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「ヒト/生物は進化的に〇〇だから、ヒト/生物は〇〇であるべきだ」という言説はすべて間違いです。前者は観察結果、後者は価値判断なので、比較できません。ヒトは進化的に手で道具を扱えるようになったからといって、ヒトは足でボールを扱うようなスポーツをしてはならない、とはならないでしょう。
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これまで、様々な研究者のオフィスを見る機会に恵まれてきた。ミニマリズムを体現したものから、熱力学第二法則に素直に従ったものまで色々とあるが、後者の極致が宮脇先生 @RIKEN_CBS のオフィス。本当にかっこよかった。
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さらにいえば、文法やスペルのミスがある方が親しげにすらなるらしいので(=フォーマルさが崩れる)、もしかしたら僕のテキストメッセージは、意図せず気さくで親しげなものと受け取られていたかもしれない。ははは……
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ちなみに、2文以上が含まれている場合の途中のピリオドは良い、!?や絵文字が含まれていればフォーマルさが崩れるのでピリオドはあまり問題なくなる、とも聞いた。実は日本以上にアメリカ社会は、話し相手に気をつかう面があるので、なるほどと言った感じ。
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アメリカ人(特に比較的若い世代)の作法で驚いたのは「テキストメッセージの最後にピリオドがあると怒っていると受け取られるので、つけない方が良い」というもの。本当に?と調べたら、関連記事が山ほど出てきた。文法的に正しいようにと、ちゃんとピリオドつけてたよ……
npr.org/2020/09/05/909…
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結局、週1検査のサンプル採取を自宅で行うことで、この問題は収まった。さらに開発現場では、増幅前のサンプルを扱う区画を分け、厳しい取扱管理をすることでamplicon汚染を回避するようになった。多数発表されている新型コロナウイルス検査法開発の裏側には、こんなエピソードが隠されている。7/終
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この問題は、検査法開発そのものにも大きな影響を与えた。Ampliconに汚染された実験エリアでは、どんなサンプルからもコロナウイルスが「検出」されてしまい、検査法が正しく動いているかどうかわからなくなった。自分たちの研究所ではないが、開発そのものが続行できなくなったと言う話も聞いた。6/
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詳細は省くが、新しい検査法には、サンプルに含まれる微量のRNAをDNAに逆転写してから、さらに増幅して、その後に検出するというものが多い。微量なものより、多量なものを見つける方が簡単だからだ。そのため開発現場では、コロナウイルスがもつRNAに対応するDNAを増幅する実験が行われていた。4/
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この増幅したDNA(amplicon)が検査陽性の原因だった。なんと、ampliconを扱うエリアにしばらくいただけで、陽性になることがあるとわかったのだ。おそらく実験中にわずかに飛散したampliconがあたりに散らばっていたのだろう。そしてPCR検査でも、微量なものより、多量なものを見つける方が簡単だ。5/
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検査陽性者が出ると、その人はもちろん、同じエリアで働いていた人も濃厚接触者として扱われ、まとめて2週間の隔離となる(現在は3週間)。ところがこの「陽性者」たちは、その後の追加検査で、実際には感染していないことがわかった。では、なぜ1回目の検査で陽性の結果が出たのか? 2/
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全員に共通していたことは、新型コロナウイルス感染の新規検査法を開発しているか、その開発現場の近くで働いていることだった。いま、最も一般的に使われている検査はRT-qPCR法だが、より安価で迅速な検査、医療アクセスが限られる途上国でも使える検査など、新規開発の余地はまだ残されている。3/
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新型コロナ検査について、エピソードを一つ。ハーバード大では昨年8月に研究活動を再開した際、ラボで働くすべての人に、週1回のPCR検査を義務付けた。感染を早期に察知し、ラボ内でのクラスター化を防ぐのが目的だ。すると8〜9月にかけて、自分が所属する研究所では、検査陽性例が多数見つかった。1/
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はい。ワクチンによる重症化・新規感染例の減少は、接種が進むイスラエル・米国で既にデータが出ています。mRNAワクチンの仕組みから、数年後に後遺症が出るとは非常に考えにくいです。そしてmRNAワクチンは、遺伝子を書き換えず、そもそも生殖細胞にも移行しないので、生まれる子どもに影響しません。 twitter.com/boschodesu/sta…
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せっかくなので、ワクチン接種後の経過もレポートします。【おことわり】接種後に軽度の副反応が起きうることは、臨床試験から事前に予想されています。しかし、副反応は命に関わるものではなく、ワクチンは安全です。そして、ワクチンの恩恵は副反応のリスクを大きく上回ります。1/n
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Springer Natureは、COVIDの影響を受ける学生や教員をサポートするために、発行する様々な科学分野の教科書(大学以上〜専門家向け)500冊以上のPDF版を無料公開。顕微鏡をやっている人なら、Handbook of Biological Confocal Microscopyはぜひとも手に入れておきたい一冊
springernature.com/gp/librarians/…
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COVID-19の数理疫学に比べて、SARS-CoV-2のウイルス学的な特徴を学べる機会が少ないなと思っていたところ、同僚が以下の講義を教えてくれた。わかりやすくておすすめ(英語・自動字幕あり)。
コロナウイルス入門:分子ウイルス学を中心に
youtube.com/watch?v=8_bOhZ…
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ベビーカーを押していて、ときどき思い出すこと。1分子局在化顕微鏡法(超解像顕微鏡法の1種)を開発してノーベル化学賞を受賞したEric Betzig博士が語っているのですが、あのアイディアは、彼がベビーカーを押しているときにひらめいたそうです! 皆さん、ベビーカーを押していますか? twitter.com/Saitou_Sayer/s…
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「Twitterは議論に向かない」という話があるけれど、実際には「Twitterには議論に向いている人とそうでない人がおり、前者が集まった時のみ建設的な議論が期待できる」なんじゃないかなと思う。ちなみに、Twitterを世の中に置き換えてもほぼ成り立つ。
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さかおりさんという方が執筆された記事だと教えてもらう→利用者ページを見に行く→「八丈小島のマレー糸状虫症」というまた別の秀逸記事に行き着く→仕事が進まない(イマココ)
ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A9…
@jumbo762 @nemurikyoushiro
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ナメクジを食べる→死に至る、という寄生虫症の恐ろしいニュースが駆け巡る中、かつて山梨県であった医師と寄生虫病(日本住血吸虫症)の闘いの歴史を貼っておきます。日本版Wikipedia史に残る名記事(誰が書いたのだろう)。
ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0…
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このツイートに対して「学会/懇親会に子供を連れてくる方が迷惑」「老害と決めつけるのはおかしい」といったコメントをする人がいたようですが、気にせず子連れ参加できるようになることこそ、学会が目指すべきあり方だし、最初のクレームを入れた人は端的に言って老害でしょう. twitter.com/haruyo_y/statu…
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最新の顕微鏡技術「AO-LLSM」が捉えた,はたらく白血球(好中球)さんの姿はこちらになります (Liu et al., Science 2018).ビデオ中央で活発に動いているのが白血球.#はたらく細胞
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アニサキス症で人生初の胃カメラを飲むことになった時,「これがオリンパスが世界に誇るファイバースコープ! 高開口数ファイバーとCCDでハイビジョン画質を実現するとは!」と考えていたら,「初めてなのに胃カメラ飲むのうまいですね」と担当医の方にほめられました.みなさんもぜひ.