1031
ヤギが後ろ足だけで立ち上がる意味を読み取ろうとした。
喜んでいるのか
怒っているのか
すねているのか
1032
近寄る
ヤギ寄ってくる
草を差し出す
ヤギ食べる
離れる
ヤギ立つ
近寄る
ヤギ寄ってくる
1033
離れる
ヤギ立たない
結局有意なパターンは見つからなかった。
ヒラサワ、ヤギに一杯食わされた。
1035
「そうである」とされているものは忠実にカバーされ、実感も実態も無視される善意の世界はその店の中だけではない。どこに行ってもそうだ。
「お嬢ちゃん、ハルディン・ホテルはどっち？」
と道端のJKにきいてみた。
（ウソだけど）
1036
JKはブロック塀に向かってシークワーサーをかじりながら言った。
「あ！ステルスだ！おばあちゃんが言ってたよ、大きなアイデンティティークライシスがやってくる前にハルディンホテルはどこ？って尋ねる男が現れるって！」
1037
「おばあちゃんて？！」
「この島でただ一人、アヤクチョのスピンドルを回しているよ」
「じゃ、もしかしてお嬢ちゃん、トンネル分銅をもっているね？」
「うん！」
1039
「お嬢ちゃん、あの凱旋門に向かって投げるんだ。あの客観の調査団と称する嘘つきどもをめがけて」
「うん！ステルス！」
1040
「節子や」
「なあに、おばあちゃん」
「あの男が現れたんだね？心を決めなさい。まもなく大きな大きなアイデンティティークライシスがやってくるよ」
「わかった、おばあちゃん！みんな！またこんど！」
1042
狂ったスケジュールを組み直し、あすから労働のマレーシアン暴走族だ。
KLの田園都市をスーパーカブでぶっちぎるぞ、こら。
1044
ところで私は羽田空港P3予約駐車場にたどり着けたんだろうか？
帰ってきたのだからたどり着けたに違いない。
（時間稼ぎのTwその１）
1045
今日が何曜日かを自分で決められないようじゃまだまだだ。
今日は鉄曜日だ。
鉄曜日は糸巻きをしない代わりに入浴中の自転車こぎをして現実を開闢する。
1046
月火鉄水木金風土日
これが私の一週間だ。
風曜日はおしゃべりばかりしている者の顔を打ち砕きに行く日だ。
1047
鉄曜日は15分しかないため、多くの人が見逃している。
既に水曜日であるため、私は鍼に行く。
じゃ！
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鳥脳（ちょうのう）という器官が頭蓋骨の外に突き出ており、通常は髪の毛で隠れている。
天気の良い日はこのようにして陽に当てると良いのだ。
（時間稼ぎのために費やされる時間のほうが稼がれる時間より長いのがステルス時間稼ぎの特徴）
1050
実は鳥脳が宿主であり、私が鳥脳に寄生しているのである。
鳥の足のように見えている器官は鳥脳のものではなく私の器官であり「外食道」と呼ばれ、胃から養分を逆流させて鳥脳に運ぶチューブなのである。
平沢進