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「書く」というのは、ぼんやり考えていることをしっかり考えること。その最高強度が論文という形式で、論文を書くと、考えていたことが概念になって、自由に使いこなせるものになる。逆に「喋る」は、ぼんやりした考えを増殖させる方法。思いもしなかったことを考え始めるのには「喋る」のがいい。
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「もっとも貧しき男も自分の小屋にいれば、王に対抗できる」
ウィリアム・ピットという昔の政治家の言葉なのだが至言だ。自分の家とか自分の部屋というものに、勝手に他人が入ってこれないことによって、人間が人間らしくいることが保証される。自分だけの個室というものにいかにパワーがあることか。