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貴様が欲しい。
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先程、我が屋敷に大量の献上品が届いた。先日の怪しい男の仕業か。あまり期待はしていなかっただけに、完璧に用意できたことには少し驚かされた。
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例えば先程鑑賞してきた絵画では、繊細な青の色が印象的であった。あの美しい色合いを出すのに、描き手は一体どれほどの時間を費やしたのだろうな。
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今日は先月行った催しの返礼をする日らしいな。その慣例に倣い、私も貴様に礼をしてやろう。
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今夜は人目を憚らず、思うがままに声をあげ私に抱かれるといい。貴様の全てを受け止めてやろう。
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おい貴様。今どこにいる。屋敷の中にいるのか。
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どんな魔界生物から採取した材料で出来ているか分からない。それが判明するまで、口にするのはやめておこう。
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しかし、あの卵はどんな生き物のものだろうか。王として知っておく必要があるな。
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絵というものは素晴らしい。作者そのものだ。我々から見れば人間という一括りの生き物でも、感じるもの考えることがそれぞれ違うということを教えてくれる。芸術品は人の無限の可能性を感じさせる。私はそこに惹かれるのかもしれないな。
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この月になると訪れる町の雰囲気も、貴様が楽しんでいたときの記憶が蘇るからか、悪くないと思える。きっと来年も、今日この瞬間の貴様の顔が浮かぶのだろうな。
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美術館、か。なるほど、これは興味深い。
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本当にあの者は記者なのか?それにしては質問の内容が絵画とは関係の無いものばかりだったが。
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生ハム食べ放題の店があるだと……?
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心を震わせる絵画との出会い
#七夕の願い事
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玄関に醜悪な姿の二人組がいるな。あの者達の仕業か。一刻も早く排除するとしよう
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もしやここは、魔界の飲食物を手に入れることができる場所なのかもしれない。人間界にしては珍しい。
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Q.シンくんと2人で最近お出かけしましたか?
A.先日装飾品を豊富に取り扱っている店へと連れて行かれた。シンに勧められた品もあったが断っておいた。どうやら私に似合うものは限られているようだ。
#ドSなのに答えてくれるのか
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今私は混沌とした集団の中にいる。
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来い。血を吸わせろ。貴様も、私から与えられる痛みと快楽を求めているのだろう?
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出かけるぞ。貴様に拒否権など無い。行き先は後で伝える、黙って付いて来い。
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とても質の良い生ハムだ。これは、その取材とやらに応じないわけにはいかないな。
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いや、これは列に並んでいると言ったほうが正しいか。いつの間にか迷い込んでしまっていたようだ。