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「ゲイでいるより、独裁者でいる方がマシだ」。得票率80%で6期目を確実にしたベラルーシ現職大統領アレクサンドル・ルカシェンコ。メディアと労働組合を支配下に置き、反体制派を弾圧してきたヨーロッパ最後の独裁者の半生。
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「入院している人々は全てを失った。ペットと再会させてあげられたら喜びを与えられる」。大爆発で崩壊したベイルートの町で、迷子になった動物たちを収容し、飼い主を探し出す活動が行われている。
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「香港人としてこの民主化運動に参加して良かったと思う」。「香港のジャンヌ・ダルク」、「民主の女神」と呼ばれた香港民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏が、国家安全維持法違反の疑いで香港警察に逮捕された。若き民主活動家の軌跡をBrut.が描いた。(2019年9月配信)
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亀裂から燃料が流出、船体が真っ二つに割れる危険性も。モーリシャス諸島沖に座礁した商船三井が運航する大型貨物船わかしおには、事故当時約4000トンの燃料が積まれていた。エメラルドグリーンの海を守るために、島民たちは漏れた重油の回収を始めている。
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「もう我慢できない。本当に限界なのです」。少女は泣きながら叫んだ。失業率35%、国民の半分が貧困状態にあるレバノン。政治汚職と経済破綻ですでに瀕死の状態だったレバノンは、ベイルート港爆発事故でカオスと化した。政府に対する国民の怒りと憤りは頂点に達した。
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「この市民活動は希望を与えてくれる」と、町の再建のために活動する青年は言った。ベイルート港で発生した大爆発以降、レバノン政府当局の復興支援は全く機能していないと言う。腐敗した政治と経済破綻により未来を失った若者たちが、故郷ベイルート再建のために立ち上がった。
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「青白い光が窓の外に見えて、自分の体が空中に浮き上がっているような感覚でした」。サーロー節子さんは、数少なくなった広島原爆生存者の一人。2017年、彼女が所属するICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)はノーベル平和賞を受賞。現在カナダ在住。
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深夜の暗い帰宅路を一人で歩く時は、女性にとってとても不安になる瞬間。アメリカ、フランス、スペイン、日本など世界の女性たちに、一人で自分の身を守るために、どんな対策を考えているのか聞いてみた。
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「体型に関わらず尊ばれるべき存在で、愛情に条件は要らない」。プラスサイズモデルの吉野なおさんは幼少期から自身の体型に悩み、17歳の時に摂食障害を患った。障害を克服した現在、自分らしさに自信を持つ「ボディ・ポジティビティ」のメッセージをSNSで発信している。
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投票権、郵便投票、不在者投票、不正、投票妨害…。投票前から様々な用語が飛び交う米大統領選挙。二人の大統領の間には、民主的な選挙について根本的な考え方の違いがある。
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2018年、本選挙での得票率78パーセントで米史上最年少の女性下院議員となったアレキサンドリア・オカシオ=コルテス。NYブロンクス生まれ。大学卒業後は学生ローン返済と家計を支えるためにバーテンダーとして働いた。貧困に喘ぐマイノリティーや労働者たちのために戦うAOCの半生。
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米公民権運動を率いたジョン・ルイス下院議員の葬儀で、バラク・オバマ前大統領が弔辞を述べた。トランプ大統領によるデモ隊鎮圧への連邦職員投入や、マイノリティーや学生有権者への投票妨害を真っ向から批判。権力の暴走から民主主義を救うため、故ルイス氏の信念を受け継ぐよう述べた。
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「ダッシュで本を持ってきてくれた方々がいて、心に突き刺さりました」。14歳の熊谷沙羅さんは、本を読みたくても、購入できない人々のために、多摩川沿いに屋外図書館を開いた。そこで出会ったのは、本を手にするためだけでなく、快く活動に協力してくれる親切な地域社会の人々だった。
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「ナイフを鯨の脊髄に突き刺し、海が血に染まると、なぜか鯨たちは互いに寄り添って逃げようとしない」。デンマーク・フェロー諸島で毎年行われる鯨の追い込み漁「グリンダドロップ」。環境保護団体は「欧州最大の海洋哺乳類屠殺」と非難し、漁の参加者たちは「自国の伝統」と豪語する。
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「シベリアだけでなく、地球全体にとって危機的状況だ」。今年初めから現在も続くシベリア森林火災の原因は地球温暖化による記録的な熱波。森林火災はさらなる温暖化ガスの発生を引き起こし、永久凍土の溶解により氷に閉じ込められていた未知のウイルスやバクテリアが大気に放出されることになる。
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私たちは自分たちが購入するものに注意しなければならない。中国新疆ウイグル自治区は新疆綿と呼ばれる世界有数の綿の産地。中国綿の8割以上がウイグル自治区で生産されているが、ウイグル人労働者たちは中国当局の監視下で過酷な労働条件を強いられているという。
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引き裂かれたジーンズを性暴力を訴えるシンボルに。性暴力やレイプ被害を経験したティーンエイジャーたちが、撮影編集アプリTikTokを使って被害体験を告白。被害当日に着ていた洋服を片手に加害者たちに話しかけることで、暴力的で酷い経験に恥じるのは被害者ではなく、危害を加える側だと訴えている。
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「妻や娘を持つことは、立派な男性である証拠ではない。尊敬と品位を持って接する人が立派な男性なのです」。共和党議員に「この阿婆擦れ」と汚い言葉で罵られたアレクサンドリア・オカシオ=コルテス民主党議員。彼女は尊敬と品位を持って、見事そして痛快なまでの反論演説を展開した。
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米ポートランドに派遣された連邦職員たちは軍隊並みの重武装で市内に出動し、平和的なデモ隊を容赦なく連行した。さらに彼らは、裁判所や税関など公的施設の警備をする職員たちで、所属や身元を示すIDバッジも掲示していないという。
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「自分は人を変える時、笑いとか面白さとか楽しさで変えたい」。アフリカ・カメルーン生まれの漫画家・星野ルネさんは、海外にルーツを持つ日本人が自然に受け入れられる社会を夢みる。多様性(ダイバーシティ)は人間の豊かさであることを、漫画を通してコミカルに伝えている。
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汗だくでマスクもなし、そしてなぜか防弾チョッキを着用・・・。今年11月の米大統領選に出馬する意向を表明している歌手のカニエ・ウェストが、サウス・カロライナ州チャールストンで初の選挙集会を開いた。黒人問題、中絶、薬物問題などについて涙ながらに語った選挙演説のハイライト。
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「柔道の父」嘉納治五郎は、女子柔道の発展には女性指導者が必要と考えていた。しかし日本の柔道界は「男性中心の社会を受け継いできた」と、五輪出場経験を持つ女性柔道家たちは語る。東京五輪は日本の女子柔道にとって初めての自国開催。日本代表チームの監督には男性が選ばれた。
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フランスの和食レストランで毎日捨てられるサーモンの皮は、一年で合計4トン以上に及ぶという。革製品に使用される動物や爬虫類の多くは、原料確保のために人口飼育されて殺される。動物皮革の代用品として注目されているのがサーモンの皮。伝統的ななめし革の技術を使った工程を取材した。
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国家安全維持法が施行された香港では、早くも中国政府当局による言論統制と抗議集会の排除が始まった。中央政府に対する批判や抗議を禁止された市民たちは、白紙やポスト・イットを使って「無言抗議」を続けている。政治的なメッセージを一切述べていないにも拘らず、政府当局は抗議者たちを排除した。
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【フランス:19歳の村長さん】
フランス南部にある人口450人の小さな村ヴァンズィユーの村長は…なんと19歳。ユーゴ・ビオレーは政治学を学びながらヴァンズィユー村の村長として5月から公務に就いている。生まれ育った村の発展のために、大人たちに混ざって奮闘する青年村長を取材した。