日本風洞製作所(@japanfudo)さんの人気ツイート(古い順)

最近トレーナーが増えてきた弊社ですが、 「エルちゃんのマントって空気抵抗大きいんじゃね?」 「マントなければ凱旋門賞勝てたんじゃね?」 という社員の疑問を風洞屋が空き時間に検証してみました!
現在、東京オートサロンで展示中(No.928)の世界最小の自動車用風洞システムは最初は社長の無邪気なスケッチから始まりました。ガレージにおさまる風洞なんて面白いだろうな、と。 社内「風洞はいいけど、こんな薄くて高精度な天秤できるわけない」 大和製衡「できますよ?」 弊社「ファッ!?」
世界最小の自動車用風洞システム「Aero Optim×SLIM BALANCE」の性能試験で個人的に楽しかったのは、試験最後に思いつきで 「グリル、塞いでみない?」 なんと1ヶ月に及ぶ試験でダントツで最低の空気抵抗値が計測され、エンジン冷却の代償と、電気自動車の可能性に思いを馳せる社員たちでありました。
最近新商品の自動車用風洞システムで様々なエアロパーツの試験をしているのですが、意外だったものに、フロントカナードの枚数がありました。 1段から多段に増やした際、ダウンフォースはおよそ段数倍で増える一方、ドラッグはほとんど増えません。つまり付けるなら多段のほうがお得ということです。
実際、レース車両などでも、フロントカナードは付けないか(高速重視)、しこたま多段にするか(コーナリング重視)の2択で、中間はほぼ無いのがトレンドのようです。弊社の風洞試験でも、「少し高速寄りのセッティングにしたいからカナード1段減らそう」というのが効果がほぼないことが出ました。
サイコンの取り付け角度について。 この写真を見比べてみてください。間違い探しみたいですが、水平と10degついたものです。 僅かな差ですが、10degつけたほうが1.6Wほど空気抵抗が大きくなります。小さいと思いきや、これはシートチューブにボトルが1本増えるのと同じ程度の空気抵抗アップです。
ロードレースにおいて、すね毛や体毛を剃るべきか。 風洞が出した答えは「剃るべき(平均7.7%空気抵抗低減)」でした! 弊社営業部3名が体を張って検証。合計9試験全てで空気抵抗の減少が確認できました。ワット換算だと人によりますが、17~30Wほど。 動画もあります! youtu.be/xP4HAMxDbk4
【基礎知識】 この画像の上の翼形状と下の小さな点(ワイヤー)は同じ空気抵抗です。 自転車乗りの感覚的に言えば、スポーク1本とバトンホイールのスポーク1本は大体同じ空気抵抗です。 なんで自転車メーカーがエアロモデルでワイヤーを内蔵にしたがるかわかりますよね?
これが「ファン」と「風洞」の違いです。 糸(タフト)の動きに注目です! ファンを連結しただけではまともな風洞試験ができない理由はこの糸の動きを見ればお分かりいただけるでしょう。
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車のエアロパーツで良く聞かれる「整流効果」。とりあえず整流されれば良くなるとお思いではないでしょうか!? 重要なのは「整流によって得られるもの」であり、整流そのものではありません。 例えばこのディフューザーフィン。整流は得られるものの、数値上ノーメリット・全数値悪化でした。(続く
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実はこのフィン、風洞にかける前、エボⅩの開発者が一目見て 「左右への曲げ角度が急すぎる。ドラッグしか出ないよ」と一言。 実際結果は効果なしとなりました。整流だけを盲目的に追い求めても、「何のために整流するのか」が実性能では問われます。 「整流」は極めて難易度の高い題材です。
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先日風洞試験させていただいた44GさんのS660。タフト(糸のついた棒)で流れを観察していたのですが、空力設計されたホンダの技術者さん流石!という場面がありました。 ここの窓の切り落とし部は当然低圧部となり、剥離が発生するんですが(続く
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すごいのは剥離した気流はこの通り狙い澄ましたように車のお尻の3cmほど手前で車体に最付着(車体から剥離した気流が再度着地すること)しています。 これはリアウインドウ真上のパーツの角度等の絶妙な最適化によるもの。 これが一般ユーザにとってどういうメリットがあるかと言うと(続く
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動画から、S660のテール部3cmほどに十分かつクリーンな気流の供給があるとわかります。 そのため一般的なオープンカーではあまり効果が見込めないダックテールスポイラー(2枚目写真)でも効果が見込めるかと思います。 逆に、1枚目写真のウィングほど位置を高くしなくても十分に効果はありそうです。
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片道120万円ほどしたというコンコルド、実は窓が1/5ほどのサイズしかないのはご存じでしょうか。 通常の飛行機は高高度では-40℃以下の低音にさらされます。 一方マッハ2で飛行すると表面温度は摩擦熱で92~127℃にまで上がります。とんでもない圧力と熱に耐える窓はどうしても小さくなるんです。
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摩擦熱ではなく断熱圧縮では?というご指摘が多かったので。 飛翔体の前端など、よどみ点付近では断熱圧縮、境界層内部では粘性摩擦による空力加熱になります。場所によります。また、マッハ数や形状でも支配的になる熱源も変わります。 コンコルドの窓付近、ということで摩擦熱と記載しています。
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NACAダクト NASAの前身のNACAが開発した特徴的な三角形の凹型エアインテークを一般に「NACAダクト」と呼びます。 音速以下の領域でなるべく少ない空気抵抗で空気を吸い込むために設計されています。 自動車界隈で万能アイテムとしてもてはやされていますが、必ずしも最適解ではないことも(続く)
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NACAダクトの原理はダクトの両側で縦渦を発生させることで、出っ張りを作ることなく気流を吸い込むことを可能としています。 特に縦渦によるミキシング効果で表面にまとわりつく境界層の外にある主流を引きずり込むことができるため、高いエネルギーの流体を取り込むことができます。 (続く)
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NACAダクトは必ずしも最適解ではない、というのも、このNACAダクトはドラッグは非常に少ない一方、吸入する空気の量も控えめなため、冷却のために大量の空気が必要な場合は多数のダクトの設置が必要になります。 特にCFDや風洞の技術不足だった1980年代などは大量設置が目立ちます。 (続く)
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一方で、スバルのエアスクープのようなタイプはドラッグは大きいものの、大量の空気を取り込むことができます。 スクープが境界層より高いこともあり、主流の速い気流をダイレクトに吸い込むことができます。 ではなぜどちらかが淘汰されないのか?(続く) (出典) hmf.enseeiht.fr/travaux/CD0001…
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NACAダクトは元々航空機用に開発されたこともあり、低速時は著しく効果が低くなります。 一方でエアスクープ型は低速時でも安定した性能を発揮します。 そのため、エアスクープ型はWRCのように低速・高負荷や、F1のメインインテークのように常時空気を吸いこまないとまずい箇所に使われています。
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(まとめ) ・NACAダクトは高効率だが、流入量が少ない。また、低速域では機能しない。 ・エアスクープ型はドラッグ大だが、低速から高速まで安定かつ大量の空気を供給。 この特性から、NACAダクトは「常時冷えないとヤバイ」ものには使われず、エアスクープ型と適材適所で使い分けられている。
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こちらの展示、逆さまに写真撮ったわけではなく、逆さまに車が設置された展示です。@ポルシェ博物館 これはポルシェ956のダウンフォースが優秀なため、321km/h出せば理論上天井を走ることもできることを示す展示です。 ちなみに普段見かけるスポーツカーはどうでしょうか?(続く)
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残念ながら市販車はほぼ全て、どんなに速度を出してもダウンフォースで天井を走ることはできません。 これはそもそも市販車の多くがノーマルで揚力の方が強いためです。86、BRZ、S660、GTRなどのスポーツカーもそうです。 エアロパーツをてんこ盛りにしても(例:弊社社長車)800km/h必要です(笑)
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ダウンフォース、出てない、、? 実は大半の車の空力特性は揚力がダウンフォースを上回っているのはご存じでしょうか。速度を出せば出すほど、地面への接地が弱くなると言うことです。 最近試験した中ではGTRがかろうじて揚力とダンフォースが拮抗してトントンくらいの具合です。 主な理由は(続く)