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オートデスク様で書かせてもらっているコラム第三回はアニムピッカーについてです。
下記事内から弊社のピッカーをフリーでダウンロード可能となっていますので、是非触ってみてください。
area.autodesk.jp/column/tutoria…
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東映アニメーションの現在は本当に苦しい状況だと思います。
ただ、本当の意味で強い信念を持って作品に向き合っている人がたくさんいる会社だと私はよく知っています。
全てのラインが元通りになる日を信じて、みんなで応援していきましょう。
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3週にわたって放映された『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』いかがでしたか?
当時映画館でもすごくたくさんの方に見て頂き、さらにテレビでも流してもらうチャンスをもらい、見て頂いた方々・関係各社の方々には感謝しかありません。
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エンディングは、ダンデライオンさん主導で制作が行われました。
サビに入ったところで55人が交差しながら行進するのは鷲尾さんのアイデアで、そもそもメモリ上に55人のリグデータを読み込むなど不可能。あの手この手でなんとか乗り切った一大仕事でした。
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エピローグに流れる写真はオールドレンズ+フィルムカメラで撮影した雰囲気を出したくて、私自らレタッチを行いました。
オールドレンズというのは奥が深くて、カビが生えてるからこそ不思議なにじみかたをしたり、放射能を出すレンズなんかも存在したりします。
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最後のエールのカットは、おしりたんていのキャラクタデザインを担当されている真庭秀明に原画をお願いしました。
尺長めで背景がフルコマで回り込むところを併せ切るという無理難題を見事に実現してくださいました。
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各世代の主人公たちが「想い出」を語るシーンは、この映画で数少ないコンテで足したシーンです。
全体を通して描いた後に、一度はミデンと同化したはずのプリキュアたちがこの浄化を「軽いものではない」と思っている。それをどうしても表現したくて、追加しました。
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レリーズシャイニングメモリーというセリフ、大勢でまぎれるだろうと逃げずに55人全員に言って頂いています。
とはいえ全員がアフレコルームに入るのは不可能なので、最初の一人が「せーのっ!」と言ってから収録。それをヘッドフォンで聞いて頂きながら別取りする感じで収録していたかと思います。
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このシーンだけ、アナモルフィックフレア(横にジャキーンと伸びる光)が縦に走っています。
これは現実世界と隔絶されゆがんだ世界で、エールの精神がミデンと同化しているという意味合いで入れています。
そのため、このシーンの最後に空間が崩壊するシーンで、徐々にフレアが横に戻っていきます。
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このシーンは「たっぷり、じっくり芝居を見せる」という、プリキュアのCGがあまり挑戦できていなかった事に正面から向き合おうと挑戦したシーンです。
このシーンに取り組んでみて、自分はアクションより芝居モノを作りたいんだなあと確信を持てたきっかけになりました。
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先ほど流れたハピネスチャージパートやこちらの雨のシーンは石川剛史君が担当してくれました。
レフィのワンダーナイトでは新卒数年でリードを任せた才能あふれる若手で、動きに限らず色々な視点を持った作家性の高いアーティストです。
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エールの声優である引坂理絵さんとベテラン監督である佐藤順一さんの、本当に時間を共にして時間を積み上げてきた方たちの仕事を目の前で見させてもらい、この映画を作っている間で一番心震えた時間だったかもしれません。
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この後のエールとミデンの対話シーン、実はプレスコで収録した芝居をアフレコでもう一度0から取り直してもらいました。
これは、シリーズを通して成長してきたエールの現在を踏まえさらに質を高める意味合いで、佐藤順一さん自らディレクションを行っていただきました。
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めちゃめちゃ個人的なお話ですが、私が中学生の頃、ボンズさんの「エンジェリックレイヤー」というアニメに出会いました。
多分私がアニメにハマった最初の作品がこれで、声優の榎本温子さんと一緒にお仕事させてもらえたのは本当に感慨深かったです。
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スイートパートと、マックスハートパートは本岡宏紀君にお願いしました。
本岡君は聖闘士星矢 legend of sanctuaryでスーパー活躍したアニメータで、アクションもレイアウトもフルコマもリミテッドも全て得意な、同い年とは思えないポテンシャルを持ったアニメータです。
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ここの音楽は本当に大変なものになってしまったようで、収録現場で譜面が辞書みたいに分厚くなっているのを見て、とんでもない仕事をお願いしてしまったのだな、、、と申し訳ない気持ちでいっぱいでした、、
ただ、本当に最高の仕上がりになったと思います!
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関係者の間で「モブミデン」と呼んでいたミデン。数十万だか数百万という単位で、複雑さと秩序を併せ持った1つの意思を持つ集合体として表現してほしいとお願いしました。
Houdiniの性能を生かした素晴らしい上りになったと思います。
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HUGプリパート、プリアラパート、スマイルパートは映画全体のCG作画監督である金井弘樹君が担当してくれました。
私が初めてディレクターを担当したスマイルプリキュア!前期EDからの付き合いで、私の東映時代の監督作品は全て彼がアニメーションのスープを担当してくれました。
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ミデンが苦しんでいるカットや、このあとの魔法プリパートなどのアニメーションは中村由紀恵さんにお願いしました。
彼女は重心やパースを本当に上手く取ってくれるアニメータで、「絵になる魅せ方」が神がかり的に上手い方です。スクショを取って壁紙にしたくなります。
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寄りや芝居を想定した作りこみをされているCGモデルとそうでないモデルが混在している事もあり、一部カットでデジタル作画への置き換えを行っている世代もあります。
デジタルパートの作画監督は、キュアアンジュの変身バンクなどを手掛けられた斉藤拓也さんにお願いしました。
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映画ではおなじみの、ミラクルライトで応援する演出。実際の映画館で子供たちの反応を見ると、最初から大きな声で応援できる子もいれば、しばらく恥ずかしがって声を出せない子も多いです。
尺の許す限り、何度も何度も「フレフレ!」と言ってもらおうとたくさん調整をしました。
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こちらの過去映像が集約されていくカットは、確かタバックの編集チームにお願いした記憶が。
この映画を作っていて、どこに何を打診すればどの過去素材が引き出せるんだろうとてんやわんやしたところ。編集チームも協力的に動いてくれてなんとか実現できました。
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今週は、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』第3回放送。
最後に残ったHUGプリチームもミデンに閉じ込められ、大ピンチ!というところまででした。
今週でいよいよ最後です!
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実はここに写っている人物にもHさんというモデルが実在しますが、内輪ネタすぎるため関係者もあまり知りません。 twitter.com/shota_/status/…
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今週はここまでです!
まるでミデンの勝利エンド、、笑
来週はいよいよ、例のシーンです!工数をかけすぎて監督とプロデューサがガチ説教を食らった渾身のクライマックス、是非楽しみにお待ちください!!