1001
全国の農業研究者が参加するメーリングリストに質問したことがある。「江戸時代より進んだ技術が何かありますか?ただし石油に頼らないという前提で。」
議論がしばらく続いた結果、「ない」という話に落ち着いた。現代農業の技術のほとんどは、石油などの化石エネルギーに頼っている。
1002
親が知らず知らずにかけてしまう「呪い」について、私も十分に言語化できていないことに気がついたので、ちょっと考えてみる。
昔の親は、子どもに評価を下すことを何とも思っていなかったので、結果的に「呪い」にかかる人は少なくなかったように思う。たとえば。
1003
まとめました。
ドラッカーによる日本型経営の意外な評価|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
1004
部下の、現場の力を引き出すリーダーこそカッコいいのでは。部下や現場の言うことを聞かず、疲弊させるリーダーのどこがカッコいいのだろう?もう少しよく考えた方がよいように思う。
1005
組織を有機体で捉える必要がある。ドラッカーの見識を踏まえれば、「決断の速いカッコいいリーダー」は、本当にカッコいいのだろうか?独裁的システムを完全に構築したとき、リーダーには、心地よい情報しか届けなくなる部下ばかりになる。裸の王様になる。独裁は、裸の王様を目指す道。
1006
どうも2000年代に入ってからの日本の経営者は、現場からの声に耳を傾けず、ただ命令だけすればよい、という独裁的なやり方をする人が増えた気がする。しかしそれでは現場がついていかない。まるで、五感からの情報を遮断した脳のようなもの。五感の情報なしに体をうまく動かせるはずがない。
1007
海外企業のトップダウンをマネし、現場に丸投げ。現場は「無茶や!」となり、大混乱。海外企業の悪しきマネジメントを真似た感がある。
もし、決断が速く、現場を混乱させないようにするには、社長が現場と密に連携し、現場をよく知る必要がある。
1008
日本の社長は、昔は現場の意見をよく聞き、仕事を進めやすいように配慮した。現場は社長の期待に応えるため、あらゆる問題を考えつくし、確実にやり遂げるよう、各部署とも綿密に協議して計画し、有機的に動けるようにしていた。
しかし今の日本の経営者は、現場の声を「抵抗勢力」とでも思うのか。
1009
小泉ブーム以降、強いリーダーシップとやらが大流行、海外企業は決断が早い、日本は遅いと批判が続き、日本も決断を速める改革が進められた。その結果、組織全体で緻密に詰め、有機的に動け、臨機応変にも問題に対応できる柔軟さが失われた。欧米企業の劣化版になってしまった。
1010
決断の速さは事業遂行の速さとは限らない。日本企業は決断こそ遅いが、組織全体に認識が共有されてから動いているから、事業が確実に進められるという。ドラッカーは、この点、日本企業に見習うべきところがある、としている。
だがしかし。
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他方、トップダウンで決める企業の場合、確かに決断は速いのだけど、決められてから各部署への説明がなされるから「え?この問題が起きたらどうすんの?」という疑問も差し挟めないまま事業がスタート、案の定、現場がアタフタしながらやってるものだからトラブル続出、仕事が遅々として進まない。
1012
ところが。ドラッカーは意外な評価を与えている。確かに契約に至るまではどえらく時間がかかるのだけど、各部署の疑問が全部解けているので迷いがなく、企業全体が有機的に動き、不測の事態も織り込んでいるので臨機応変に問題に対処でき、納期を確実に守る仕事の速さ、確実さがあるという。
1013
それも、一度で済まず、違う部局の人間が一から話を聞きたがるので、何度も説明しなきゃいけない。なかなか契約に至らない中、一通りの部局が話を聞いた後、ようやく社長がお出ましになり、契約。ともかく契約までに時間がかかる。これがいわゆる「決断が遅い」という話。
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ドラッカーの「マネジメント」、確かエッセンシャル版だったと思うけど、日本型経営で面白い指摘が有った。
欧米企業はトップの決断が速く、すぐに契約に至れる。ところが日本企業はなかなか契約に至らず、イライラするという。いろんな部局の人間が話を聞きに来、「持ち帰って検討します」ばかり。
1015
今回、プーチン氏が「裸の王様」であったことが明らかになったことで、世界の潮流が変わるように思う。
このところ、専制的独裁的な国で元気な国が目立ち、日本でも「独裁が必要だ」なんて言葉が出るようになっていた。独裁への憧れが強まっていた。
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まとめました。
呪いを解除し、失敗を楽しむ|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
1017
私は新人指導の際、「うまくやれること」を目標に置いていない。失敗への恐怖という呪いを解除し、むしろ失敗を楽しみ、失敗をよく観察し、仮説を立て、新たな工夫を考える、という姿勢を身につけてもらうことを重視している。呪いを解除でき、失敗を楽しめるようになれば、当然仕事もできる。
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こうしたことを繰り返すと、失敗してもむやみに恐れることはなく、失敗したときはよく観察し、何が原因なのかを推定し、次はどうすればよいのかを仮説立てればよいのだ、という姿勢が身についてくる。すると、失敗しちゃいけない、という「呪い」が徐々に解除できる。
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「なんでこうなっちゃったんでしょうね?」と聞いても、たいがい、「わかりません」が返ってくる。そこで「ここ、どうなってます?」と着眼点を伝える。すると「こうなってます。あ、だからか!」と気づいてもらえる。「なるほど。ではどうしたらよいと思います?」と尋ね、仮説を立ててもらう。
1020
最初の1ヶ月は、危険がない範囲で、なるべくたくさん失敗してもらう。失敗したら叱られるという経験ばかりしているので、とても失敗を恐れる「呪い」がかかっている。私は「あ、そうなんですよ。皆さん方ここで引っかかるんですよねー」と言って、一緒に失敗の観察を楽しむ。
1021
私のところに来てくれる学生やスタッフには、まず「呪いの解除」から始めさせて頂く。ほとんどの人が、親や教師、指導者の言うとおり、指示通りに動かねばならない、失敗なんか許されないという「呪い」にかかっている。約1ヶ月ほどかけて、この呪いを解くことにしている。
1022
小さな子どものいる女性が働こうとするときの矛盾。
・4月から働くことが決まっていないと保育園に預けられない。
・4月から保育園に入れることが決まっていないと就職できない。
元の職場に復帰できるような、育休を認めてくれる大手企業勤めの方でもない限り、この矛盾、解消できない。
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まとめました。
学ぶことを楽しみ、敬意を抱きあえる社会に|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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私が勉強(※学びではない)するようになったきっかけは二つある。一つは両親が商売を手放し、家にお金が1100円しかないという状態の時に、8万円もする大ガラスを割ってしまったこと。「そんなの弁償できない、どうしよう」と母は泣き崩れた。私は部屋の隅でションボリ。
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研究用の試薬や物品を注文しても、「入手できない」という回答が非常に多い。半導体を使う機械はかなり深刻で、重さをはかる電子天秤みたいな簡単な機械さえ入手困難。半導体なんか使わないプラスチック製品も「納品できません」という回答。流通システムがきしみ始めている。