したが問題ない。本当は15桁。13桁を打てば警報とGPS機能が作動する。 ビー! 突然リポーターのPCが鳴った。
「キスマーク+100円っと」 私はフリマアプリに書き込む。大学生で一人暮らしの私はお金がなく、使用済みマスクの売買をしていた。 『唾液も垂らして?』 「仕方ないなぁ」 アプリのDMで購入者に頼まれ、要望に応える。 「できた!送ろっと!」 アプリで相手の住所を確認した私は驚く。 「私の実家…」