Nahoko Tokuyama(@NahokoTokuyama)さんの人気ツイート(古い順)

26
ちなみにですが、スローロリスの似たようなポーズも嫌がっている威嚇のポーズです。表情にでない動物もいます。人間からみて楽しそうでも、動物がそう感じているとは限らないということは、心に留めておくのがよいかと思います。 m.huffingtonpost.jp/2016/07/03/inm…
27
霊長類のショーについて「動物をより身近に感じることで保護したいという気持ちになるだろう」という意見があります。これを検討した研究があります。 Ross et al. (2011)では、チンパンジーが様々な条件にいる写真を合成で作成し、ランダムに一枚を1203人の被験者に見せたあと質問をしました。(続) twitter.com/tokiwazoo/stat…
28
また、「人と一緒にいる」写真を見た被験者では、「チンパンジーだけ」の写真を見た被験者よりも、「チンパンジーはペットとして魅力的」と答えた割合が30%増加しました。(続)
29
その結果、「人と一緒にいる」写真を見せられた人は、その後の質問でチンパンジーは「絶滅危惧種ではない」と答える割合が35%増加しました。(被験者は実験の目的を知らされていません)(続) *添付の図はRoss et al. 2011に日本語訳挿入
30
さらに「人の居住空間」「森」「動物園」「白背景」という写真の背景での違いを検討したところ、「人の居住空間」にチンパンジーがいる写真を見た人のみ「チンパンジーは絶滅危惧種ではない」と答える割合があがりました。(続) *添付の図はRoss et al. 2011より
31
論文はこちらjournals.plos.org/plosone/articl… こちらの別の論文ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…では同様のことを動画で検討しました。実際に企業が放送したチンパンジーが出てくるCMが、視聴者の保全についての理解にネガティブな影響を与えることを示しています。(終)
32
これらの結果から、メディアなどでチンパンジーが「人と接する」「人の住む環境にいる」姿を見てチンパンジーを身近に感じることはあったとしても、それは絶滅危惧種としてのチンパンジーへの理解を歪め、保護活動へつながらないどころかネガティブな影響を及ぼすということが分かります。(続)
33
こんなしょぼい(と言っては失礼ですが)合成写真でもこのような効果が見られました。これが実際に目の前で繰り広げられるショーや、チンパンジーが人のように振る舞う様子を見せるテレビ番組やYoutubeの動画だった場合、一体どれほどの影響力があるでしょうか?(続)
34
(追記)すでに「チンパンジーは絶滅危惧種」とはっきりとした知識を持っている人に対しては、効果は見られないでしょう。特にそれまで関心のなかった人で認識の違いが出てくるのだと思います。
35
(さらに追記)面白いのは、同じ飼育という条件でも「動物園」と「人間の居住空間(オフィスなど)」では明確に結果が異なり、動物園での写真では保全への認識へのネガティブな影響が見られなかったというところです
36
これはチンパンジーでの研究ですが、他の動物でも同じでしょう。SNS時代の今、動物園や研究者も発信の内容には十分に注意しなければならないと思っています。時々、動物園はおそらく真意とは反したメッセージを発してしまっているなぁと思うこともあり歯がゆく思います。 twitter.com/NahokoTokuyama…
37
ドラム缶を叩くとすごい音が出ることを発見したチンパンジーが、群れの底辺から一気に順位を上げた話を思い出しました。タンザニアのゴンべで、グドール博士が観察を始めた初期の話だったと思います。 twitter.com/noahsun_bird/s…
38
絶滅危惧種にも関わらず、母親から引き離されてエンターテイメントに利用されているチンパンジーを、行政が利用し、それをメディアは好意的に報じるのですか? ショーに使えるのは子供だけ。その後数十年はチンパンジーにも上手く溶け込めず、人とも触れ合えず過ごします(続) news.yahoo.co.jp/articles/59848… twitter.com/asahi/status/1…
39
大人になったチンパンジーはとても力が強く、人とは触れ合えません。引退後のパンくんは志村さん宮沢さんと直接触れ合ってはいませんね。大人のチンパンジーは、人とはハグできないのです。かといって、子供の頃に「作法」を学んでいなければチンパンジーの中にも上手く溶け込めなくなります。(続)
40
数十年前まで、大型類人猿のショーは複数の動物園で行われていました。今は一つの施設だけです。ショーのために母親から引き離しヒトのように振る舞うことを教えこまれることは、そのチンパンジーが大人になってからの生活に大きな悪影響を及ぼすことが分かったからです。他はみんなやめたのです(続)
41
しかも、プリンちゃんは母親の育児放棄ですらなく、ショーのために引き離された疑惑が濃厚です。(私を含め、多くの類人猿研究者や飼育関係者の目から見て) saga-jp.org/ja/news/2015-1… forest-music.at.webry.info/201510/article…
42
母親が上手く育てられずに人工保育になる赤ん坊はいます。しかし、動物園ではなるべく早い時期に母親に戻すために多大な努力をします。母親が拒否する場合でも、群れの仲間とのお見合いを繰り返し、離乳したら群れ復帰させます。それがその子の将来のためだからです。city.sapporo.jp/zoo/topics/top…
43
番組が終わって、次の番組の様子が分かるまでは黙っていようと思ったのですが、ニュースを読んでしまったので。。。 プリンちゃんはあと数年で引退でしょう。その時、新たな子が母親から引き離されないために。
44
考えてほしい、#プリンちゃん のこれからのこと。#パンくん の今とこれからのこと。いくら今が楽しくても、人と触れあえるのは子供のうちだけ。 #志村どうぶつ園 #チンパンジー #志村どうぶつ園最終回 twitter.com/NahokoTokuyama…
45
何度か指摘してきましたが、チンパンジーにはコロナが感染する可能性が非常に高く、他の動物園や研究施設が感染させないように非常に気を使っている中、この企画は残念としか言いようがありません。 go.nature.com/35q8MQI ↑類人猿やサル類にコロナが感染する可能性が高いという論文の一つ twitter.com/minnano_zoo_nt…
46
コンゴでは毎回調査期間が終わって帰るとき、「お前との別れを惜しむためだ」とサヨナラパーティーを自ら開催することを求められ、ヤギやブタを自腹で購入します…研究費で支出はさすがに試したこともありません。 一万円かからないくらいで、複数の研究者がいれば割り勘します。 twitter.com/notumimatsu/st…
47
IUCNによる、「霊長類との適切な画像配信のためのガイドライン」が公開されました。要点を言うと、「霊長類と触れ合うのはよいこと」いう印象を与えかねない画像を、霊長類の保全を考える立場の人間・組織から積極的に発信してしまうのは避けましょう、ということ。human-primate-interactions.org/wp-content/upl…
48
具体的には、 野生の霊長類と人が一緒に写っている写真を公開する場合は、7m以上離れていることが明らかなものにしましょうというものや、サンクチュアリや動物園では、飼育者に抱かれている写真ではなく、霊長類同士で写っている写真にしましょう、など。
49
絶対何かありそうだったけど、ミネラルも別に他のとこより高いわけでもなく、「誰かが食べたとこから食べたい」ということから「土はここから食べる」という習慣が始まったようでした。jstage.jst.go.jp/article/psj198… そういうこともある…
50
ダーウィン見てて思い出したのですが、卒論のとき嵐山モンキーパークのニホンザルがみんな同じとこから土を食べるので大きな穴になってて、この場所の土に何かあるんじゃ?と先生に聞いたら「同じこと思った人が徹底的に栄養分析したけど何も出なかった、(研究は)やめとけ」と言われました。