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この頃の独特の猫の目玉が並んだ様なギザギザの編み方は四菱編み(しびしあみ)というもの
カンカン帽は長い一本の麦稈を渦巻き状に縫い上げて作られており、かつてこの真田紐作りが岡山県などで内職として奨励されていた
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戦前までのカンカン帽は冬場にゼラチンに漬けて水圧機で締め上げていたので、現代のカンカン帽とは全く違うビスケットのような質感で、天井を叩くとマジでカンカンという音がするのでカンカン帽という名前がついたという話である
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このカンカン帽というものは明治帝崩御の頃から爆発的にヒットし、背広でも着流しでも被っていて嫌な感じがしないというので妙に日本人のセンスにマッチしていた
学生やモダンボーイから田舎の老人に至るまで異常なほどの普及を見せ、鉄道の貨車を貸切にしてカンカン帽の山が運ばれていったとか
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こんなに丁寧な作りなのに当時は使い捨てるのが当たり前で、夏が終わると川に投げてしまったという
昭和10年代に入って飽きられはじめ、パナマ帽に取って代わられていったものの、戦時中の疎開のときに大切に持って逃げた人もいたというので実に愛されていたものである
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戦前のカンカン帽はビスケットのような質感で、叩くとカンカンという音がしますよという動画