151
こういうものは、多ければ多いほど良いということはない。
152
生ハムの日。一年でこれ以上に祝福されるべき日はないだろう。
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魔界の混乱に乗じて、下賤な奴らが動き始めたらしいな。
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早く帰れ。今日のことで意見を求めたい。
155
誰だ貴様は。
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この包みは……ほう、今年もこの季節になったか。かつてはくだらない人間の風習だと思っていたが、貴様からチョコレートをもらうというのはなかなか悪くない。さぁ、私を喜ばせる渡し方は分かっているな?
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会議の時間だというのにリビングに誰の姿もないとはな。アズサ、これはどういうことか説明しろ。
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何やらヴァンパイア達がうるさくしているが、そうか、またこの騒ぎか。
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やはり、絵画の鑑賞はいいものだな。特に風景画には、この私を惹き付ける作品がいくつかあるようだ。
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何故だ。
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明日からの予定を空けておけ。貴様には私の連れ添いとして、とある祭典へと出席してもらう。その時は決して私の傍を離れるなよ。
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別に私は楽しんでなどいない。貴様がクリスマスパーティーとやらを行いたいと言うから好きにさせているだけだ。だから、これ以上この始祖王の手を煩わせるようなことはするな。
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おい貴様。もっと私の近くへ寄れ。
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逆巻カナト、逆巻シュウ。届いた書簡にはそれ相応の返事を出すのが礼儀というもの。貴様らは一族からそのようなことも教わっていないのか?ヴァンパイア王の息子ともあろう者がこれとは嘆かわしいな。
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面白い。王の所有物に手を出せばどういう結末を辿るのか、私が直々に教えてやるとしよう。
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そのような小細工を施さなくともよい。相手が誰であろとも、答えてやらないほど狭量な男ではないつもりだ。ここに記してある質問とやらにも答えてやろう。
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それから、この部屋の飾り付けはこれで終了か?もう少し絢爛としたほうがよいのではないか。使い魔に命じよう。
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貴様は何もつけずとも愛らしいが、こういうのも悪くはないだろう?
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貴様がオーブン内に放置していったチキンがいい匂いをさせているぞ。直に焼き上がるのではないか?
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名を書く、か。考えておこう。
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「なお、返答を拒否した場合は今後一切吸血を禁止。トマトジュースしか飲めません」という文章まで添えてあるが、この始祖王である私を脅すとは、笑止千万。
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いいだろう。私は生ハムを所望する。楽しみにしているぞ。
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いや、発見した。騒がせてしまったな。
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再びこの茶番に付き合ってやる。
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人間の催し事に興味はないが、郷に入っては郷に従え、という言葉もあることだ。貴様が楽しみにしているのなら仕方があるまい。