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上司の言う「自分の頭で考えて行動する」とは、上司である自分の思い描く正解を想像し、その通りに行動する、という意味のことが多いように思う。しかし人間はエスパーじゃないんだから、上司が心に思い描いてる答えなんか分からない。それを想像できなかつたからと言って注意されるのは理不尽。
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部下が部下なりに考えて行動したことを「自分の頭で考えて行動した」と評価しない上司は、「俺の心の中を言い当てろ」と言ってるようなもので、無茶だと思う。部下は経験豊富な上司と違って、経験の蓄積がない。目の付け所はどこかも分からない。
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部下や子供を指導する際、陥りやすい誤りがある。「同じものを見ているんだから同じものが見えているだろ?」というもの。残念ながら、人間は同じものを見ても同じものが見えない。そのことを踏まえて指導しないと、「なぜこれに気づかない?」ということにイライラしてしまう。
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私は部下育成の方法として「失敗を楽しむ」ことを推奨している。すると、医療関係者や介護の現場の方から「我々は人間相手だから失敗させるわけにいかない、どうすれば」というご意見を頂く。実は研究の世界でも失敗できないものが多々ある。高額機械は取り扱いを誤るとあっと言う間に壊れてしまう。
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物分りのいい人(子)と悪い人(子)がいる。これを「理解力の差」ととる人が多いけれど、私はそうは思わない。物分りののよい人は「あまり考えずに捨てることができる人」、悪い人は「考えすぎて捨てられない人」だと感じることがほとんど。
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自分の頭で考えられない人、子は、自分で考えられないのではない。これまで散々叱られ、あれこれ教えられすぎて、指導する人の目を恐れ、問題を観察するより指導者の機嫌を伺うことに集中する習慣を持ってしまってることが多いように思う。
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研究用機器が大幅値上げ。昨年まで7~8万円で購入できていたものが一気に10万円超えしている。困るのは、10万円以上になると備品扱いとなり、前もって申告・計上しておかないと、外部から頂いている予算では購入できないこと。10万円未満なら消耗品扱いで申告なしに購入できたのに。
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日本は「育てる」のがヘタクソな国になったと思う。「カネを払ってるから言うこと聞くべき」という性急さ、単純さが、学術会議ばかりか、部下育成でも子育てでも顔を出す。その性急さの故に子どもも、人も、学術さえも育てられなくなっているように思う。 twitter.com/Fuduki_Aoi/sta…
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「自分より優れていなければ学ぶところがない」という言葉を聞くことがある。私はもったいないな、と思う。学びの機会が激減するから。どんな人からも学びが得られる。それどころか、私はイヌネコからも学ぶところがあるなあと思うし、何なら微生物からも学ぶ。いろんなところから学べると楽しい。
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江戸時代は資源リサイクルも行われた、安定した定常状態だったと思われがちだけれど、解像度を上げてみるとかなりの流転がある。
江戸時代に入る前の安土桃山時代から、吉宗の活躍した享保時代までは、耕地面積の拡大と人口増大が続いた。なぜかというと。
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日本はどうやら、長い時間をかけて作り上げてきた水利システムを崩壊させるとば口に立っている。比較的小規模な、経済性の低い平野部から水利システムが崩壊し、広大な平野部も、別の原因から水利システムの維持が将来的に困難になるかもしれない。
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まとめました。
水路システムの崩壊は日本の食料安全保障の崩壊?|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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大企業に任せてしまえば農業は効率化する、という意見は根強い。それに関連して、興味深い話を聞いた。
栗和菓子屋さん。農家が高齢化し管理できなくなった栗園を引き受け、社員が栽培管理。しかし、条件のよい栗園以外は頼まれても断るようになったという。理由は人件費。
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企業が農業をする場合、最低賃金以上を保証しなければならない。しかしそうすると、農家が作る栗より高くなってしまう。なぜそうなってしまうのか。農家は自分の人件費のことを考慮しないで安く売っているから。つまり、今の農産物価格は農家の自己犠牲のおかげで安く済んでいる。
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もし農家がみんな農業をやめてしまい、企業が農業をやるようになって、もちろん最低賃金以上を保証するならば、農産物の価格は今以上に高くなる可能性がある。
しかしここで疑問が一つである。海外では企業化した大規模農業があり、非常に効率的に安価に農産物を生産している。日本でもそうしたら?
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ところが日本でそれは難しい。日本は狭くて山がちな土地。アメリカやブラジルのように、地平線まで同じ調子の平地なんてところはほとんどない。このため、少人数で広大な面積の農地を確保すること自体がそもそも困難。すると、効率化することが非常に難しい。
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日本は「より安く」を長らく追求してきた。そのために、まっとうな価格で食品を買う購買力を失い、世界から食料を調達する力を失いつつあるのではないか。 bookplus.nikkei.com/atcl/column/02…
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新自由主義の論理のズルいな、と思うのは、「頑張る労働者は給料上げる」と表現することで労働者同士をいがみ合わせながら、株主と経営者に利益が多く行くような仕組みをコッソリ作って、結局労働者を搾取する構造を作り上げていることですね。漁夫の利を得るのが上手。 twitter.com/YU072101/statu…
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竹中平蔵氏はひどく賢い人だと思う。「頑張る人間には報い、そうでない人は淘汰される、それが競争社会、これからそれがますます加速する」と主張。この論理は実に巧み。高給をもらっている人は「自分が頑張っているからだ」と自信を深める。貧困にあえぐ人は自分に力がないからだと自らを責める。
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しかし有能だとされて高給をつかむのはごく一部。そうでない人は派遣社員や契約社員などになるしかなく、正社員でも給与水準を下げられ。こうすると、高給取りと正社員と派遣・契約社員とが互いにいがみ合う。労働者同士で反目し合う。「協働」が難しくなってしまう。
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「これから競争社会になる」と言えば竹中氏に非はなく、世の中が勝手にそうなるのだと、世界のせいにできる。
こうした構造を作った上で、派遣会社の会長におさまり、派遣社員から上前をはねて自分の収入にする。実に賢い。
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また、労働者同士がいがみ合い、反目し合う中で、株主への還元をやかましく言う株主資本主義に誘導。労働者の賃金を抑えた分、株主への配当を厚めに渡す構造に。何のことはない、労働者同士が反目し合ううちに株主が漁夫の利を得る構造をまんまと構築。この流れを押したのが竹中氏と言ってよいだろう。
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株主は竹中氏の発言が重さを増せば増すほど株主資本主義へと重心が移るから竹中氏を持ち上げる。竹中氏は自らの仕事と収入が増えるから、ますます労働者同士でいがみ合い、株主が何をしているのか気づかないように目眩ましとなる発言を繰り返す。しかも竹中氏の弁論は巧みで、真の狙いが分からない。
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結果、竹中氏はものの見事に労働者の分断に成功し、労働組合はボロボロになって機能しなくなり、労働者の賃金は下がり、経営者と株主が漁夫の利を得る構造ができるよう手助けをした。竹中氏がいなければ、ここまで巧みに社会が変わらなかったかもしれない。竹中氏の弁舌の力はとても大きい。
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しかも興味深いのは、株主と言っても日本人とは限らないこと。外国人投資家が日本の株式市場でかなりの存在感を見せている。かつては株の持ち合いで外国人投資家に手出しさせなかった日本だが、自ら株の持ち合い規制をし、外国人投資家が入り込む余地を作り、株主資本主義を招き込んだ。