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そして認識の脱皮も試みようと思う。
蛇が長いものだという先入観を捨てれば真実が分かる。長いのは幅だ。幅の片方に顔があり、反対側がすぼんでいるのが蛇である。
蛇は蟹のように横歩きしかできない。
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ところが蟹の認識を改めれば自体はより複雑になる。
蟹は横歩きしない。
蟹は前と後ろに手足が付いているのであり顔は横腹についている。
ゆえにあれは前進に次ぐ前進である。
蟹はこの世の前進を代表する生き物だが、食べられてしまうので、気運は後退する。
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蟹は立ち止まって己の振る舞いを振り返ることができない。顔が横についているからだ。
蟹は常に海を目指して進んでいるが、顔が横についているために視野には海を捉えているものの、延々と海岸線沿いに進むだけなのだ。
誰か蟹に言ってやってくれ、早く横歩きを覚えろと。
またこんど!!
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今村君とはよく直進ゲームをやったものだ。
直進ゲームとは、ここから誰それの家まで曲がらずに行く、というものだ。行く手に人様の庭があろうが屋根があろうが池があろうが構わず侵入して直進する。
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どうしても直進できない場合は3メートル程度の迂回は許される。
直進ゲームは脚力、腕力、バランス能力などの運動神経のみならずプライバシー、法律、礼儀、道徳倫理をぶっちぎる能力が必要となる、かなり悪い遊びで逮捕される可能性がある。
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昔、ロシアのどこかには詩人と音楽家に限って人様の屋根に上っても良いというルールがあったそうだ。
(余談だが、音楽家は他人の冷蔵庫を開けて食べて良いとするルールで救われるのは良い音楽家だろうか?ダメな音楽家だろうか?)
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高度な直進者を必要とする事業があるなら、私は今村君を推薦する。
直進の第一人者になれなかったステルスは後に曲がった道を歩むことになる。
曲がった道とは音楽家のことである。
曲だけに。
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死に囲まれた綾瀬の赤紫に暮れる空を仰いで少年はボソっと呟いた。
ロケットは晩年も空を行くだろうし。。。。
その足で大曲りのバス停へ行き、亀有でついにゲロを吐いた。
またこんど!!
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今日もこんな時間になってしまった。
この世には長い方が良い時間と
短いほうが良い時間がある。
計ってみると両者の実時間が同じ
であることもある。
それなら長い方が得、という思想で時間は固体化する。すると腕時計がどんどん重くなり、しまいに骨折する。
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時間とは主観なのに共有されるルールに盛り込まれるからややこしくなるのだ。
あいつはルールに忍び込むと普遍のフリをする。
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普遍のフリをする時間の量感はだれとも共有されていない。そんな普遍があるか。
だから皆いつもこう言う。
「あー、時間が足りない」
番人が時間に追いつけないという感覚はいつ誰に埋め込まれたのか。
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存在しないものを尺度にするトリックは常套手段だ。
尺度を許せば次は強要に移る。
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それは何も今始まったものではない。
卑近な日常にも溢れているぞ。
例えばこうだ。
ヒラサワってさあ、67歳なのに全然声が衰えてねーな。すげー。
一見ヒラサワを誉めているようだが、これは貴方の老化を早めている。
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貴方は67歳で声が衰えない他に誰を知っている?
ほぼ知らないから「すげー」というのだ。
その尺度を知らずに自分に当てはめている。
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貴方の中にある「67歳一般」は存在しない。
そして私は日常的に声を鍛えていないし発声練習もしていない。
私が特別な仕様なのではなくて、尺度の外に居るだけだ。
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ただ声には個体差がある。ただそれだけだ。貴方は他人に無い個体差を持っている。
何の話だった?
そうそう、腕時計で骨折する話だ。
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時計という時計から出て来たダンゴムシはヒトの耳から侵入し脳内で産卵する。それが時間という概念の正体だ。
人類はダンゴムシの奴隷だということに早く気づいてほしい。そうすれば全てがウソだと簡単に理解できるようになる。
これで今日のウソはつきじまい。
またこんど!!
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その前に圧倒的にデトックスだ。
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人は体内に海を抱えて陸に上がって来たというもっともらしい進化論的文脈はあっても半魚人が居ないことをもっともらしく語ってくれる人募集。
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今日はまだ調子が出ないぞ、こら。
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もうすぐレモンハンてぃんぐだし、リンゴハンてィングのタイミングでもある。
こうなったら緩衝地帯に砦を作って一日中銃を構えて暮らす。
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つくばの土地は、冬にはつくばおろしに飛ばされ、春には姫踊り子草の噴射でもまた飛んでゆく。
春嵐の季節には桜の花びらに混じってあろるの館のガーデンテーブルさえ飛んで行く。
テーブルはどうかあのバーベキューの上に落ちますように。
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これは本当の話で、現在のガーデンテーブルは3個めだ。今はワイヤーで下に留めてある。
そこで寛いている時に吹かれたらテーブルにつかまれば体が宙に浮くだけで済む。
突風の日、ステルスは逆さまの垂直になってなびいている。
オマエタチはステルスになびいている。しっしっ。
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筒状であるからと言って憂えるわけではない。そもそも人体など歩く消化管なのだ。外も内もないクラインのツボなのだ。
一度自分で自分の中に入ってみればそれが如何に外であるかが分かる。
内臓はとどのつまり外臓なのである。
だからどうか私に近寄らないで。キモチワルイから。
またこんど!!
900
今日もモタモタしているうちに2時間の営業時間を過ぎた移動式ステーションは去って行った。
いいなあ、ステーションはガソリンで動いて。。。。