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使命感はあるのにうまくいかないこと、どうかわかってほしいこと、俺は君を嫌いなわけでも恨んでいるわけでもないんだ、ただ日本人というものが邪悪な存在だということに君も気づいてくれたら、きっと世の中はもっと良くなる、人生を正しく送ってほしい、先生たちは正しい人の味方だからね――。
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数学の先生は辞めなかったし代わらなかったし、謝りもしなかった。次の授業から生徒いじりは控えめになったが、相変わらず廊下でわたしとすれ違うと「大豆くさいぞ」などとつぶやいていた。結局わたしにはなにも変えられないし、ボールペン一本じゃ世界は変えられないと思って迎えた学校最後の日。
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数学の先生が評価表コメントより長い手紙を渡して来た。
自分の親戚が真珠湾で日本人に殺されたこと、日本人は野蛮なこと、神風特攻隊なんてものを思いつく日本人は世界のためには生きてちゃいけないと思うこと、それでも生徒として預かったからには教育して鍛え直して正しい方に導いてやりたいこと、
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もともと非力なのでボールペンにもそんなに威力はなく、血とかそういうものも大して出なかったが、先生は「これだから日本人は!俺は悪くない!」と叫んだ。その瞬間わたしの近くにいた親日派の男子が立ち上がって「先生が悪い!先生が悪い!」とコールをし始め、その日初めて先生が悪いことになった。
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(ほかにいくらでもやりようがあったろうに、その瞬間のわたしは本当にそのようにしかできなかった。そして余談だが、自傷したのは後にも先にもその一度だけで、それゆえ「人が自傷や自爆する時はキャパを超えた困り方をしている」という想像を働かせられるようになったのが思わぬ副産物だった)
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脱いだら脱いだで「英語を聞き間違えたんだろう」と言われるのは目に見えていた。脱がなければ脱がないで「反抗的な態度だ」とさらに場を巻き込むだろうことは容易に想像がついた。わたしは本当に窮してしまって、ボールペンを掴んで自分の手の甲に突き立てた。
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淡々と目の前の災厄をやり過ごしては生き延び、手の届く範囲の人々と手を取り合って愛して暮らす。子どもにできるのはせいぜいそれくらいなものなのに、わたしは服を脱げと言われて、己の力不足を恥じた。わたしは彼の暴言を止めることもできず、そして彼は後に続く日本人を痛めつけ続けるに違いない。
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”どのくらいの屈辱を我慢したら、誰かに、立派な日本人だって褒めてもらえるんだろう。何度この悔しい時間を繰り返したら、こんな馬鹿な人たちからジャップと侮辱されなくなるんだろう。わたしがあと何を耐えれば、教室という名のこの世界は、平和で理解に満ちたものになるんだろう”
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そう考えたわたしは年相応に幼かった。どんなに正しく暮らしても、人生に闖入する敵がゼロになることはなく、差別は消えず、啀み合いはなくならず、"この数学の教師"がいなくなることはない。それに差別に抗っても、別に光栄な式典に招かれるようなことにはならない。差別は社会に織り込み済みだから。
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先生は初めの頃は「気味悪い字を書いてないで問題を解け」と言ってきたが、わたしが無視していたらそのうち構ってこなくなった。
学期末のテストの日、わたしが今日ばかりは仕方ないから回答しようと着席すると、先生はドタドタと歩いてくるなり青い瞳でわたしを見据えて、「服を全部脱げ」と言った。
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わたしは耳と自分の語彙力を疑った。クラスを見渡すと、みんな下を向いてクスクス笑っていた。先生は続けた。「日本人は真剣勝負の時に変なパンツ一丁になるじゃないか。相撲レスラー知ってるだろ?お前も日本人ならああやって真剣さを演出していいんだ、誰も止めやしないから」
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考えて導き出した答えが正しければ「日本人だからできて当たり前」と評され、間違っていればここぞとばかりに先生が悪ふざけをする。そして「英語が下手だから」という理由で、100点を取ったところで成績はいつもBマイナス。数学の時間、わたしは授業に参加するのをやめた。
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黄色のレポート用紙にボールペンで日本語を書き殴った。湧いて出る気持ちを言葉に託して書いて書いて書き連ねた。言いたいことはたくさんあったがそれを伝える英語力がないのは確かだったから、周りの誰に宛てるわけでもなく、文句からなにからすべてを叩きつけるように一心不乱に書き続けた。
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その数学の先生は、日本人が嫌いなようだった。はっきりとはそう言わなかったが、たかだか14歳のわたしでも、歓迎されていないことは感じていた。彼はいい歳だったが振る舞いは幼く、「日本人は九九がインストールされているんだから電卓要らないだろ」と言ってわたしから取り上げてみたり、
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わたしが答えを間違えると、「トヨダが数学間違えることなんてあるんだな。いや、君はホンダだったっけ?」と戯けてみたりしていた。わたしは辟易していたが、クラスのほとんどの子は「くだらなーい」と大げさに嘆く素振りをしつつも、彼の冗談に好意的だった。わたしの成績は、段々落ちていった。
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自分の要介護状態を把握せず、子どもに及ぶ迷惑を認識できない愚かな大人も。介護を子どもに委ねて憚らない図々しい大人も。「子どもがいるから死ねない」と感情に走り誤認する大人も。まだまだいるので、#ヤングケアラー を見かけたらほんと介入してくれ、誰でもいいからその家から分離してあげてくれ twitter.com/nhk_seikatsu/s…
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すでに死なせてしまった母親を叩いても、育児の大変さを詳述する母親を黙らせても、この国の育児を取り巻く過酷さは改善されないよ。
この文脈においては現場を知らない人ほど饒舌に正義を語るけれど、児童虐待のニュースは「あなたたちが義憤でエクスタシーを感じるための道具ではない」です。
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「育児を放棄してもいいから命だけは奪うな」という意見は現場を知ってたら言えない。メインの監護者が育児を5分でも放棄したら赤ちゃんは死ぬ。育児を放棄することが殺すことに直結する。安全に託せる相手がいたら「育児を休み休み続ける」という選択肢も生まれる、でもそれができないから事件になる
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児相に電話しても「まだ手をあげていないなら」「精神科へ行け」と言われるじゃないですか。
もうだめだ、親失格だ、手放すから無事に育ってくれと願ったところで、「赤ちゃん引き取ります」なんて福祉は言わない。そもそも新生児の母親に「一晩眠る」という選択肢があれば殺すまで追い詰められない
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続きです。「救急車を呼ぶ」案も複数いただいております。実体験から申しますと、「救急車は要請に応じてくれることもあるが、赤ちゃんごと受け入れてくれる病院が稀有」です。わたしは「赤ちゃんは病院の外で待機。それが無理なら来ちゃダメ」と電話で救急受付に言われて受診を断念しました。
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支援センターにお勤めの方には大変申し訳ないですが、実際問題として「今すぐ助けが必要」と訴えた時に「では面談のご予約を」と答えるフローが組み込まれている限り、この設問の母子は助かる前に諦める可能性が高いです。支援センターにSOSはよっぽどなので、よっぽどと捉えていただけると嬉しいです
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はい「支援センター」ありがとうございます、正答のひとつですね。そして「泣きながら」と書いておられるココ大事ですね。緊迫感ないとリアクションが「大変ですね、予約してくださいね」になります。
A. 泣きながら支援センターに電話して今すぐ赤子を預けたいので方法を教えてくださいと訴える twitter.com/dakara1013/sta…
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《問》
日本のA市に、母親と、生後半年以上1年未満の乳児がいます。この母親が今すぐこの子を2〜3時間預けたいと考えた場合、実現するにはどうすればよいでしょうか。尚、この母子に親族はおらず、近所に知己もいません。また、母親は高熱を出し嘔吐したためシッター派遣会社には派遣を断られています
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仕事は充実しているし職場には恵まれたと感謝している。ただ「保育園の延長を予約すれば残業できるんでしょ?」という上の人の認識に対しては「その残業により子どもと過ごす夕食が一回消え、『自分だけ延長』と子に心細い思いをさせ、信頼リカバリにコストが発生する」のは何度でも申し上げていきたい