676
677
678
679
680
これは僕が小さい頃なのだが兄を攻撃している。この頃からやはり兄を攻撃できている。細胞レベルで兄は攻撃しないといけないとインプットされているのかもしれない。しかも突撃というシンプルかつ攻撃性の高い技だ。さすがの兄も変な声をあげている。嬉しい。たまには懐かしさに浸ってみる。
681
682
683
684
685
686
687
688
689
690
変なやつが突進してきた。なんだこいつ。びっくりして足が跳ね上がってしまった。僕の体で止めたがまだずっと動いているからどいたらソファの下に入っていってしまった。せっかくどいてあげたのにお礼も言わずソファの下に入っていってしまった。礼儀がなっていない。追いかけて礼儀を教えようと思う。
691
兄が攻撃してきた。と思いきや僕の手をふにゃふにゃ触ってきた。それも何度もだ。意図が全く分からない。最初は噛もうとしたがただただ上下運動するだけのこいつを攻撃する意味が果たしてあるのかという考えから口をパクパクするだけの行動になってしまった事を僕は今非常に悔しく思っている。
692
693
694
695
696
697
先ほど僕は初めての体験をした。そして凄まじい衝撃を受けた。今まで僕が食べてきたごはんとは別格の美味しいごはんを兄からもらった。あまりの美味しさに止まらなくなってしまった。兄から直接もらうものだから最初は警戒していたが途中からもうどうでも良くなった。それほどまでに美味しかった。
698
699
700
これは僕がまだ小さい頃だ。この頃僕はまだ兄が危険な存在だと分かっておらず無防備に近づいている。しかし不思議だ。聞いてもらえれば分かるようにこの頃からすでに兄に文句を言っている。おそらく本能で分かっていたのだろう。ふと懐かしさに浸ってみる。