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国立科学博物館の特別展「毒」が楽しかったので簡単にレポ記事を書いてみました。シュミット指数の話と毒キノコの話が脳内で結びつき、シュレディンガーの猫ならぬシュレディンガーの毒キノコか〜とか考えさせられて良い刺激になった(毒だけに)。あと1ヶ月なのでお早めに!
numagasablog.com/entry/2023/01/…
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『NOPE』池袋グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGT(縦にドンと広いスクリーン)で明日から復活上映。掛け値なしにこれが『NOPE』の完成形だと思うし、見逃してた人は絶対この機会に観てほしい。ていうかIMAXレーザーGTの意義がここまでデカイ作品はめったにないので。
twitter.com/cs_ikebukuro/s…
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A24のひつじ映画『LAMB』がもうAmaプラに。アイスランドの大地で暮らす羊飼い夫婦が、羊から生まれた異形の「子」を育てる。不条理な"奇跡"を機に、2人の世界にゆっくり静かに亀裂が生じていく様に見入ってしまい、わくわく動物ヤバ不穏ムービーとして唯一無二の魅力がある。
amzn.to/3HhDeiQ
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『30年にわたる観察で明らかにされたオオカミたちの本当の生活 :パイプストーン一家の興亡』読了。カナダのオオカミ一家の複雑で繊細な暮らしを、忍耐強く観察して見えてきたのは、「アルファ雄」「序列」「パック」など、従来のオオカミ固定観念をひっくり返す生き様だった。
amzn.to/3Hhccr1
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『30年にわたる観察で明らかにされたオオカミたちの本当の生活』、例えば「強いオスが"アルファ"として群れを支配する」など、なんとなく知られているオオカミ生態は、あくまで人間が観察のため囲いに閉じ込めた、非常に特殊な状況の群れの話にすぎないと指摘。開かれた自然では、より多様で複雑だと。
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「アルファオス」みたいなオオカミ概念に実は人間側のバイアスがかなり入ってた…という話は『狼の群れはなぜ真剣に遊ぶのか』(これも良い本)でも取り上げられていた。実際の被害以上に膨れ上がった「恐ろしい動物」としてのイメージもまた正確な認識を妨げているんだろう。
twitter.com/numagasa/statu…
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「イベント割 ムビチケ作品共通券」、実質いくらでも1200円のムビチケが買い放題という太っ腹な施策で、今月いっぱい有効なので映画ファンは積極的に使うべし。私もためしに買ってみた。ワクチンを3回接種したことの証明画像をアップロードする必要はあるが、あっさり発券。
eventwari.movieticket.jp
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日本への愛憎入り交じる思いと冷徹な観察をつづるBBC特派員の記事。効率性のイメージに隠れた頑迷な官僚主義、不条理なほどの政治的硬直、出生率の低下にもかかわらず移民を拒否する姿勢、その結果としての必然的な衰退…と冷静に並べられるとヤバいが、拝聴する必要がある…
bbc.com/japanese/featu…
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『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』という、歴史的に色んな国が没落したのは搾取的な政治体制のせいと説く名著があるが、先述のBBC記事とあわせると、『国家はなぜ衰退するのか2』が出たら日本がめちゃ良い(良くない)サンプルになってしまう気配がする…
amzn.to/3HlX7p3
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再エネの話とか見聞きしても思うけど、明らかにポテンシャルは高いし個別に見れば新しいことも全然やっているのに、それがシステム的な発展に結びつかず、結局よその国に遅れをとってしまうという事例がとても多いようで、それはやはり政治の失敗という他ないんじゃないかと。
twitter.com/numagasa/statu…
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『RRR』、BBC記事にまでなっており、まじで国際的に大ウケしてるんだな…と(出来栄えから言って当たり前と思うけど)。一方ちょっと読んでみたかった、インド国内でのRRR批評にも触れられていて興味深いし、厳しい意見もあることはむしろインド映画界の健全性を感じさせる。
bbc.com/japanese/featu…
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あと『RRR』がイギリスでもちゃんとヒットしてるのは、「自国の負の歴史と向き合える観客が多いんだな」とイギリスの文化的成熟度(本来それが普通だが)も感じてしまう。植民地主義を描く作品という意味では、日本で『マルモイ ことばあつめ』がヒットするようなものだし…
amzn.to/3DwWmHJ
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『RRR』私も去年のベスト映画に選んだし、欧米とかでウケまくってるのも当然の素晴らしい映画と思ってるが、記事にも書いたように「複雑な政情を抱えるインド国内の視点から見るとまた違うかもな…」と感じる点もなくはない。ただ間違いなく世界に必要な一作だと確信してる。
numagasablog.com/entry/2022/10/…
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「歴史は勝者が書く」的な格言もあるが、世界で広く見られるエンタメも、結局は欧米など"支配側"の視点から語られることが多い中、『RRR』みたいな作品が被支配側だったインドからドカンと現れて、欧米や日本の観客に衝撃を与えまくってることは(国内の批評も拝聴すべきだけど)凄く意義深いと思う。
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『RRR』のヒットも実に喜ばしい一方、日本の負の歴史を語るような映画こそ日本で見られるべきよなとも思うので、手始めに『マルモイ ことばあつめ』はマジ傑作だし一昨年の年間ベストにも選んだので(キツイけど)ぜひ見て。『ウルフウォーカー』に次ぐ2位なので実質1位。
numagasablog.com/entry/2020/12/…
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イギリスから見た『RRR』、日本的には一番近い映画なんだろと考えていたが、台湾の狩猟民族と日本軍の闘いを描いた『セデック・バレ』かもしれない。日本的には無邪気に面白いとか言うのもアレだが、とんでもねえ面白さに衝撃を受けたものだ…。第二部が特に凄かったと記憶。
amzn.to/3XAHrEj
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寒すぎて誰もいない道を散歩していたらジョウビタキが現れた。じっと見ていたら、だんだん近づいてきてくれた。たしかに冬は寒い……だが良いこともある。
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ナートゥ、あまりにブチ上がるので純粋に楽しんでしまうが、凄く重層的なことを語っている場面でもある。記事にも書いたが、白人男性が築いた帝国主義に(インド人と同じく)抑圧されていた、黒人ミュージシャンや白人女性との連帯もそれとなく示していることに成熟を感じる。
numagasablog.com/entry/2022/10/…
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『Humankind 希望の歴史』kindle版が半額(ポイント還元)。「人間の醜い本性」を示したとされる数々のエピソードや"実験"にロジカルにNOを突きつけ、逆に人間の本質的な善性を照らし出す。「人間は結局クソ動物なのか…?」と諦念に陥る前に読むべき、希望と理知に満ちた本。
amzn.to/3WIr1Iy
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「人間は追い詰められた時にこそ本性が出るのだ…」とかデスゲーム主催者みたいなことを言い出す人も多いが、なんて「追い詰める側」に都合のいい理屈なんだとしか思えないし、「人間の本性は愚かで醜悪」的な言説が権力をもつ側に都合よく作用しがちというのは『Humankind 希望の歴史』でも語られる。
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『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』鑑賞。MeToo運動の潮流に火をつけた、ハリウッドの権力者による性犯罪被害の実態を暴いた報道を(まさに実直で地道な調査報道のように)精緻な語り口によって再現したドラマ。これがアカデミー賞に無視されてるの本当どうなのと思う。
shesaid-sononawoabake.jp
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生物学的な意味での「進化」という概念が誤解されがちな理由、まぁまぁポケモンのせいだと思うし、ポケモンのアレは進化(evolution)ではなく変態(metamorphosis)なのは有名な話だが、変態という言葉を使えなかった事情は理解できるので、さらに元を辿れば変態に変な意味を付与した奴のせいなのか…