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「作家にリテイク出したら、言ったとおりに直したものが戻って来ただけだった」が起きたのは、もしかしたらお互いの関係の認識が違っていたからなのかも。監修者は一緒にクリエイトしているつもりだったが、作家はクライアントからダメ出しが来たと思っていたとか。
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「俺の頭の中にある正解をお前が探せ」というやつが最悪なのはよく知られていますが、「俺は確かにこう直せと言ったが、その通りに直すのは実は正解ではない。俺の指示を超える正解をお前が探せ」も最悪だ。
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「作家にリテイク出した時に言ったとおりに直しただったらガッカリ」というツイートを見たのだけど、それは「これ以上話しても理解し合えないし、力関係はそっちが上で突っぱねる事もできないんで言われた通り直します。これで勘弁して下さい」という意味であって編集者(監修者)の敗北ですよね…。
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アーケードゲーム開発ドラマの例として…昔デッドストームパイレーツという海賊2人協力ガンシューの企画立案時、舵輪(だりん)というハンドルを筐体につけようとハード屋さん達に相談したら「途中のミニゲームでちょっと使うだけの入力装置がコストに見合うか」と突っ込まれまくった(続く)。
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私も「ゲームデザイナーならゲーム遊んどけ」と思う派。「破天荒人生で経歴がユニーク」「前職広告代理店でプレゼンめっちゃ上手い」みたいな理由で入社したゲーム制作未経験ゲームデザイナーの方が私は警戒してしまう。
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なので細かい工夫として「ダガー2が撃墜された! くそ、あいつに何機墜されてるんだ!」みたいな台詞にして、味方への報告ののち思わずもれた感情的な独り言が(無線のスイッチを押したままだったので)無線に流れた…という感じにすることもあります。
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まず敵機は1機しか残っていないので、これが誰かに情報を伝えようとしている台詞なら、相手がいません。じゃあ独り言だったとしたら? それもちょっと変なのです。というのも、無線は誰かに何かを伝えるためにスイッチを押すものなので、独り言の時は無線機をONにしないからです。
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でもまあ、エースコンバットはフィクションなので、盛り上がるなら無線で独り言を言うことも実はあります。ただこれを無制限に認めてしまうと、ミリタリー感が減っていき、出来の悪いロボットものの様な台詞になっていってしまいます。
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エースコンバットには一定条件下でランダムにボイスを再生する仕組みがあります。例えば大空戦の中に飛び込むと「くそ!敵機に腕のいいヤツがいる」「味方機がどんどん減ってく!」「単独で飛んでる機を狙え」等の無線が次々聞こえます。この台詞を考えるのがランダムゆえ案外難しい(クセがある)。
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例えば「味方がどんどん減っていく」みたいな台詞が開始早々に再生されると違和感がある。だってお互いまだ損害が出てないから。なので、再生条件を空戦の序盤と後半に分ける。「味方が減った」系は後半。「単機を狙え」は前半。「腕のいい奴がいる」はしばらく戦わないと分からないから後半。
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後半と言っても「敵機が2機以下になったら再生終了」とかになっていて、敵が全滅する前に再生をやめます。というのも最後の1機になった敵機が「くそ!敵機に腕のいい奴がいる」と言ったら変だからです。なぜか。
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プレイヤーの「感想」(面白い/つまらん)と「そう感じた理由」は、ゲームの改善に直結する宝の山。一方「どう直すべきか」の意見は、専門的知見を持つ人の言葉以外は、鵜呑みにできない場合があるという印象。でも「どう直すべきか」ばかり語っちゃいがちだよね。
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ゲーム開発でも同じですね。面白さ至上主義≒顧客本位≒利益至上主義で、その反対は社内(プロジェクト内)秩序優先主義。誰かが勇気を出して「このゲームつまらないですよ」と口に出すと、困った顔をしてその問題提起をうやむやにするリーダー層がいる組織が、クソゲーをクソゲーのまま世に出す。 twitter.com/taisho__/statu…
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ストーリー分岐のネガティブな側面として「(別の選択をしたらどうなるんだろう…等と)メタ思考をしてしまい没入感が削がれる場合がある」という指摘かと思いますが、確かに考えさせられますね。 twitter.com/my_syumi_game/…
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今度は100万人殺すことの方を目的にしてみたんだけど、ここで難しかったのは、人を殺したいだけの狂人には誰もついていかないんですよね。トーレス艦長は軍人で、自らの目的達成のためには巨大潜水艦を動かさなくてはいけない。そのためには手足となる部下が必要。
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だから、1000万人救済計画や輝かしい経歴、確かな実力とキレる頭脳、2年間海底で生き延びたという伝説、そして、何言ってるのか分からないけど真理をついているように感じる言動(←この辺は河野BDのアドバイス)よってトーレス艦長のカリスマ性を作り上げる必要がありました。
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エースコンバット7DLCのボスどうしようって議論をしてて、「これまで意外とやってない、純粋な悪ってどうだろう? 敵だけど生き様に共感できるようなカッコいいライバルはやってきたけど、今回は倒した時に誰もがバンザーイとなる悪いヤツ」って話になり、生まれたのがマティアス・トーレス艦長。
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エースコンバットの無線はプレイヤーを「ほめる」事が重要だけど、確かに台詞を書いていた時に「ともに飛ぶ仲間や宿命のライバルからの賞賛」「名もなき敵軍/味方軍からの賞賛」「見えないがそこにいるはずの地上の人々からの賞賛」といったレイヤーがあって、そのバランスを取る事は意識してたなあ。 twitter.com/onitannbi/stat…
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Game*Sparkの五輪コラム記事が問題だったのは、政治的すぎるからというより「開会式に問題を感じるゲームファンは想像力のある良いファン。そうでないファンは政治家に丸め込まれるチョロい連中」とレッテル張りし、ゲームコミュニティの分断を助長する記事だった所だと思う。 gamespark.jp/article/2021/0…
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「役に立たなくても芸術じゃなくても人生において楽しいと感じる時間を増やせるならそれは価値がある」
twitter.com/kito_mas/statu…
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ゲームの楽曲がオリンピックの入場行進で使われて、多くの人がおぉ!っとなった。「何の役に立つの?」「価値があるの?」と問われ続けてきたゲーム。これが答えだ、と思う。
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いやー入場行進でエースコンバットの曲を流してもらえるだけで、オリンピック開催してもらえてよかったと思える^^
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「うわ! 敵からの爆撃だ!!」という台詞だと、情報伝達というより独り言のように聞こえます。無線機は誰かに何かを伝えようと思ってからスイッチを押すはずなので、「うわ!」から始まるのもおかしい気がします。状況や何を伝えたいかが曖昧で、無線機を使ってる感じもとぼしいです。
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無線機の仕組みやそれが情報伝達のための道具であることを意識できると、台詞のおける軍事無線感が増せる気がします。でないと、ステレオタイプなロボットアニメの台詞のようになってしまうように思います。
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「はい! 敵の爆撃と思われ…」の方は、上官に敵の爆撃を伝えようとしていると分かります。また「思われ…」からまだ直接攻撃を受けておらず推定であること、そしてその直後に爆撃を受けたであろうこと…といった想像が膨らみます。