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今朝の採血。待っていたのは、30本以上の採血菅でした。
看護師さん「世界中の研究者が貴方の血液を欲しがっているみたいね(笑)」
私「これで、宇宙へ行けるんですから、全く問題ありませんよ」
何て話をしながら、採血して貰いました。
自分の身体が研究の役に立つのは、光栄な事ですね。
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私達が宇宙飛行士選抜試験を受けていた頃、宇宙兄弟の六太くんも選抜試験を受けていましたね。そして、初めて宇宙へ行くのも、ほぼ同時期です。NEEMO訓練もありましたし、親近感が湧きます!きっと、宇宙兄弟を子供の頃に読んだ世代が、実際の深宇宙探査を担う事になるんでしょうね。
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私もこれまでの人生で、どれだけ多くの事を途中で諦めようとした事か…どれだけ多くの困難から逃げようとした事か…その度に私の周囲にいる人達が、私の気持ちを支えてくれました。物理的な限界に行き着く前に存在する心の限界…これを自分一人で突破するのは難しい事なのかもしれませんね。
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私が感じている単なる私見ですが、多くの方々が直ぐに多くの成果を期待しすぎの様な気がします。私のロシア語も4-5年毎日休まずに勉強した結果ですし、テストパイロットになるまでにも、飛び始めてから8年ほどかかりました。成果が出ないと諦めていたら、私は何も成し遂げていなかったでしょう…
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先日、ロシアの若い方が、待ち合わせに遅れて来たと思われる女性に駅でこんな事を話しているのを耳にして、感心してしまいました。「全然問題ないよ!君を待っている時でも、今後の計画を立てたり、自分の考えを整理したり、出来る事は幾らでもあるから!無駄になる時間なんて全く無いんだよ。」
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様々な国へ行って感じたのは「母国の事が好き」という感情は、ごく自然な物だという事です。私も日本が大好きなので、外国の方々が同じ様に祖国が好きだと言うことは素直に理解できます。そして、その愛国心には他国を否定する様な感情はありません。家族を愛する気持ちが自然に広がった感じかなぁ〜。
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他国の人々の行動を、素直な気持ちで理解しようと努める事。大切だと思っています。「あの国は何をしているんだ!理解出来ない!」「話が通じない!」と思わせる情報に接した時に、違和感を感じて情報の真偽を確かめる努力が出来ますか?それを出来る人が多ければ、日本の将来は安心ですね!
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私達の打上げの延期が正式に決まりました。今月末に宇宙へいく準備は全て整っていましたが、更に訓練をする機会を頂けました!また、信頼性の高いソユーズ打上げの安全について、多くの方々が再検討して下さいます。ある意味、私達の打上げは、最も安全性の高い物になるでしょう。私達は幸運ですね。
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私が残念に思う状況は、あまり知識や経験のない方々が、憶測で判断し、情報を伝え、他者に対し美しくない言葉を発する場面を散見する事です。日本に興味を持って、日本語や日本の事を学ぼうとしてくれている、この子供達がネットでこれらの言葉の意味を知った時の悲しみと未来に与える影響を考えると…
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米国の宇宙開発の歴史についてロシア人に解説する番組を観ました。
その際に、ロシア人の先生「失敗…ネガティブに考えがちだけど、その方向性が間違っていたって事が分かるだけでも大きな成果なのよね。科学は失敗なしに、ここまで発展していないわよ。」
語学の先生から聞くと、少し新鮮でした。
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ロシア語の授業で「チェブラーシカ」を見せてもらいました。名前の由来が
"Чебурахнуться(チェブラハヌッツア)"=音を立てながら落っこちたりぶつかったりする様子を表す動詞
という事を初めて知りました。オレンジの箱から出てきたチェブラーシカ(ポトリちゃん?)。カワイイ!
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JAXAの英語の先生から受ける、打ち上げ前最後の授業がありました。最後なので明るく楽しいニュースを教材として沢山用意して下さっていました。授業の最後には、お別れのハグをしてくれて「貴方への宿題は、12月に無事帰って来て、このハグを私に返す事よ」と言われました。チョット涙が…
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無事に星の街へ到着しました。訓練中の他の飛行士達が夕食を用意してくれていました。楽しく夕食を食べながら、NASA TVでSpace X-7の打上げを観ていましたが…
現在は、新しい情報を待っています。私には、今現在多くの方々が全力で仕事をしている姿が目に浮かびます。
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宇宙開発の分野で働く人達は、常に未来を見つめ、より良い未来の為に努力を継続しています。科学は、好奇心旺盛な、そしてある意味諦めの悪い人達が努力を継続する事によって、発展してきたのかもしれませんね。私も宇宙開発に身を投じるからには、好奇心旺盛で決して諦めない亀として頑張ります!
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ソユーズのシミュレータの前にインタビューがありました。私は、間違えるのを承知で、ロシア語で答えています。それは、日本でニュースを見る時に、間違えながらも日本語で答えている外国の方に親近感を覚えるから…私が一生懸命ロシア語で答えている姿を見れば、日本に親近感を持ってくれるかなあ〜。
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女子のワールドカップサッカーの決勝は、今回もアメリカ対日本ですね。米国の飛行士達との会話でも、話題になっています。一緒に観戦したいとも思うのですが、ここでは十数人の米国人に対し、日本人は一人だけ…とってもアウェーな環境になりそうです(笑)。でも、しっかりと応援しますよ!