utatane(@utatane1943)さんの人気ツイート(古い順)

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先日の本田秀夫先生の研修メモ✏️ ASDとADHDが重複すると、互いの特性を打ち消し合って薄く見えることがある。すると、本人の中では強くこだわりたいんだけど、集中できないという二重の苦しみが生じる。周囲からは特性が薄く見えるので、本人が感じるしんどさに気づきにくい。これ、わかり過ぎて辛い。
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人はなぜ依存症になるのか📝 依存症の本質は、快感(正の強化)ではなく、苦痛の緩和(負の強化)にある。 快感は飽きる。人間はとても天の邪鬼で飽きっぽい生き物。どんな気持ち良いもの、美味しいもの、楽しいことも、毎日提供されて当たり前になると飽きてしまう。でも苦痛の緩和は飽きない。
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ずっとコンプレックスに感じてきたこと、悩んできたこと、痛みや苦しみ、つらい感情を遠ざけて、自分が自分であり続けるために、苦痛の緩和は必要不可欠で手放せないものになってしまう。薬物を使用するのは、その依存症の快感が忘れられないからではなく、何とかやめたいと思っているんだけど、
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やめている状況が辛く、苦痛を緩和したくて使っている。依存症が成立する背景にある、つらい感情、自信のなさ、孤独・孤立、つらい関係(DVなど)などに何とか耐えるために、つらい気持ちだけを遠ざけて何とか維持している。(松本俊彦先生) この自己治療仮説は、日々の臨床にも役立つ重要な考え。
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お酒や薬物だけでなく「行動」の依存症も同じ。ギャンブル、過食、買い物依存。多くの人にとって意味のないもの、でも一部の人にとっては意味を持ち、振り回されてしまうのはなぜなのか。それらに対しても、快感(正の強化で)はなく苦痛の緩和(負の強化)という視点から理解することが大切。
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ホームレスの人たちを「異文化」「クリエイティビティ」と表現する人たちは、以前「コロナ禍でスポーツ観戦が出来ない代わりに医療従事者の人たちに密着してのっぺりした僕らの日常に刺激が欲しい」と言っていた糸井重里氏の感性に通じるものがある。これを本当に「無邪気」で済ませていいのかな。
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子どもが一番よく分かっている。例の記事がどうであれ、この子どもの本質的な疑問にきちんと答えられる社会でありたい。例の記者のように、「ホームレス人生ゲームを作ろう」なんて悪ふざけで取材したり、「多様性」「異文化交流」と誤魔化したりするような大人の姿を子どもたちには見せたくない。 twitter.com/utatane1943/st…
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「一人っ子はきょうだいで言い合う経験がないから、キツいことを言われることに慣れてない」という話を聞いて。たとえ家族であっても言っていいことといけないことがある。家庭の中で、そんな風に他人に心理的境界を踏み越えられることに慣れて欲しくないし、それは決して"社会性"ではない。
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中井久夫先生曰く、いじめかどうかを見分ける最も簡単な基準は、「立場の入れ替え」があるかどうか。当人同士がいくら冗談やふざけ、遊びと主張しても、そこに立場の入れ替えが不可能な支配関係や、周りの子たちに「自分じゃなくてよかった」という安心感が存在する限り、それは間違いなくいじめだ。
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いじめは、他人を支配し、言いなりにすることで、「孤立化」「無力化」「透明化」へと進んでいく。被害者は「自分は被害者だ」という自分の最後の拠り所さえ奪われる。周りの「見えているのに見えない」透明化が一番怖い。被害者を絶望させずにSOSをキャッチする心ある大人たちが増えますように。
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子どもの自殺について考える時、「一番助けを必要としている子どもほど大人を信頼しておらず、人に助けを求めない」という松本俊彦先生の言葉を思い出す。傷つきを抱えた子どもの援助希求能力を高めるためには、子どもにとって「信頼できる大人」になるにはどうしたら良いのか?
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信頼できる大人になるための2つの条件。 ①子どもの問題行動をいきなり叱りつける前に、まずは冷静に理由を聞こうとする姿勢。 ②問題を決して抱え込まず、気軽に相談できる専門家やその他の援助者のネットワークを持っていること。大人も孤立しておらず、高い援助希求能力を持っている必要がある。
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「自殺リスクの高い子どもの背後には自殺リスクの高い大人がいる」(Pfeffer,1986) 子どもの自殺予防のためには、さまざまな困難を抱えた家族全体を支援する、という視点が大切。誰も独りぼっちにさせない社会作りでもある。 「もういい加減、大人目線、親目線、教師目線の自殺対策はやめにすべきだ」
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以前、松本俊彦先生が「自殺予防に必要なのは"三密"と"不要不急"ではないか」と言っていたことを思い出す。健康に楽しく、周りの人たちと出会い、語り合うこと。笑うことがどれほど人間にとって本質的な活動であるか。社会と人間性、私たちの最も貴重な資産。"不要不急"が果たす役割は大きい。
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"不登校になれる子は家に居場所がある子。自分の危機に際して不登校を選択できる子どもは、「挫折した自分を親は見捨てない」という確信を持っている子どもである。" 大河原美以『子どもの感情コントロールと心理臨床』より。不登校が起こる理由は色々だけど、これだけは保護者に伝え続けたい。
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「子どもに発達特性がありそう」 「保護者も発達特性がありそう」 そうやって何でもかんでも特性の問題にして、分かったつもりになる見立てもどきはうんざりだ。これからどう面接していくのか、相手の生活をどう支えていくのかを考えることが大切で、特性云々なんて専門家じゃなくても誰でも言える。
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子どもの混浴問題。女児に限らず男児にとってもプライベートゾーンを「見る・見られる」等、性的刺激に晒される環境は避けるべきで、文化や価値観の違いはあれど、公的に7歳を区切りにするのは合理的な判断だと思う。これは「女性のお気持ち」の話ではなく、子どもの人権を守るための話。
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【中井久夫先生の精神健康の基準】 (抜粋) ・たくさんの自分がいて当たり前と思える ・世の中の矛盾(両義性)を当たり前と思える ・即座に解決を求めない、未解決のままでいられる ・嫌なことは嫌と感じられる、後回しにできる ・1人でいられる、2人以上でも自分らしくいられる ・疲れを感じられる
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今の私にとって「疲れを感じられる能力」はとても大切。身体感覚(身体の内と外に起こる変化)を感じ取ることができなければ、自分も他者も守ることができない。 「対人関係の数だけ人格がある」というサリヴァンの言葉があるように、たくさんの自分がいて当たり前で、不器用な自分こそ大切にしたい。
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【中井久夫先生の精神健康の基準】 (抜粋②) ・秘密を話さないでいられる、嘘をつける ・「ま、いいか」と思える ・しなければならないという気持ちに対抗できる ・いろいろな角度からものを見る ・あの手この手を考えられる ・妄想(空想)できる、独り言できる 時々見返して、自分の健康を守ろう。
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NHKでムーミンのニンニの話をやっている。心の傷(虐待)によって姿が見えなくなった女の子。 ・まずは気持ちを落ち着かせる。 ・居場所を知らせたくない時は、鈴をつけなくて良いと尊重する。 ・相手の気持ちに耳を澄ませることで「声」を取り戻す。 ムーミンママたちの関わりがとても治療的。
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原作では、ニンニはムーミンたちとの関わり(安全・安心な生活)を通して徐々に姿を取り戻していくのだけれど、顔だけがなかなか見えない。そしてニンニが怒るという気持ちを取り戻した時、ようやく顔が見えるようになる。ニンニが「自分」を取り戻していく過程は心理療法とよく似ている。
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ニンニの回は、令和版も良いけど、やっぱり『楽しいムーミン一家』(1990)が名作。 ムーミンママのあたたかさにグッとくる。 心を通わせるとは、こういうこと。 第9話「姿の見えないお友達」 m.youtube.com/watch?v=i9Zh4U… 第10話「笑顔が戻ったニンニ」 m.youtube.com/watch?v=L51hGV…
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人は、存在を否定され続けると「透明化」する。ニンニは薬ではなくムーミンたちからのあたたかいケアによって身体を取り戻し、「私はここにいるのよ!」と叫ぶことで声を取り戻す。そして安全な場所で、安心して怒り(悲しみ)を表現することで顔を取り戻す。その回復過程の描き方が秀逸。 twitter.com/utatane1943/st…
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中井久夫先生曰く「成熟とは、自分が大勢の中の一人であり、同時にかけがえのない唯一の自己という矛盾の上に安心して乗っかっていられること」。対人援助職が鬱々とする時は、この矛盾をうまく抱えられない時だ。決して驕らず、自己卑下もしないこと。 #成人の日