1
この先の患者さんの人生、植物人間のまま誰にも面倒を見てもらえず、帰る先も見つからないまま生き続けることになる。これはご本人にとって幸せなのかな?と考える時がある。救急病棟で働いていると、救命する事が "良いこと" だけでは片付けられないような気がしてならない。
2
家族も見つからず、連絡が取れないため手術の同意も得られない。このままでは、亡くなってしまう。そして時間が経ち、やっと連絡が取れた際には「縁を切っているので、二度と連絡してこないで欲しい」と言われた。病院長の判断で、手術をする事になったが、意識は戻ってこなかった。救命はできたけど、
3
救急車で運ばれてきた患者さん。道端で倒れており意識不明の状態。救急隊からは「身元不明の方です」と伝えられた。救急外来には、身分証明書も持っておらず、運ばれてきてもどこの誰だか分からない状況で搬送される事が時々ある。この方は、緊急で手術が必要になった。しかし、身元が分からないため
4
涙が出た。看護師という仕事は、人の長い長い人生の最期の一場面に関わらせてもらう仕事。それからは、最期に関わった人が、私で良かったと思ってもらえるように、"面倒くさい"という気持ちが出てきたら、この患者さんのことを思い出し、出来る限りの看護を提供するようにしている。
5
暖房を入れ、退室しようとした私に「ありがとう」と言ってくれた。その30分後、急変し亡くなられた。患者さんの長い長い人生の最期の言葉が「ありがとう」だったのに対し、この方の最後に関わった人間が、"面倒くさいな"と思い、暖房だけで済ませた私だった。私は自分の冷たさが、ただただ情けなく
6
今でも後悔している事がある。看護師6年目の冬。「ちょっと寒い…」と高齢患者さんからのナースコール。私はその場で病室の暖房を入れた。電気毛布を取りに行く事も出来たのに、それをしなかった。なぜかと言うと、電気毛布を取りにいくのが「面倒くさいな」と思う気持ちがあったからだ。
7
心臓マッサージって、心臓を再び動かすためだけにやってると思われがちですが、本当の目的は、"心臓が止まってる間、脳や全身に血液を送るため"にやっています。脳って酸素がないと、脳細胞がダメージを受けて死んじゃうんです。そしてダメージを受けた脳は復活しないのです。脳には、呼吸をしたり
8
して電気ショックを与えてくれるので、目の前で誰かが急変した時には、やっぱりAEDは必要なんです。少しでも多くの人に知ってもらえたらいいな。
9
実は、電気ショックやAEDは、重症な不整脈が出ている場合に使用するものなのです。心電図がピーっとなってる時は、ひたすら心臓マッサージをして薬剤投与を繰り返すしかないんです。じゃあAEDは不要では?と思うかもしれませんが、AEDは重症な不整脈が出ているか、心電図がピーっとなっているかを判断
10
「心臓が止まったら、心臓マッサージと電気ショックもしてください」と言われた高齢患者さんのご家族。これ、知らない方も多いかもしれないけど、昔ドラマのワンシーンでもあった、心電図が「ピー」っと平坦になって、電気ショックをして心臓が動き出すシーンですが、実際の医療現場ではしていません。
11
22時頃、救急外来で亡くなられた患者さんの対応をしていた。寝台車のお見送りをして病棟に戻ったのは、深夜1時を過ぎた頃だった。勤務終了のため、私を待ってくれていたスタッフ達に「お待たせしました」と伝えると、霊感のある先輩が「あなた、何連れてきたの!?」と言ってきた。ゾッとしながら、
12
「身長が高い男性がいい」多くの女性が口を揃えて言う理想の男性。でも、ちょっと待って。寝たきりで介護が必要になった時、体が大きい相手の寝返りを介助したり、車椅子に抱えて乗せたりするのってかなりキツイ。人生100年時代を考えた時、小柄な男性の方が身体に優しいと最近思う。
13
今までで一番困難を極めたのが "義眼"だった。患者さんは意識がなく、ご家族もやり方は分からないと言う。初めての経験だったため、ネットで調べながら試みるも全然外れなかった。看護師って、色々なスキルを身につける必要があるなと実感した出来事だった。これでまた経験値がUPした気がする。
14
「取ってもらってもいいですか?」事故で救急車で運ばれてきた女性。耳の軟骨にピアスをしており、検査のためピアスを外さないといけなくなった。しかし、手が痛いため、外して欲しいと希望された。軟骨ピアスは初めての経験。軟骨の裏に手を入れて、本体とキャッチの部分を外そうと試みるも外れない。
15
ある病院では、"院内交番"というものがあり、警察のOBの方が配属され対応されているところもあると聞く。多くの病院では暴言・暴力への対応マニュアルはあるけど、もっと、迅速に相談や対応ができるような対策を取って欲しいと思う。じゃないと、看護師はどんどん辞めていっちゃいます。
16
「そんなの関係ねぇよ!」と消えそうな命よりも、自分の睡眠や安楽の方が優先と言い切る男性。その後も、思い通りにならないと暴言を吐き、殴る動作をする。病院内での看護師の立場は、守られていないとつくづく感じる。患者が中心の医療と言われているけど、看護師の身も守られる必要ってあると思う。
17
「うっせぇんだよ!そんな事知るか!常識知らないんか!」と怒鳴り散らす80代の男性患者さん。深夜1時、集中治療室にいる隣のベッドの患者さんが急変。医者・看護師・医療スタッフ全員で救命処置をしている時に、ナースコールを鳴らし、怒鳴ってきた。状況を説明するにも、さらにヒートアップ。
18
知って欲しい。90歳や100歳を超えた方に延命治療を希望されるご家族がいます。誤解されているかもしれませんが、心臓が止まって心臓マッサージをしても、元の元気な姿に戻れる事は少ないのです。心臓は戻っても、止まっている時間が長ければその後は意識が戻らないまま植物人間になられる方が多いです
19
腰が痛くて整体院に行った時のこと。そこは、口コミの評価も★4〜5と高く、口コミ数も多かったため選んだ。すると、2回目の施術が終わった時に「よかったら、口コミを書いていただけませんか?書いていただいた方には、7000円相当の健康サプリや健康茶などをプレゼントしています」と言われた。
20
その事実を知り、転職の際には自分で直接病院に連絡するか、看護協会を利用する事にした。今は、転職するとなると簡単に看護師転職サイトに登録する人が多いけど、改めて自分がその紹介料に見合った能力や実力があるか、病院側に還元できるものがあるのか一度考えて欲しい。
21
と言われた。当時は無知すぎて、転職サイトを使っての転職が、病院から紹介会社に"自分の年収の約30%ほどの仲介手数料"を払わなきゃいけないことを知らなかった。年収400万円なら、120万円程度の紹介料が発生する。それとは逆に、ハローワークや病院に直接連絡をして雇用されると紹介料は発生しない。
22
知らなかった。初めて転職をする時に、転職サイトに登録をした。色々な病院の情報を聞き出し、病院見学に行った時の事。話を聞きながら、「貴院のHPでも求人が出ているのを見かけた」と伝えたら「そうなの?それなら、転職サイト使わず直接応募してくれたら良かったのに。転職サイト使うと高いんだよ」
23
海外に住んでいた時、旅行先でトラブルが起こった。ピンチに陥っていた時に、ゲストハウスで出会った中国人男性。トラブルの経緯を聞いてくれて、食糧まで失った私に、彼が持ってきていた2泊3日の食材を使って、料理まで作ってくれた。そして、家に帰る手段さえ失った私に、色々なところに電話をかけて
24
そして人生は面白いことに、その不幸な人生を演出し始める。だからね、言葉には気をつけて欲しい。特に"親から子にかける言葉"は、その子の人生を輝くものにすることもできるし、台無しにする事もできると言うことを覚えていて欲しい。
25
娘を心配して出てきた言葉だと思っていた。しかし、今になって思う。一番近くにいる親が子供にかける言葉が、その子の人生に深く影響するんじゃないかと。お母さんが言う「この子はいつも不幸」という言葉って、子供からすると無意識に頭にインプットされ、「自分は不幸なんだ」と思い込んでしまう。