後に先生は 「今だったら『このヤギは今、幸せではない。実臨床の現場を想定して、患者さんに少しでも負担のかからない治療環境を整えていくことを念頭に、絶えず努力しないといけない』という答えが用意できる」 と語っています。 (人工臓器47巻1号 2018年)
その時、心理学者でもあったお父上は、狭いケージに固定され、胸にぽっかり空いた穴から真っ赤な血が流れる人工心臓をぶら下げたヤギを見て、一言こう聞いたそうです。 「このヤギは幸せなのか?」
私の祖父である先代が急逝した時も駆けつけてくださいました。 当時高校生だった私は「おじいちゃんは素晴らしい人だったよ」と声をかけられ、その時初めて祖父が早稲田で研究開発を手伝う傍ら、学生たちに図面の書き方などを指導していたこと、その中に梅津先生もいたことを知りました。
むしろ恥ずかしがって頑なに拒んでいるようでした。 たぶんオトナなら誰もが「せっかくの機会なのに!」とむず痒くなる場面だと思います。「そこに書いてあることを聞けばいいんだよ!」と。 質問を急かす両親に、BENは怒りを滲ませながら「聞きたいことはもう全部わかった!」と言いました。
「せっかくなんだからシェフに得意のペペロン食べてもらえよ!」「おい何黙ってんだよ!」「こんな機会なかなかないぞ!」 などと言われようものなら、 「うるせぇ!お前のだけ毎回コンソメ入れてんだよ!!頼むから黙ってろこのバカ舌!」とブチギレたくなると思います。(美味いんだけど)
私が梅津先生に初めて会ったのはおそらく生まれてすぐのことでよく覚えていません。 幼少期、何度か両親に連れられてご自宅にお邪魔しました。 電車好きでおしゃべり好きなたまに会う優しい人という印象で、その時はこの柔和な笑顔のおじさんがどんな方なのか想像もできませんでした。
その後梅津先生は、補助人工心臓の機能評価を動物実験に依存することなく、機械的に血液循環の様子を再現するための装置の研究を開始することになります。 こうして生まれたのが、安久工機が試作開発に携わり、後にBENが見つけることになる当社HPの「機械式血液循環シミュレーター」なのです。
先生は一通り見学が終わると講義室で質問タイムを設けてくれました。 私はBENがこの時のためにたくさんの質問を考えてノートにしたためていたことを知っていたので、さぞかし盛り上がるんじゃなかろうかと勝手な期待をしていました。 しかしなぜかBENは一向に質問をしようとしません。
そして今回ダメ元でお願いしたところ、梅津先生直々に早稲田大学の研究センターをご案内いただけることになりました。 それも、先生からの「Yahooニュース見ました。面白い小学生来るみたいですね。」と頂いたご連絡に乗っかってお願いした結果です。笑 本当にお優しい…頭が上がりません。
今後の続報はコンプライアンスとスッキリのバランスを考慮してお届けします。 ガチリアルタイムなのでゆーっくりだと思いますがご了承下さい。 自分としてはこんな有望な小学生君が当社に興味を持ってくれたことも喜ばしかったですが、無口な社長(父)が嬉しそうにニヤついていたのが印象的でした笑
私の父が50を超えて早稲田の博士課程に入学したのも梅津先生のお勧めがあったからです。 よりによってその年に急逝した祖父に代わって父が社長を継ぎ、なんとか経営と研究を両立できたのも梅津先生のお力添えがあったからに他なりません。 親子どころか私を含めたら三代でお世話になっています。
私は料理がささやかな趣味でよく友人を招いては食事を振る舞ったりしています。 そこそこ褒めてもらったりデキに驚かれたりもしてありがたいのですが、 もし悪友の一人が私をLA BETTOLAに連れて行って落合務シェフに無理矢理引き合わせ、 「シェフ!こいつの作るパスタめっちゃ美味いんすよ!」
せっかくだし、BENも喜んでくれるといいなぁ。 いろんなものを見て、たくさん吸収して、将来のモノづくりのタネにしてくれたらいいなぁと思います。 何がきっかけになるかなんて誰にも分かりませんからね。 そんなわけでせっせと包囲網を強化しながらBENが来ることを楽しみにしている毎日です。
そんな梅津先生は80年代にヤギを使った補助人工心臓の慢性動物実験を行っていました。 (余談ですが私の父も同じ研究所で一緒でした) 当時「動物実験がうまくいけばそのままヒトに使える」と思っていた先生は、実験が軌道に乗り始めたこともあって「そろそろ患者に使えるのでは」と考えていました。
世界最先端の医療機器を開発している自負があった先生は、ある日ご自身のお父上を実験現場に招き入れ、「どうだ、これが最先端の医療だ、すごいだろう。もうすぐヒトに使えるようになるんだ。」と自慢したそうです。 多くの失敗を克服してようやく辿り着いた技術に大きな自信を持っていました。
だいぶ久しぶりになってしまいました! 少しづつ更新していきたいと思います。
「 こ こ で 働 か せ て く だ さ い ! ! 」 さすがに笑いました。 テンパった私は「そ、それじゃ児童労働になっちゃうよ」などというワケのわからないことを口走っていました。 「今からお前の名前はBENだ!」 と返す余裕はありませんでした。
とかく私たちは「信頼」と「期待」を混同してしまいがちです。 子供を信じているつもりで過大な期待をかけ、彼らの一挙手一投足に一喜一憂し、まるで彼らの人生が自分の人生であるかのように境界を曖昧にしてしまいます。 彼らは言葉にできないまでもその歪みを敏感に感じ取っていると思います。
私にとっても学びの多い二日間になりました。 もし私に子供がいたとして、彼らの興味関心を最大限に引き出すために親としてどう向き合うべきか、という問いに対するヒントのようなものが見えた気がします。 それは「信じること」と「期待しないこと」の二つじゃないかな、と思うのです。
そんなこんなで中身の濃い1日目を終えました。 安久工機に帰ってきたBENはまだまだ話し足りなかったようでしたが、さすがに社長も疲れていたのでこの日はこれでお開きとなりました。 一応次の日の予定は自由行動としていましたが、BENの強い希望により終日安久工機見学となりました。
@BaneAbc16360 ついいましがた起こったガチのマジの実話です! 小3から人工心臓に興味があって"自由研究"のレポート作りたいと… 多分学校外の特別塾的なカリキュラムだと思いますが、それにしても小学生で心臓の弁の名前が出るとは。 すごいですよね笑
私は、子供が善良な人間である限り、自分の人生を生きて自分の選択をして欲しいし、それによるどんな結果をも幸福に変える強い人間になって欲しい。 そのために親としてできることは、この世界の選択の多さと深さを教え、経験へのアクセスをサポートすることしかないんじゃなかろうかと思います。
幼少期「あなたを信じているからね」と言われ、その度になんとも居心地の悪いモヤモヤを感じていつも目を逸らしていたことをよく覚えています。 当時はそのモヤモヤがなんなのか理解することも説明することもできませんでした。 でも今ならなんとなくわかるような気がします。
うぉーい!BEN! 日経さんの記事になっとるじゃないか! がんばったなー!鼻が高い! グーテンベルク @gutenberg_3D は今まさに君の研究用のパーツを超速で印刷してくれてるぞ! みんなで応援してるから、あきらめずに突き進めよー! style.nikkei.com/article/DGXZQO…
個人やモノづくり初挑戦の方が町工場に見積もりを依頼する時、一番高くなる頼み方と一番安く(適正に)なる頼み方の話です。 町工場の当事者が言うのもどうかな…と悩みますが、モノづくりに関わる全ての方々にハッピーになっていただきたいので。  ※以下、あくまで“傾向”です※