ただ決定的に似てないこともあって、それはドイツではそうした主張をした人間に逮捕令状が出て海外に逃亡したり、学位を剥奪されたりしているのに対し、日本ではそうした人間が政財界の中枢にわんさかいて、むしろ権力を持っている側だということ(なのに被害者ズラだけは得意)。この差は大きい。
ちなみにこの本です。北米やフランスでのホロコースト否認論も扱われています。ガス室はなかったといった単純なものだけでなく、一見もっともらしく聞こえそうな主張もしっかりと反駁されていて、日本の歴史修正主義に対してもこういう俯瞰的な本が必要だと思った。
「戦争は人を狂気に」といった言葉、それ自体は間違えでないと思う一方、日本では「侵略した側」と「侵略された側」の戦争の区別を曖昧にし、紛れもない侵略者であった日本人の罪を希釈してしまう気がして、いつも警戒してしまう。
日本人が面白半分で中国人捕虜の首を日本刀で刎ねたり、気に縛り付けて新兵の度胸試しのために銃剣で刺突したり、途方もない残虐行為をした過去を変えることはできない。でもそうやって無惨に殺された人々が最後に何を思ったか、どれだけ痛かったか苦しかったか、残された家族や友人はどう思ったか、
銀座のロレックス強盗、全員10代の日本人だと判明した途端に沈黙するネトウヨ。散々外国人犯罪だとデマを流していたのに。
日本人も海外で犯罪するし、外国人が日本でする場合もある。犯罪には社会経済的な背景があり、ある人種や国籍の人間が生まれつき犯罪を犯しやすいなんてことがあるわけがない。そういう「犯罪者DNA論」みたいな差別的なデマの流布こそ犯罪化すべきでは。